学力に課題のある生徒の夏休み中の学習指導

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1.休み期間中の学習指導のポイント

「学力に課題のある生徒」を中途半端に指導してはいけません。
生徒に会える時間が限られている中学校教師にとっては、完成度の高い学習指導は至難の業です。
「夏休みは苦手克服のチャンス。しっかり勉強しておくのですよ」と声掛けだけをして解決する問題でもありません。
このような生徒に対しては、「夏休み〇〇講座」を開講し、連続3~5日間くらい学年や学校で生徒を呼ぶ取組みをしている学校もあるでしょう。
しかし、残念ながらそのような集中講座だけでは、不十分な場合もあります。
継続的にかつ計画的に学校または家庭で勉強できるように指導するのがゴールといえます。
夏休み中に指導できる時間を、「50分×6回」とします。
学習指導のポイントは、

1.夏休みの宿題の基本問題を解けるようにすること
2.保護者から「勉強しなさい」と言われることなく、1日15分家庭学習できること

です。
そして、

夏休み明けの宿題(実力)テストで点を取れるようにすること

です。
「勉強して頑張った」という既成事実をつくるためにやっているのではありません。
「頑張ったから、点数が上がって、自信がでてきた」と生徒に思わせるためにやるのです。
それが次の「自分自身で勉強を頑張る」エネルギーにつながるのです。
「生徒は頑張って勉強したのに、点数がちっとも上がらない指導」は、生徒のやる気を根こそぎなくしてしまうのです。
やることや目的をはっきりさせます。
「成績が悪かったから呼ばれているだけ」では、モチベーションの低い勉強会になってしまいます。
どうせやるなら中学校教師がイニシアチブをとって、モチベーションマネジメントもすべきです。
さて、50分×6回の指導で、できることなんて限られています。
生徒自身が、1教科でも「こうすればできるんだ」と自信をもって勉強を進めていくようになることが肝心です。

2.夏休みの宿題の基本問題を中学校に登校させて解けるようにする

中1、中2であれば、夏休みの宿題の基本問題を解けるように一緒に宿題をしてあげます。
ここで重要なのが、「取り扱う問題の選択」です。
生徒の学力にもよりますが、例えば、数学を考えます。
問題が(1)~(10)まである計算問題だとします。
難易度は、
(1)~(5)基本~標準
(6)~(8)標準~やや難
(9)、(10)難
という並びが一般的でしょう。
そして、実際の指導では、学力に課題のある生徒の場合の一応の目標として、
(1)~(5)何とか自力で解けるようにする。
(6)~(8)理解できる問題については、理解させるが、自力で解けるようにするまでは時間をかけない。
(9)、(10)理解させることも難しい。解答を写させるだけで終わらす。
となります。
できること(結果の残せること)を確実にやるのです。
例えば、時間をかけて、(6)~(8)の問題を説明したとしても、実際の夏休み明けのテストでできるとは限らないのです。
むしろ、できないことの方が多いでしょう。
時間がたくさんあれば、やってもかまいませんが、50分×6回の指導では、非現実的です。
さて、(1)~(5)の問題をすべてやる時間がない時があります。
その場合は、
(1)、(3)、(5)のような選択をします。
(2)、(4)は、(1)、(3)ができるようになればできる問題であることが前提です。
もちろん、(2)、(4)は、次回までの宿題にします。
これを30分ほど続けて、次の教科に移ります。

.保護者から「勉強しなさい」と言われることなく、1日15分家庭学習をさせる

保護者から「勉強しなさい」と言われることなく、1日15分家庭学習をするようになれば、目的は半分達成です。
家で勉強する姿を見たことがない保護者にとっては、これほど嬉しいことはないからです。
私は以前家庭教師や塾講師をしていたこともありますが、一番多かった喜びの声は、「何も言わなくても、自分で机にむかうようになりました」でした。
こうなると、「保護者から注意されない、生徒も嬉しい、言われる前にやろう」という好循環に変化していくのです。
ここでポイントとなるのが、
・家庭学習で何をさせるか
・させることをどのように指示するか

の2つになります。

<家庭学習で何をさせるか>

「夏休みの宿題」、これしかありません。
課題のある生徒にとって、「夏休みの宿題」以外のことをやらせるのは、本当にリスクの高いことです。
焦る必要はあせりません。
夏に1回成功した後の、「2学期以降」「冬休み」にそのようなことをすればよいのです。

<させることをどのように指示するか>

「宿題マネジメント」をしてあげます。
いわゆる計画を立てることですが、さらに一歩進んだ指示をするのです。
次回までにやることを、付箋などの印をして日付まで入れて指示をするのです。
例えば、7月28日(月)の9~10時に指導したとします。
次回の指導が7月31日(木)の9時~10時なら、
7月28日(月)の宿題
7月29日(火)の宿題
7月30日(水)の宿題
を指示しておくのです。
この時の宿題は、「夏休みの宿題」と「7月28日の指導でできるようにした問題」から厳選します。
宿題は、1日15分でできる内容にしておかなければなりません。
最初はそれでいいのです。
また、自分一人でできる内容にしておかなければなりません。
例えば、
・国語の漢字練習
・先に説明した(2)、(4)のような問題
・理科や社会の問題集(できない問題がほとんどなら、解答を見ながら答えを写させる)
などです。
7月31日の指導で、やったかどうかのチェックをしてあげます。
していなくても、生徒が聞きたくない言葉は言ってはいけません。
私の場合は次回までにやってくることを指導する時に、「やってなかったら、50分終わった後に、一緒にやろうね」と笑顔で言ってあげます。

4.注意点

生徒の発達状況を見て、「問題をできるようにする指導」はかなり高度な技術が必要です。
先に説明した(1)~(5)でさえ、時間をかけてもできるようにならない生徒は、さらに学校全体を巻き込んだ指導方針が必要です。
特別支援教育担当者や養護教諭などに相談すべき問題でしょう。

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