中学校:クラス分けで絶対に考えなければならないこと

少し気が早いですが、中学校のクラス分け(クラス編成、学級編成)について記事にします。
ここでは、新中学2年生、新中学3年生のクラス分けを考えます。
記事の内容は、
「AさんとBさんは、クラスを別々にしなければならない」
というような、当たり前の初歩的・基本的なことではありません。

<目次>
1.クラス分けに失敗した学年の状態
2.クラス分けに失敗した原因は何なのか?責任は誰なのか?
3.一般的なクラス分けの手順
4.優先順位が高いこと
5.こんな考えをするから、クラスにより差が「あり過ぎる」ようになる
6.クラス分けの主担当者・力量のある教師には覚悟が必要である


中学校のクラス分け(クラス編成、学級編成)、方法、コツ、中学校教師、教育、ブログ、仕事術

1.クラス分けに失敗した学年の状態

次のような仮想学年集団を考えます。
・4クラス編成
・担任の経験年数=15年目、11年目、6年目、3年目
この状態で、例えば1年後、次のような結果となったとします。
<各行事、コンクールでの賞状の枚数>
・15年目の担任の学級:6枚(体育大会・合唱コンクールなど、主要な行事では、学年ぶっちぎりの優勝点数)
・11年目の担任の学級2枚
・6年目の担任の学級1枚
・3年目の担任の学級1枚
テストの平均点が、あるクラスだけ異常に良い(あるいは異常に悪い)。
異常とは、おおよそ、「他のクラスの平均点よりも合計平均点が30点も40点も違う状態」です。
(例:6教科のテストで、通常のクラスの平均点が360点、特定のクラスの平均点が420点になるなど)
あるクラスの不登校の生徒の人数が多い。
このように「あるクラスだけが・・・」という状態になるのは、よほど特別な事情がない限り、「クラス分けの失敗」と言えるでしょう。

2.クラス分けに失敗した原因は何なのか?責任は誰なのか?

これは明らかに、「クラス分けのミス」「学年運営上のミス」です。
この学年の学年主任(クラス分け主担当者)は、始末書ものでしょう。
ましてや学年主任が、上記の15年目の担任教師なら・・・。
あり得ません。
あまりに、自分のことしか考えていません。
身近にそんなことはありませんか?
これは、学年とて機能していない状態です。
そして、その15年目の学年主任は、偉ぶって言うのです。
「力の差があるから仕方がない」
「担任して間もない頃は、うまくいかないこともある」
「つらい思いをして、担任は成長しなければならない」
何を言っているのでしょうか?
意味不明な発言です。
あまりに話が馬鹿げているので、話にもなりません。
何十年前の話をしているのでしょうか。
「つらい思いをして、担任は成長しなければならない」ことを前提に、クラス分けをするのでしょうか。
こうなることを想定していたのでしょうか?
実際には、ここまで酷い状態はないかもしれません。
しかし、これに近い状態でも、「おかしい」と思う感覚・感性が必要です。

3.一般的なクラス分けの手順

クラス分けの会議のスタートは、おそらく、年明けの1月くらいからが多いのではないでしょうか。
学年教務、あるいは、学年主任に近い立場の先生が担当することになります。
会議の回数は、多くて10回以上、少なくても5回程度は実施します。
一般的に、
・生徒指導上の大きな課題を抱える生徒
・その他、不登校等の問題を抱える生徒
・リーダー的な存在の生徒
に偏りがないようにそれぞれ分けていきます。
その上で、上記に該当しない生徒を、成績(最終2回分の点数の合計点など)を参考に、分けていきます。
次に、
「一緒にしなければならない生徒の組み合わせ」
「別々のクラスにする必要のある生徒の組み合わせ」
を見て、そのような組み合わせがあった場合は、生徒同士を入れ替えます。
次に、
「運動面で偏りがないように」
「ピアノ伴奏ができる生徒が各クラスいるように」
「部活動の所属人数に偏りがないように」
生徒同士を入れ替えます。
とにかく、最初は、バランスで分けていきます。
各中学校で特有なことなどもあるでしょう。
こうして、いろいろなタイプの生徒が所属する「小さな社会」である学級が出来上がるのです。

4.優先すべきこと

優先順位が高いことは、
「どのクラスも同じように、生徒が安心安全で楽しい学校生活を送れるようにすること」
「どのクラスも同じように、偏りなく喜怒哀楽が均等になるようにすること」
です。
学年教師のメンバーと担任が決まったら、マッチングしていきます。
担任と生徒とのマッチングが終わったら、「微調整して終了」ではありません。
担任の力量(経験年数の差など)により、生徒を入れ替えていきます。
この際に、「優先すべきこと」がポイントになってきます。

5.こんな考えをするから、クラスにより差が「あり過ぎる」ようになる

「3年目の先生」と「15年目の先生」では、担任するべき生徒を変えなければなりません。
そこからが、問題なのです。
これに配慮するため、生徒の入れ替えを行います。
例えば、「生徒指導上の大きな課題を抱える生徒」は、3年目の先生には難しい。だからと言って、次のような入れ替えをする場合があります。
・「生徒指導上の大きな課題を抱える生徒」と「不登校の生徒」を入れ替える
・「生徒指導上の大きな課題を抱える生徒」と「生徒指導上の小さな課題を抱える生徒数人」を入れ替える
担任の先生の力量にあまり差がない場合はこれでいいかもしれません。
しかし、です。
差があるのなら、これではいけないのです。
もっというと、「これで、力量の差がカバーできる」ことにはならないのです。
これでは、優先順位の高いこと、
・どのクラスも同じように、生徒が安心安全で楽しい学校生活を送れるようにすること
・どのクラスも同じように、偏りなく喜怒哀楽が均等になるようにすること
が実現できないのです。
少し考えれば分かるはずです。
これは、覚悟のない、優しくない、中途半端な力量しかない学年主任(クラス分けの主担当者)の責任です。
先に示した生徒の入れ替えだと、「やる仕事の内容は変わっても、指導にかかる時間は同じ、いや、むしろ増える」のです。
指導にかかる時間が増えること、これは大きな問題です。
いわゆる時間がないことに起因する悪循環が起こるのです。

これが、分かっていないといけないのです。
「生徒指導上の大きな課題を抱える生徒を受け入れたから、これで十分」ではない
のです。

6.クラス分けの主担当者・力量のある教師には覚悟が必要である

経験があり、力量があるなら、たくさん受けるべきなのです。
(3年目の先生が、生徒指導上の大きな課題を抱える生徒を担任することを希望した。学年の先生も、大丈夫と判断できた場合は、話は別です。)
時間のかかる生徒も見るべきなのです。
だから、入れ替える時は覚悟を決めて、
「生徒指導上の課題を抱える生徒」と「特記すべき事項がない生徒」を入れ替える
のです。
それくらいの覚悟が必要でしょう。
現在20代後半~30代で、学年主任を背負って立つ(可能性のある)先生なら、そのような思考をしてほしいのです。
そのような考えがあれば、
そういえば、○○先生のクラス、最近元気がないから、このクラスが勝てるようなイベントを考えよう!
というようなアイデアも自然と浮かんできます。
教師以前の問題です。
人としてどうあるべきか、なのです。

1つの学級だけが、いい思いをする。
1つの学級だけが、悲しい思いをする。
そうなることに気づかずに、クラス分け会議が進んでいく。
そして、実際にそうなったら、荒れている学級の担任の責任にする。
こんな学年運営やクラス分けを、絶対に許してはいけません。