この記事は、次のような先生に向けて書きました。
・4月にある学級懇談会で何を話したらよいか分からない先生
・話す内容はだいたい決まっているけど、どのような話し方をすればよいか、分からない先生
また、この記事の最終的な目標は、
・保護者の方が「学級懇談会に来てよかった」と思ってもらうこと
です。
1.周到な準備で9割決まる
仕事において、何事もそうですが、周到な準備が必要です。
特に学級懇談会は、保護者の方が忙しい中来られます。
必死の思いで駆けつけたのに、
「しらけた空気で終わった」
「今日の内容だったら、紙1枚配布してもらえれば事足りた」
では、あまりに非情すぎます。
「へたくそでもいい」
けど、周到な準備は、社会人としても、必要最低限のマナーともいえるでしょう。
完璧を目指す必要はありませんが、周到な準備は必須条件です。
学級懇談会に対し、私はけっこうな時間をかけて準備をします。
それが、保護者の方に対する誠意です。
事前に学級懇談会に来てもらいたいことを、学級通信等で情宣しておきましょう。
残りの1割は、当日の振る舞いです。
2.学級懇談会で「準備すること」と「話す内容」
(1)生徒のアンケート
(以下の内容のアンケートを生徒に実施しておきます))
・春休みの1日の平均家庭学習時間は何分ですか。
・授業がある時の、家庭学習の時間は何分くらいですか。
・行きたい高校は決まっていますか(中3の場合)
・夜は何時に寝ますか。朝は何時に起きますか。
・保護者からよく注意されることは何ですか。
・1学期の目標は何ですか。
・よく見るTV番組は何ですか。
・スマホ時間と家庭のルールを教えてください。
(2)写真や動画
10年目くらいまでは、写真や動画を学級懇談会で保護者に見せていましたが、最近はやっていませんが、定番なので紹介します。
一番の理由は、時間です。全体の時間が30分程度ですから、その中で5分はもったいないな、と感じます(写真や動画 を否定しているわけではありません)。
もし、見せるとしたら学級懇談会終了後、「ご覧になりたい方はどうぞ」と言って自由閲覧の形式にします。
(3)話す内容と話してもらう内容
◆自分の自己紹介
まずは、自分の自己紹介です。
自分がどんな人生を送ってきたのか。
何を大切にしているのか。
長くなり過ぎないように、簡潔に話します。
◆保護者の方の自己紹介
どの生徒の保護者なのかを言ってもらいましょう。
◆「こんな学級にしたい」
これが一番重要なことの1つです。
時間をかけて、保護者に説明できるように考えておきましょう。
そのように思っている理由も説明しましょう。
◆学級の雰囲気、課題、いい部分
良い部分だけ話すのはNGです。
「課題」や「こういう部分を成長させていきたい」という部分を話しましょう。
「共に学級を創っていく」が基本です。
保護者よがりになってはいけませんが、「○○を解決したい」と率直に話してもいいと思います。
「いい内容」と「悪い内容」は、9:1ぐらいを意識して話しましょう。
◆話題にしたい内容(話のテーマ)
ゲーム、インターネット、スマホルール、放課後の過ごし方、生活面全般、質疑応答から出てきた内容
◆質疑応答
会が始まる前に、小さな紙に書いておいてもらうのもいいでしょう。
正直に答えましょう。
「分からないことは分からない」と答えて、後日通信や電話等で説明しましょう。
◆1年間の流れ
主要な行事と、その時の生徒の様子を想像して話しましょう。
◆話してはいけない内容
特定の生徒に対する非難を話してはいけません。
生徒や保護者の耳に入る可能性だってあるのです。
◆「ご相談されたい事等ある方は、学級懇談会後、ご相談ください」
3.当日の心構えと準備
(1)服装
正装です。
説明不要です。
(2)話し方
敬語です。
あえて「くだけた言い方」を演出する先生がいますが、私はしません。
私は「敬語だけど、親しみやすい表現」を目指しています。
「くだけた言い方」で「親しみやすい」を表現することは、私はしません。
ただ、これについては、「地域柄」もあります。
それも考えて、総合的に判断してください。
(3)挨拶でおさえたいこと
「今日はお忙しい中来てくださって、本当にありがとうございます」
ということを、言葉だけでなく、本当にそのような思いをもって言うことです。
心こそ大切です。
(4)雰囲気
固くならないようにします。
自分自身が緊張していては、保護者の方も緊張します。
それでは、本心も聞き出せませんし、保護者の方も疲れてしまいます。
まずは、リラックスすることです。
リラックスするためにも、「1.周到な準備」が必要です。
周到な準備をしておけば、当日も資料を中心に話せばいいので、余裕をもって当日を迎えることができます。
(5)気持ち
「生徒を愛おしい」と思う気持ちを常に持ち合わせていることが大切です。
「話はあまりうまくないけれど、思いがある」
そんな、イメージを保護者の方にもってもらえればいいでしょう。
あとは、「保護者とつながりたい」という気持ちを前面に出しましょう。
そういう気持ちがあれば、保護者の方が来校された時に、「今日はお忙しい中ありがとうございます」等の声掛けもできるでしょう。
(6)時間
時間厳守が大原則です。
決められた時間に始めて、決められた時間に終わります。
どうしても、、伸びそうな場合は、一旦会を終わらせます。
その後、立ち話等で話すようにします。
(7)レジュメを黒板に書いておく
保護者の方も、心の準備があります。
突然話をふられても、困惑する場合もあります。
安心感をもってもらうためにも、レジュメは書いておきましょう。
(8)机上に名前カードを置く
机上に、マジック(太)と画用紙(折ったら三角になるもの)を置いておきます。
(9)メモを取りながら聞く
メモを取っているだけで、「真剣に聞いてもらっている」と保護者の方は感じてくれます。
また、約束することも出てくるので、メモはマストです。
(10)机の形
コの字型、講義型、縦長等ありますが、私は最近4~5人のグループになるような形にしています。
理由は、私の場合、経験的に保護者の方が話しやすかったからです。
また、保護者の方同士でも、つながりやすい形でもあります。
(11)注意すること
知りえた個人情報は、外部に漏らさないことを保護者にお願いしておきましょう。
4.学級懇談会後に考えること
可能なら、学級懇談会についての学級通信を作成しましょう。
内容は、学級懇談会で話した内容でOKです。
約束したことを、必ず守りましょう。
何か問題があれば、学年主任や校長先生にすぐに報告しましょう。