中学生のテスト勉強計画表~計画・実行・振り返りを支える6つのテンンプレート~

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中学生の定期テスト前に、テスト勉強計画表や学習計画表を作成する学校は少なくありません。
ところが、計画表へ細かく予定を書いたものの、予定どおりに進まず、途中から記入しなくなることがあります。
その原因を、「計画を立てる力が低い」「本人のやる気がない」と考えるだけでは、次の学習につながりません。
計画が細かすぎる。
課題量を正確に見積もれていない。
部活動や習い事を考慮していない。
予定を変更しにくい。
提出物とテスト勉強が混ざっている。
このように、計画表の設計そのものに問題がある場合もあります。
学習計画表は、生徒を能力別に分類したり、勉強時間の長さを競わせたりするためのものではありません。
「何をするか」
「いつ、どこで始めるか」
「どこまでできたか」
「次に何を変えるか」
を本人が考え、学習を調整するための道具です。
この記事では、中学生のテスト勉強計画表を、目的別に6種類紹介します。
5教科・9教科の定期テスト、1週間前・2週間前の計画、提出物の管理、記入が苦手な生徒へのシンプル版、テスト後の振り返りまで、学校や家庭で使える形に整理しました。

中学生のテスト勉強計画表は、何のために作るのか

計画表の目的は、予定どおりに行動できたかを採点することではありません。
主に、次の四つを支えるために使います。
・テスト範囲と提出物の全体像を把握する
・大きな課題を、実行できる大きさへ分ける
・学習を始める日時・場所・内容を具体的にする
・実行後に振り返り、計画や学習方法を修正する
文部科学省は、児童生徒が学習の目標や教材を理解し、計画を立て、見通しをもって学習し、その過程や達成状況を振り返って次につなげるなど、自ら学習を調整できるよう指導することを重視しています。
計画表は、その学習過程を支援する一つの手段です。

計画表を作っても続かない7つの理由

1.予定を細かく書きすぎる

15分単位でテストまでの全期間を埋めるなど、修正しにくい計画は、一度崩れただけで使われなくなります。
計画は、最初から完璧に作るものではありません。
実際の進み具合に合わせて、変更できる余白を残します。

2.「数学をする」のように内容が大きすぎる

教科名だけでは、何から始めればよいか決められません。
「数学ワーク24~27ページの間違えた問題を解く」
「英単語を20語、何も見ずに書く」
など、行動できる大きさにします。

3.提出物と理解のための勉強が混ざっている

ワークを全て埋めることと、問題を自力で解けることは同じではありません。
提出物を終える段階と、理解を確認する段階を分けます。

4.勉強時間だけを目標にする

「2時間勉強した」という記録だけでは、何を学び、何が分かるようになったのか判断できません。
勉強時間だけでなく、取り組む内容と確認方法を決めます。

5.部活動・習い事・休息を考慮していない

実際に使える時間を多く見積もりすぎると、毎日「計画未達成」になります。
帰宅時刻、食事、入浴、睡眠、部活動、習い事などを先に確認します。

6.予備日がない

学校行事、体調不良、課題に予想以上の時間がかかることなどによって、予定は変わります。
予定がずれることを前提に、予備日や調整日を設けます。

7.振り返りが「できた・できなかった」だけ

できなかった理由と、次に何を変えるかが分からなければ、同じ計画を繰り返します。
「課題が多すぎた」
「始める時間が遅かった」
「問題が難しかった」
など、次の計画に使える情報を残します。

計画表を作っても学習を始められない場合には、計画の立て方だけでなく、睡眠、学習上のつまずき、失敗への不安、家庭環境なども確認する必要があります。詳しくは、「中学生が勉強したくない100の理由――意欲が出ない背景と教師・保護者にできる支援」で整理しています。

6種類のテスト勉強計画表と選び方

1.テストまでの全体を見通す計画表

テスト範囲が発表されたら、最初に学校行事、部活動、習い事、家庭の予定、帰宅時刻を記入します。
その後、現実に使える学習時間を確認します。
この計画表では、全日程を細かな課題で埋めません。
「数学のワークを一周終える日」
「英単語を一度確認する日」
「提出物を確認する日」
「予備日」
など、期間全体の節目を決めます。
計画変更を前提とし、予定を移動できる余白を残します。
予定どおりに進まなかった日を失敗とせず、次の日以降へどう移すかを考えるために使います。

2.一日ごとの学習内容を決める計画表

一日の計画は、「何時間勉強するか」だけでなく、「いつ・どこで・何を始めるか」を決めます。
例えば、
「夕食後に数学をする」
よりも、
「19時30分に自分の机で、数学ワーク24~27ページの間違えた問題を解く」
と書く方が、行動へ移しやすくなります。
学習内容は、終わったかどうかを確認できる大きさにします。
時間が読みにくい課題は、
「20分取り組み、終わらなければ続きの範囲を記録する」
とします。

3.教科別に学習内容を整理する計画表

教科別整理表では、テスト範囲を次のような内容に分けます。
・覚えること
・理解すること
・解けるようにすること
・説明できるようにすること
・技能として身に付けること
同じ教科でも、用語を覚える課題と、資料を読んで説明する課題では、必要な学習方法が異なります。
範囲表を書き写すだけでなく、テストまでに何ができる必要があるかを整理します。
9教科のテストでは、実技教科を直前にまとめて行わず、授業プリント、用語、技能のポイントなどを早い段階で確認します。

4.提出物とテスト勉強を分ける計画表

問題集を全て埋めて提出しても、自力で解けるとは限りません。
提出物を終える段階と、理解を確認する段階を分けます。
例えば、数学ワークであれば、次のように分けます。
・一周目を終える
・答え合わせをする
・間違えた原因を確認する
・何も見ずに解き直す
・似た問題で確認する
提出物の締切だけに追われる状態を防ぐため、可能であればテスト数日前までに提出物を一度終え、理解を確認する時間を確保します。

5.記入負担を減らしたシンプル計画表

計画表の項目が多いと、書くだけで疲れてしまう生徒がいます。
シンプル版では、次の三つを中心に記入します。
・今日することを三つまで
・始める時刻やきっかけ
・終わった後の一言
三つ全てを必ず行うのではなく、優先順位を付けます。
最優先の一つが終われば、次を選びます。
書くことが苦手な場合は、教師や保護者と口頭で決め、チェックだけで使う方法もあります。

6.実行後の振り返りと修正を重視する計画表

振り返りでは、自分を5段階で評価するよりも、次のことを記録します。
・何が進んだか
・何が止まったか
・どの方法が役立ったか
・次に何を変えるか
計画どおりにできなかったときは、本人の性格ではなく、課題量、開始時刻、難しさ、環境、体調などを検討します。
計画を変更できたことも、学習を調整した成果です。
最初の計画を守り抜くことより、実際の状況に合わせて修正することを重視します。

定期テスト2週間前からの計画の立て方

1.テスト範囲と提出物を集める

範囲表、教科書、問題集、授業プリントなどをそろえます。
まだ範囲が確定していない場合は、現時点までの授業範囲を仮に使います。

2.学校外の予定を先に書く

部活動、習い事、通院、家庭の予定を先に記入し、実際に使える時間を把握します。
睡眠時間を削って、学習時間を作らないことが重要です。

3.教科ごとの課題を分解する

「英語を勉強する」ではなく、次のように分けます。
・教科書本文を音読する
・単語を見ずに書く
・文法問題を解く
・間違えた問題を解き直す
・リスニング問題を確認する

4.早めに一度取り組み、難しさを確認する

計画を立てる時点では、必要な時間を正確に予測できません。
早い段階で数問取り組み、課題の難しさや必要時間を確認して計画を修正します。

5.複数の日に分ける

同じ内容を一度に詰め込むより、複数の日に分け、繰り返し思い出す機会をつくります。
例えば、英単語を100語覚える場合は、一日だけで終わらせず、最初に学習する日、翌日に確認する日、数日後に再確認する日を設定します。

6.中間確認日と予備日を置く

テスト一週間前などに進み具合を確認し、残り日数に応じて優先順位を変えます。
予定が遅れたときに使える予備日も設けます。

7.前日は新しい課題を増やしすぎない

テスト前日は、全てを最初からやり直す日ではありません。
理解できていない重要事項や、間違えやすい内容を確認し、睡眠を確保します。

教科別のテスト勉強計画例

国語

漢字や語句は、短い時間で複数回、何も見ずに思い出します。
説明文や物語文では、段落構成、根拠、登場人物の変化、表現の効果などを、自分の言葉で説明できるか確認します。

社会

用語だけを単独で覚えるのではなく、原因・経過・結果、地域の特徴、資料との関係を整理します。
教科書を見続けるだけでなく、白紙や地図へ、覚えていることを書き出して確認します。

数学

例題や解説を読むだけでなく、何も見ずに問題を解きます。
間違いを、
・計算の間違い
・条件の読み落とし
・公式や考え方の理解不足
などに分け、似た問題で確認します。

理科

用語、実験操作、結果、考察を関連付けます。
図や表を見て説明できるか、計算問題を自力で解けるかを確認します。

英語

単語、教科書本文、文法、聞く・読む・書く活動を分けて計画します。
答えを見る前に思い出し、短い間隔で繰り返します。

実技教科

授業プリント、作品や技能のポイント、用語、鑑賞・保健分野など、出題範囲を早めに確認します。
テスト直前だけに集中させず、短時間で複数の日に分けます。

計画表に取り入れたい学習方法

間隔を空けて学ぶ

同じ内容を一度に長時間行うのではなく、複数の日に分けます。
計画表では、最初の学習日と確認日を別に設定します。

思い出す練習を行う

教科書やノートを見続けるだけでなく、教材を閉じて説明する、小テストをする、白紙へ書くなど、記憶から取り出す練習を行います。

間違いを分類する

正解か不正解かだけでなく、何が原因だったかを記録します。
次に同じ種類の問題を解くときの確認点が明確になります。

学習方法を振り返る

勉強時間の長さだけでなく、どの方法で理解や正答が改善したかを確認します。
学習内容を複数の日に分ける分散学習と、答えを見ずに思い出す想起練習には、長期的な定着を支える研究の蓄積があります。
ただし、全ての教科や生徒に同じ方法を機械的に当てはめるのではなく、学習内容と本人の状態に応じて調整します。

分散学習、想起練習、ノートの使い方など、学習を定着させる具体的な方法については、「中学生の学習を定着させる方法――分散学習、想起練習、ノート、学習計画」で詳しく整理しています。

教師が計画表を使うときの注意点

・計画表の細かさを、生徒の能力の上下として扱わない
・予定どおりにできなかった理由を、努力不足だけで説明しない
・学習時間や自己評価点を学級内で競わせない
・全員に同じ計画表を強制せず、目的に応じて選べるようにする
・記入内容を成績評価へ安易に結び付けない
・家庭の経済状況、生活環境、家族の世話などの役割に配慮する
・長い計画表を完成させることより、学習を始め、修正できることを支援する
計画を立てることが難しい生徒には、白紙の計画表を渡して任せるのではなく、課題の分解や優先順位の決定を一緒に行います。
支援を少しずつ減らし、自分で調整できる範囲を広げます。

計画どおりに進まなかった生徒へ、評価や叱責ではなく、次の学習改善につながる情報をどのように返すかについては、「生徒の意欲を高めるフィードバックとは――褒める、認める、報酬を与えることの違い」で詳しく解説しています。

保護者が支援するときの注意点

・計画表を監視表にしない
・できなかった項目を責める前に、理由を聞く
・予定を詰め込みすぎず、睡眠と休息を確保する
・勉強時間よりも、取り組んだ内容と方法を尋ねる
・兄弟姉妹や友人と比較しない
・学校の提出期限や範囲が不明なときは、本人と一緒に確認する
保護者が全ての計画を決めてしまうと、本人が自分で学習を調整する機会が失われます。
必要な部分を一緒に考えながら、本人が選べる範囲を残します。

よくある質問

計画表は何日前から作ればよいですか

学校の範囲発表時期によりますが、2週間程度前から全体を見通し、毎日の具体的な計画は数日単位で修正する方法が現実的です。
範囲発表が遅い場合は、それまでに学習した内容や提出物を仮に整理します。

計画は時間と内容のどちらで立てますか

内容を基本にしつつ、始める時刻や取り組む時間も決めます。
「19時30分から20分、英単語20語を何も見ずに確認する」
のように、時刻、時間、内容を組み合わせます。

予定どおりできなかったら、全て書き直しますか

全てを書き直す必要はありません。
未完了の課題を、重要度と残り日数から再配置します。
重要度の低い課題を減らす判断も必要です。

勉強時間は記録した方がよいですか

時間管理に役立つ場合は、記録して構いません。
ただし、長時間勉強したことだけを評価せず、取り組んだ内容と理解の確認を併記します。

全員に同じ計画表を使わせてもよいですか

学校として基本様式をそろえることはできます。
ただし、記入量や支援方法を調整し、簡易版を選べるようにすることが望まれます。

デジタルと紙はどちらがよいですか

一覧性や書き込みやすさを重視する場合は紙、修正・共有・履歴を重視する場合はデジタルが適しています。
本人が使いやすく、学校の情報管理方針に合う方法を選びます。

Word版・中学生のテスト勉強計画表6種類

本記事で紹介した6種類のテンプレートを、編集可能なWordファイルにまとめました。
印刷して手書きで使うことも、Word上で直接入力して使うこともできます。
中学生のテスト勉強計画表6種類(Word版)をダウンロード
収録している計画表は、次の6種類です。
・テストまでの全体を見通す計画表
・一日ごとの学習内容を決める計画表
・教科別に学習内容を整理する計画表
・提出物とテスト勉強を分ける計画表
・記入負担を減らしたシンプル計画表
・実行後の振り返りと修正を重視する計画表
学校指定の様式がある場合は、その様式を優先してください。
ファイルを校内で修正・共有するときは、生徒の氏名や学習状況を含むファイルの保存場所と共有範囲にも注意します。

計画表は、守らせるためではなく、調整するために使う

中学生のテスト勉強計画表は、予定を守れた生徒と守れなかった生徒を分けるためのものではありません。
自分の課題を把握し、始める方法を決め、実行し、振り返って修正するためのものです。
細かな計画が合う生徒もいれば、三つの課題だけを決める方が動きやすい生徒もいます。
最初から最適な計画を作れる必要はありません。
実行して分かったことを、次の計画へ反映する過程そのものが学びです。
教師や保護者が行うのは、計画を代わりに決めて管理することではありません。
課題を分け、優先順位を考え、本人が選び、修正できる環境を整えることです。
計画表を、勉強を強制する用紙ではなく、自分に合う学び方を見つける道具として活用していきたいものです。

参考資料

文部科学省「『個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実』のためのサポートマガジン『みるみる』」
文部科学省「『個別最適な学び』と『協働的な学び』の一体的な充実」
文部科学省「個に応じた学習過程の充実について」
文部科学省「教育課程の実施と学習評価」
文部科学省「整理した情報をもとに自分自身を振り返る」
Australian Education Research Organisation「Spacing and retrieval practice guide」
Roediger, H. L. & Karpicke, J. D. “Test-enhanced learning: Taking memory tests improves long-term retention”
Gollwitzer, P. M. & Sheeran, P. “Implementation Intentions and Goal Achievement: A Meta-analysis of Effects and Processes”

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