1.SWOT分析とは
SWOT分析は、中学校の研修場面で使われることがあります。
よくあるのが、「所属している中学校をSWOT分析して、よりよい方向へと進む具体的行動を挙げていく」というものです。
ここでは、中学校先生が個人でSWOT分析をして、今後の教師生活に活かすことを考えます。
ポイントは、「S」と「O」をつなげ、「S」を大きくすることです。
SWOT分析とは、
S=強み(Strength)
W=弱み(Weakness)
O=機会(Opportunity)
T=脅威(Threat)
の頭文字をつなげた言葉です。
また、
強み(S)と弱み(W)は、自分自身のこと
機会(O)と脅威(T)は、外部環境のこと
になります。
2.中学校教育場面で
通常は、中学校や市町村など組織全体で用いますが、今回は個人での活用を考えます。
ある13年目の先生のSWOT分析を例に挙げます。
S=強み・・・授業研究が熱心であること
W=弱み・・・生徒指導で、最後の一押しが弱いこと
O=機会・・・授業力向上を目指す若手教師が増えてきたこと
T=脅威・・・「生徒指導に力を入れてほしい」と学年の保護者からの声が増えてきたこと
SWOT分析をしたから、どうこうなるというわけではありませんが、これをすることによって、今まで自分が持っていなかった視点を発見することができます。
例えば、先の13年目の教師の場合、自分の強みS(=授業研究が熱心であること)を外部の機会O(=授業力向上を目指す若手教師が増えてきたこと)にリンクさせることができれば、「S」がより大きな「S」へと変化していくのです。
この先生は、SWOT分析を機に、授業において若手教師の手本となるようになりました。
自分の強みが何か知ることはとても大切です。
「S」の例として、
・生徒の声を聞くこと
・教科の授業
・HR
・生徒会
・特別支援
・ICT
・教務
・進路
・部活動
などが挙げられます。
そのような自分の強みを外部環境とリンクさせれば、先の先生のように「S」はより大きな「S」へと変化していくのです。
これは、WやTの改善にもつながります。
逆を考えれば分かります。
例えば、生徒指導で定評のある先生は、
・授業がへたくそでも、「授業が下手」とは言われない
・気の弱い生徒の声を聞けなくても、それを責められることはない
のではないでしょうか?
そんなものですよ。
自分で「S」の土俵を創っているから、他の弱い部分「W」は言われないのです。
「S」で自分の土俵を創れば、WやTも改善される(他人に目を向けられない)のです。