中学校生徒指導~25の考え方と指導のコツ~

この記事は次のような先生のために書きました。
・生徒指導でつまずきたくない先生
・学級レベルの軽微なトラブルは解決できるようになったが、それ以上の生徒指導上の問題が起こった時に不安のある先生
・生徒指導の基本的な考え方や指導方法について知りたい先生
・生徒指導ができる教師として、これから活躍したい先生
・生徒指導主事、学年主任をしているが、問題行動を生徒が起こしたときにどのように他の教師に指示をしたらよいか悩む時がある先生

中学校生徒指導、コツ、指導方法、考え方、生徒指導主事

この記事に書いてあることをすべてできる教師なんていません。
また、中学校により、実態が大きく違う場合もあります。
「組織が大事」と主張しすぎて、「組織の雰囲気が悪くなってしまう」なら、本末転倒です。
くれぐれも、無理のない範囲でご活用ください。
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中学校生徒指導、コツ、指導方法、考え方


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1.まずは自分の頭で判断する

「どんな困難な状況においても、自分の頭で思考し、自分の言葉で語り、自分の意思で行動できる教師になること」
いつも自分に言い聞かせている言葉です。
「生徒指導は誰かに聞いてから」という癖がついていると、自分の頭で考える力がなくなっていきます。
そこで、何か生徒指導が発生した時、問題行動の種類や大きさに関わらず、
「自分でどのように動くか」
を考えておかなければなりません。
・1対1で勝負したい、話をしたい。
・まだ信頼関係ができていないので、できれば〇〇先生にお願いしたい。
・保護者が大変なので、学年主任に同席してほしい。
などです。
先輩教師に相談した時に、
「自分でこのように動きたいという考えや思いはありますか」
と聞かれた時に、
「いや、どうしていいか分かりません」
ではいけません。
間違っていてもいいのです。
むしろ、間違っていることの方が多いでしょう。
しかし、自分の頭で判断するという手順をふまないと、成長していきません。
いつまでたっても、他人の頭を使わないと生徒指導できないのです。
他校生が関係する、犯罪に触れるなど、問題行動のレベルが大きすぎても自分で一度考えるのです。
問題行動が発生してからでは遅いのです。
それを判断するためのヒントをこの記事で示しました。
本記事に関わらず、常に「自分ならこうする」という視点をもって、情報を仕入れてください。

2.先輩教師なら、報告されやすい雰囲気をもつ

学年主任、生徒指導主事レベルで、「話しかけられにくい」雰囲気をもっているようではいけません。
学年主任、生徒指導主事、10年以上の経験のある教師であれば、経験の少ない教師が生徒指導上の報告や相談に来た時に、その教師が伸び伸びと言えるような聞き方をしなければなりません。例えば相談したときに、
(迷惑そうな態度をして)「今、忙しいから、自分で判断して」
(冷たい態度で)「それくらいのことなら、言わなくてもいいよ」「なんで、(初動で)そんなことしたの?」などの発言は避けましょう。
目的は、「目の前の生徒指導」を解決することです。
少しでも、解決策を示しましょう。

「生徒指導そのものではなく、他の教師への気遣いで心を消耗する」ことだけは、避けましょう。

3.生徒指導上の報告はこうする

どんなに言いにくいことも報告しなければならなりません。
先輩の先生も何が起こっているか分からなければ、次の指示を出すことができません。
報告のコツは、
・「事実」なのか、
・「推測」なのか、
・「意見」なのか、
をはっきりさせます。
「意見」なら、
・言いたいことがあるのか、
・判断を仰いでいるのか、
・お願いしたいことがあるのか、
・緊急なのか、そうでないのか、
を明確にするのです。
生徒指導上の報告で、隠し事などはもっての他です。
また、「焦った言い方」で緊急事態を伝えてはいけません。
冷静かつ明瞭な言い方で、
「緊急です。至急、判断を仰ぎたいことがあります」
と言えなければなりません。
事実を伝える時も、「分かりやすく」言うのです。
「分かりやすく」とは、
・必要最低限の内容(いわゆる「5W+1H」で必要なものだけを選択する)を話す。
・話すスピードはあげるものの聞き取りにくくならない程度にする。
・言いにくいことでも、明瞭な声で話す。
などです。

4.「後輩教師への指導」と「問題解決へ向けての具体的な指示」は分けて考える

生徒指導主事、学年主任レベルであれば、具体的な指導方法を指示しなければなりません。
対応がまずかったことに対する「後輩の先生への指導」は、問題行動が解決してからの話です。
この2つを同時進行させると、後輩教師は、
「生徒の問題行動そのもの」よりも、「先輩教師からのダメ出し」にエネルギーを奪われてしまいます。
これでは、満足な対応ができません。
まずは、
「問題行動を解決するための具体的な指示や提案、後輩先生の気持ちの確認」
が基本です。
問題が解決した後、あるいは落ち着いた時に、後輩教師に振り返りをさせるのです。
これを混同してはいけません。

5.「教師一人でできること」には限界があることを理解する

校長先生、教頭先生、生徒指導主事、学年主任等、それぞれの考え(動き方)にブレがあれば、他の教師の負担が増します。
教師同士で足を引っ張る状態です。
逆に組織としての一貫した指導体制(システム)があれば、負担は軽減されるのです。
スマートに動けるのです。
負担も少ないのです。
組織としての指導体制とは、
「誰がいつどのような判断基準で何をするかが明確な状態」
です。
「自分のクラス運営に自信をなくす、どうしよう」
「もう、自分は7年目。他人に迷惑をかけるわけにはいかない」
と思ってしまい、動きが鈍くなってはいけません。
防御率トップのピッチャーだって、いつも完封できるわけではないのです。
イチローだっていつもヒットを打つわけではありません。
担任一人の力でできることなんて知れているのです。
問題行動を起こしている生徒にとって、どのような組織的指導をするのが効果的なのか
という視点が必要です。
その方が生徒のためになるのです。
担任一人だけで指導するのは危険な場合が多いのです。

6.「一流の生徒指導」と「二流の生徒指導」の違いを知る

表面的には問題解決したように見えても、「一流の生徒指導」と「二流の生徒指導」では次のような差があります。
<二流の生徒指導>
・自分がやりたいようにやる。
・表面的な解決でしかない。
・生徒の内面の成長につながらない。
・周りの教師は成長しない。
・同じ問題が起こった時に、その教師がいないと解決しない。
・その教師が異動になると、ヤンチャが好き放題する。
・その中学校を異動すると、「俺がいないと、○○中学校はダメになる」と異動先の中学校で自分を自慢する。
<一流の生徒指導>
・周りの先生も気持ちよく動ける。
・生徒の内面の成長にもつながる生徒指導をする。
・周りの教師も成長する。
・同じ問題が起こった時に、その教師がいなくても、別の教師が解決できるようになっている。
・その教師が異動しても、ヤンチャはもとのヤンチャに戻らない。

7.緊急の生徒指導会議で、雰囲気をコントロールする

どの教師も活発に意見を言える環境でなくてはいけません。
もちろん、舵を取る教師は必要です。
最終決断を下す教師も必要です。
しかし、
生徒指導ができると思われる人間の発言=その会議の決定
となる雰囲気は避けなければなりません。

組織が停滞し、個々の能力が下がります。
会議の目的は、意見を出し合う場です。
問題が深刻な場合は、ある程度雰囲気が重くなるのは仕方ありません。
しかし、それに影響されすぎて意見が出ないようであれば、会議の目的は達成されないのです。
会議とは、アイデアを出し合う場、ベストな選択をする場なのです。
会議が終わった瞬間、「よしいくぞ!」と思えなくてはならないのです。
それがあるべき会議の姿です。
意見が出尽くした後に、生徒指導のベテランがまとめの意見を言って偉そうにする場ではないのです。

8.生徒指導も学び方は変わらない

生徒指導も学び方は変わりません。
学び方については、次の記事を書きました。
・バランス感覚のある中学校教師に近づく方法
先輩教師が初任者の先生に「学び方を指導しなければならない」
「今までの経験、書籍、WEB上で調べたこと、先輩から聞いたこと」
これらが有機的につながり本物の知恵となります。
そしてこの知恵が、次の行動への土台となるのです。
日本の「中学校生徒指導分野」は、「授業分野」と同様、とても研究が進んでいます。
大型書店に行けばすぐに分かります。
生徒指導の事例は、ほぼ掲載されています。
種類が多すぎて、どの本を選んだからよいか分からないくらいです。
「生徒指導が苦手だ」と思われている先生はまずそれらの本を読むべきでしょう。
悩むのはそれからです。

9.生徒指導の力をつけるために、関わる人物・諸機関の全体図を今すぐ作成する

一通り目の前の生徒指導に対応できるようになったら次にすることがあります。
生徒指導に関わり得る人間を自分の立ち位置を中心に書き上げます。
より大きな視点(鳥瞰的な視点)で問題行動を捉えるためにやるのです。
A3またはA4サイズの大きさの図を作成します。
中学校に置かれている生徒指導マニュアルにあるような図を、自分自身で作成するのです。
注意点があります。
既にあるマニュアルを見ながら作成するのではありません。
見ずに作成するのです。
今の自分の生徒指導の力が分かります。
本記事の例では分掌名、役職名などでとどめていますが、自分で作成する時は、その下に実際の先生の名前も記入します。
作成項目としては、
・自分(担任)
・副担任
・学年教員
・学年主任
・生徒指導主事
・その他職員
・他学年の教師
・支援学級所属の教師
・教頭
・校長
さらに、外部の関係機関も加えます。
・警察
・子ども家庭センター
・教育委員会
・相談員
・カウンセラー
・SSW
等です。
起きている問題行動の大きさを客観的に判断できるようになります。
どこまでの関係する職員を巻き込んでいけばいいのかも判断できるようになります。
参考までに、基本的な図を示します。
イメージ(画像をクリックすれば、拡大表示できます)

中学校生徒指導、コツ、指導方法、考え方


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校内研修等でも使用可能です。

10.自分が作成した図と生徒指導マニュアルの図を見比べる

各々の中学校で、生徒指導マニュアルが作成されているはずです。
自分の作成した図と学校にある生徒指導マニュアルの図を見比べるのです。
足りていない部分は書き加えます。
違っている部分があれば修正します。
疑問点があれば、他の教師に質問します。
これを見て、問題行動別(後述します)にどのように動くかをイメージしておくのです。
これがない中学校、充実していない中学校、数年以上同じマニュアルのままの中学校は、早急に作成又は改定する必要があります。
生徒指導に長けている先生は、より充実した生徒指導マニュアルを作成しなければなりません。
生徒指導マニュアルのない中学校は、生徒指導のできる(と思われている)教師がその中学校を牛耳る可能性があります。
時代に逆行しているともいえるでしょう。

11.「事実確認表」を使って事実確認する

中学校によっては、聞き取りのための、「事実確認表」があります。
例えば、次のような表です。
事実確認表イメージ(画像をクリックすれば、拡大表示できます)

中学校生徒指導、コツ、指導方法、考え方
中学校生徒指導、コツ、指導方法、考え方


事実確認表をPDFファイルで表示
事実確認表をワードファイルでダウンロード
<表の項目>
・担当(             )
・聞き取った時刻(  )月(  )日(  )曜日(  )時(  )分~(  )時(  )分
・いつ
・誰が
・誰を
・どこで
・どのように
・目撃者
・言葉
・他に一緒にいた生徒(人)
・その他の状況
・その他
・推測事項
・動機
・背景等
このような問題があるたびに、先輩教師が後輩教師に、
「○○、△△、・・・、を絶対聞いておいてくださいね」
と聞くのは、極めて非生産的なのです。
このような事実確認表を準備しておけば、初心者でも対応できるのです。
<事実確認で注意すること>
・先入観を捨てる
・時系列を明確にする
・可能なら証拠写真を撮る(器物破損時等)
・「事実なのか推測なのか」、「見たことなのか聞いたことなのか」、はっきり区別する
・聞いている生徒の前でメモを取る(「学校で言っていることと家で話すことが違う」のを防ぐため)
学校で使用しているものを合わせて、より良い表を作成するのもよいでしょう。

12.生徒指導は、段階指導をまず学ぶ

本記事の最も重要な部分です。
・問題行動の内容
・本人の反省度合い
・問題行動を繰り返した回数
などにより、次のような段階的な指導ができなければなりません。
中学校としてこれがしっかりと確立されていれば、荒れることはありません。
問題行動の種類により、「第1段階以外から指導していくもの」、「順番が入れかわるもの」もあります。
第1段階:担任または教科担任による単独説諭
第2段階:学年主任、学年生徒指導、担任による説諭
第3段階:第2段階に「学校生徒指導」を加えての説諭(+奉仕活動(※1))
第4段階:第3段階に「保護者」を加えての説諭(+奉仕活動)
第5段階:第4段階に「校長」、「教頭」を加えての説諭(+奉仕活動)
第6段階:別室登校(+奉仕活動)
第7段階:出席停止
第8段階:外部機関との連携

生徒指導事象が発生した時に、どの段階からスタートさせるかを考えるのです。
「何度言っても・・・」という状態では、中学校は荒れへ向かっていきます。
「第1段階」で指導が入らない場合は「第2段階」というような指導が必要なのです。
このような段階指導をトラブルなく進めていくためのキーワードが、「事前説明」と「事前警告」(※2)です。
上記のような流れで中学校の指導が進むことを、保護者を含めて指導する時、必ず伝えなければならないのです。
これがなければ、学校としての指導はできません。
例えば、
「第1段階:担任または教科担任による単独説諭」の時に、
「反抗的な態度を取る」「同じことを繰り返す」
のであれば、その時に、
「これ以上、そのような態度を続けたら、A先生(学年主任)、B先生(学年生徒指導)と一緒に言うことになります」(=第2段階に進む)
と言えばいいのです。
このように、問題行動の種類(※3)により「どの段階の指導から入るか」がある程度決まっていなくてはなりません。
これは、段階的指導(progressive discipline)と言われることもあります。
いわゆるゼロトレランス(zero tolerance)という考えに由来します。
段階的指導を100%しなければならないということではありません。
私は、白か黒の議論は嫌いです。
そうではなく、指導の中にそのような視点も少しは入れてみてはどうかいうことです。
各中学校の実態を加味しながら考えるのです。
問題を分けることが、解決へのスタートとなります。
※1奉仕活動、※2「事前説明」と「事前警告」、※3問題行動の種類については、後述します。

13.問題行動を分類する

問題行動を次のように分類するだけでも、問題を解決する力をつけることができます。
中学校で起こっている問題行動はおおよそ次の通りでしょう。
これらの問題行動を、先に示した第1段階~第9段階のどこから指導を始めるのかを考えておく
のです。
<問題行動の種類>
・生徒同士の軽微な争いごと
・いじめ
・ネットトラブル
・器物破損
・授業妨害(立ち歩く、授業遅刻、徘徊、おしゃべりなど)
・校内での盗難
・落書き
・人権侵害に関わる問題
・部活動上のトラブル
・服装違反(ピアス、茶髪、変形ズボンなど)
・教師に対する暴言
・生徒間暴力(ケンカ)
・対教師暴力
・学級崩壊
・学年崩壊
・校外学習、宿泊学習、修学旅行等での事故
・喫煙
・飲酒
・万引き
・援助交際
・家出
・わいせつ被害
・恐喝
・不審者
・交通事故
・家庭内暴力
・児童虐待
・その他、刑事事件
それぞれのケースでどのような対応をするのかは、ほぼ決まっているはずです。
会議では、「システム通りではいかない部分のツメ」に重点をおくのです。
今まで経験したことのある事例については、どのような対応をしたのかを含めてまとめておきましょう。
今まで経験したことのない事例については、
・関係書を読む
・先輩に聞く
などしてシミュレーションしておきましょう。
なお、添付しているワードファイル、PDFファイルには、メモ欄もつけています。
また、上記の問題行動は、さらに次のような大項目に分類できます。
A命を危険にさらす行為
B人権侵害(いじめ、差別)行為
C外部機関が関係し得る行為
D学級崩壊、学年崩壊へとつながる行為
Eその他問題行動

14.生徒指導「第4段階」の基本的な生徒指導の短期的な流れを自分で書いてみる

学年だけの指導で問題が収集する場合の基本的な生徒指導の流れを示します。
「1人の生徒に対し、クラス内の4人の生徒が陰で悪口を言っている」
場合を考えます。
これは、学級が始まったばかりの4月頃によくあることです。
なお、下記の( )内は、一般的な主担当者を示しています。
まずは、短期的な指導として、
1.被害生徒に聞き取り(担任)
2.加害生徒に聞き取り(副担任、学年教師)
3.必要な場合、目撃者に聞き取り(学年主任、副担任、担任)
4.必要な場合、学級へのアンケート(担任、副担任)
5.必要な場合、学年へのアンケート(学年主任)
6.事実確認の照合、情報集約(学年主任)
7.必要に応じて、再度聞き取り(学年主任、副担任、担任)
8.被害生徒の今後の対応の希望の聞き取り(担任)
9.学年会議、OR学年主任等と方向性の確認(学年主任)
10.必要に応じて、保護者も同席した謝罪会(学年主任)
11.被害生徒、加害生徒の保護者への報告(学年主任、副担任、担任)
12.必要に応じて学年集会(学年主任)や学校集会(生徒指導主事)

組織で動く意識がある学年チームであれば、役割分担も簡単にストレスなく決まるはずです。
このようなことが予めはっきりしていれば、会議等も一瞬で終了するのです。
これに、中期的指導、長期的指導を継続的・計画的に行っていくのです。
中期的指導、長期的指導については、後述しています。

15.第5段階以上のケーススタディーでさらに力をつける

1〜2時間程度、あるいはそれ以上かかるかもしれませんが、生徒指導の力をつけるためにぜひやってほしいことです。
<内容>
夏休みの放課後、地域の住民から次の電話がありました。
「今、A公園で、お宅の中学校の生徒が9人集まっている。そのうちの8人が1人をいじめているようだ」
これを聞いたあなたは、他の職員とともに現場に直行します。
現場に到着後、次のことが分かりました。
<被害者>
・本校1年生支援学級在籍の生徒B
<加害者>
本校生徒
・1年生2人C、D
・2年生1人E(Eは、ほとんど中学校へは登校していない)
・3年生3人F、G、H(Hは、少年院から出てきたばかりの生徒)
他中学
・3年生2人I、J(Hと小学校時代の同級生)
<状況>
生徒B
・顔に傷がある
・体にあざもできている
・教科書が燃やされている
・頭を殴られており、引きつった顔をしている
A公園
・喫煙、飲酒の跡
・食べ物のごみが散乱している
誰が何をどのような優先順位でしなければなりませんか。
このような問題に対処する訓練をしておけば、いざという時、動揺せず冷静な対応ができるようになるでしょう。
自分で作成した図を、生徒指導主事等にチェックしてもらえばさらに効果的でしょう。

16.「全体への事前説明」と「個人への事前警告」の重要性を知る

入学式当日に、
「生徒指導が起こった時にどのような対応をしていくか」
これを保護者、生徒に説明しなければなりません。
入学式当日に毅然と行うのです。
問題が起こる前に説明するのです。
学校便り、学年便り、学級通信、ホームページなど、あらゆる媒体も利用します(後述します)。
学年保護者会、学級懇談会でも繰り返します。
職員全体が同じ考えであることを示すのです。
いわゆる「生徒指導を牛耳っている先生」や「一見優しい先生」が、
「今回は、生徒は反省しているから大目にみてあげよう」
と個人の判断になった時点で、アウトです。
この中学校は荒れていきます。
個人の判断などあり得ないのです。
全教師が同じ判断をできなければなりません。
判断が非常に難しいケースで、最終確認を生徒指導主事等に委ねる場合はもちろん別です。
先述したそれぞれの段階で、
「繰り返した場合に次はどうなるか」
ということを保護者にも生徒にも事前に警告しておくのです。

17.中期的指導・長期的指導の基本を考える

「短期的指導(目の前の問題行動)への対応が終了したら終わり」
ではありません。

いわゆる
・中期的指導
・長期的指導
を考えなければなりません。
そうしなければ、学級全体、学年全体、学校全体が内面から変化しません。
中期的指導とは、目の前の問題行動が再び起こらないように、該当生徒に対して継続的な働きかけを行う指導です。
目の前の問題行動から、「本質的な解決」、「要因の特定」を探っていくのです。
例えば、
・定期的に生徒に声掛けをする
・保護者に連絡をする
などです。
このような中期的指導をしていくことも、事前に指導しておかなければなりません。
長期的指導とは、いわゆる「積極的な生徒指導」です。
特定の生徒に対する指導だけではなく、学級集団、学年集団、学校集団全体の内面からの変容を目的とした指導です。
例えば、
・体育大会や文化祭のスローガン「〇〇のために〇〇する」
・○○の道徳指導
・各教科で○○を高めるための授業研修
・学級作り研修
・部活動〇〇週間
・生徒会活動の充実
・〇〇運動
などです。
短期的指導、中期的指導、長期的指導のバランスよくしていかなければなりません。

18.文部科学省「問題行動を起こす児童生徒に対する指導について(通知)」、「学校教育法第11条に規定する児童生徒の懲戒・体罰等に関する参考事例」を確認する

・文部科学省「問題行動を起こす児童生徒に対する指導について(通知)」
・文部科学省「学校教育法第11条に規定する児童生徒の懲戒・体罰等に関する参考事例」
を読んだことがあるでしょうか。
これは、それなりの立場にある教師だけが読む資料ではありません。
最前線で対応している教師こそ、何度も読まなければならない資料です。
これを読まずに、生徒指導をすることは考えられません。
それくらい重要な資料です。
この資料の範囲内での丁寧な指導を徹底するのです。
それぞれのHPより引用します。
・文部科学省「問題行動を起こす児童生徒に対する指導について(通知)」
より引用します。

1  体罰について

(1)  児童生徒への指導に当たり、学校教育法第11条ただし書にいう体罰は、いかなる場合においても行ってはならない。教員等が児童生徒に対して行った懲戒の行為が体罰に当たるかどうかは、当該児童生徒の年齢、健康、心身の発達状況、当該行為が行われた場所的及び時間的環境、懲戒の態様等の諸条件を総合的に考え、個々の事案ごとに判断する必要がある。

(2)  (1)により、その懲戒の内容が身体的性質のもの、すなわち、身体に対する侵害を内容とする懲戒(殴る、蹴る等)、被罰者に肉体的苦痛を与えるような懲戒(正座・直立等特定の姿勢を長時間にわたって保持させる等)に当たると判断された場合は、体罰に該当する。

(3)  個々の懲戒が体罰に当たるか否かは、単に、懲戒を受けた児童生徒や保護者の主観的な言動により判断されるのではなく、上記(1)の諸条件を客観的に考慮して判断されるべきであり、特に児童生徒一人一人の状況に配慮を尽くした行為であったかどうか等の観点が重要である。

(4)  児童生徒に対する有形力(目に見える物理的な力)の行使により行われた懲戒は、その一切が体罰として許されないというものではなく、裁判例においても、「いやしくも有形力の行使と見られる外形をもった行為は学校教育法上の懲戒行為としては一切許容されないとすることは、本来学校教育法の予想するところではない」としたもの(昭和56年4月1日東京高裁判決)、「生徒の心身の発達に応じて慎重な教育上の配慮のもとに行うべきであり、このような配慮のもとに行われる限りにおいては、状況に応じ一定の限度内で懲戒のための有形力の行使が許容される」としたもの(昭和60年2月22日浦和地裁判決)などがある。

(5)  有形力の行使以外の方法により行われた懲戒については、例えば、以下のような行為は、児童生徒に肉体的苦痛を与えるものでない限り、通常体罰には当たらない。

○  放課後等に教室に残留させる(用便のためにも室外に出ることを許さない、又は食事時間を過ぎても長く留め置く等肉体的苦痛を与えるものは体罰に当たる)。

○  授業中、教室内に起立させる。

○  学習課題や清掃活動を課す。

○  学校当番を多く割り当てる。

○  立ち歩きの多い児童生徒を叱って席につかせる。

(6)  なお、児童生徒から教員等に対する暴力行為に対して、教員等が防衛のためにやむを得ずした有形力の行使は、もとより教育上の措置たる懲戒行為として行われたものではなく、これにより身体への侵害又は肉体的苦痛を与えた場合は体罰には該当しない。また、他の児童生徒に被害を及ぼすような暴力行為に対して、これを制止したり、目前の危険を回避するためにやむを得ずした有形力の行使についても、同様に体罰に当たらない。これらの行為については、正当防衛、正当行為等として刑事上又は民事上の責めを免れうる。

2  児童生徒を教室外に退去させる等の措置について

(1)  単に授業に遅刻したこと、授業中学習を怠けたこと等を理由として、児童生徒を教室に入れず又は教室から退去させ、指導を行わないままに放置することは、義務教育における懲戒の手段としては許されない。

(2)  他方、授業中、児童生徒を教室内に入れず又は教室から退去させる場合であっても、当該授業の間、その児童生徒のために当該授業に代わる指導が別途行われるのであれば、懲戒の手段としてこれを行うことは差し支えない。

(3)  また、児童生徒が学習を怠り、喧騒その他の行為により他の児童生徒の学習を妨げるような場合には、他の児童生徒の学習上の妨害を排除し教室内の秩序を維持するため、必要な間、やむを得ず教室外に退去させることは懲戒に当たらず、教育上必要な措置として差し支えない。

(4)  さらに、近年児童生徒の間に急速に普及している携帯電話を児童生徒が学校に持ち込み、授業中にメール等を行い、学校の教育活動全体に悪影響を及ぼすような場合、保護者等と連携を図り、一時的にこれを預かり置くことは、教育上必要な措置として差し支えない。

・文部科学省「学校教育法第11条に規定する児童生徒の懲戒・体罰等に関する参考事例」
より引用します。

(1)体罰(通常、体罰と判断されると考えられる行為)

○ 身体に対する侵害を内容とするもの

・ 体育の授業中、危険な行為をした児童の背中を足で踏みつける。

・ 帰りの会で足をぶらぶらさせて座り、前の席の児童に足を当てた児童を、突き飛ばして転倒させる。

・ 授業態度について指導したが反抗的な言動をした複数の生徒らの頬を平手打ちする。

・ 立ち歩きの多い生徒を叱ったが聞かず、席につかないため、頬をつねって席につかせる。

・ 生徒指導に応じず、下校しようとしている生徒の腕を引いたところ、生徒が腕を振り払ったため、当該生徒の頭を平手で叩(たた)く。

・ 給食の時間、ふざけていた生徒に対し、口頭で注意したが聞かなかったため、持っていたボールペンを投げつけ、生徒に当てる。

・ 部活動顧問の指示に従わず、ユニフォームの片づけが不十分であったため、当該生徒の頬を殴打する。

○ 被罰者に肉体的苦痛を与えるようなもの

・ 放課後に児童を教室に残留させ、児童がトイレに行きたいと訴えたが、一切、室外に出ることを許さない。

・ 別室指導のため、給食の時間を含めて生徒を長く別室に留め置き、一切室外に出ることを許さない。

・ 宿題を忘れた児童に対して、教室の後方で正座で授業を受けるよう言い、児童が苦痛を訴えたが、そのままの姿勢を保持させた。

(2)認められる懲戒(通常、懲戒権の範囲内と判断されると考えられる行為)(ただし肉体的苦痛を伴わないものに限る。)

※ 学校教育法施行規則に定める退学・停学・訓告以外で認められると考えられるものの例

・ 放課後等に教室に残留させる。

・ 授業中、教室内に起立させる。

・ 学習課題や清掃活動を課す。

・ 学校当番を多く割り当てる。

・ 立ち歩きの多い児童生徒を叱って席につかせる。

・ 練習に遅刻した生徒を試合に出さずに見学させる。

(3)正当な行為(通常、正当防衛、正当行為と判断されると考えられる行為)

○ 児童生徒から教員等に対する暴力行為に対して、教員等が防衛のためにやむを得ずした有形力の行使

・ 児童が教員の指導に反抗して教員の足を蹴ったため、児童の背後に回り、体をきつく押さえる。

○ 他の児童生徒に被害を及ぼすような暴力行為に対して、これを制止したり、目前の危険を回避するためにやむを得ずした有形力の行使

・ 休み時間に廊下で、他の児童を押さえつけて殴るという行為に及んだ児童がいたため、この児童の両肩をつかんで引き離す。

・ 全校集会中に、大声を出して集会を妨げる行為があった生徒を冷静にさせ、別の場所で指導するため、別の場所に移るよう指導したが、なおも大声を出し続けて抵抗したため、生徒の腕を手で引っ張って移動させる。

・ 他の生徒をからかっていた生徒を指導しようとしたところ、当該生徒が教員に暴言を吐きつばを吐いて逃げ出そうとしたため、生徒が落ち着くまでの数分間、肩を両手でつかんで壁へ押しつけ、制止させる。

・ 試合中に相手チームの選手とトラブルになり、殴りかかろうとする生徒を、押さえつけて制止させる。

他にも、
・法的責任(賠償責任、刑事責任)
・未成年者喫煙禁止法
などは概要を知っておくべきでしょう。
これらの資料を熟読すれば、体罰と懲戒の違い、境界が分かるはずです。
そうすれば、例えば
「生徒が授業妨害を繰り返した」
場合でも、
「どのような指導がOK」で「どのような指導がNG」なのか
を判断できるのです。
それが分からなければ、教師も次の段階への指導ができません。
そのまま流していたら、どんどん問題行動はエスカレートします。
だからこそ、システムが必要なのです。
システムがない中での、
「次にやったら許さない」
という言葉ほど、怖くないものはないのです。
「次にやったら、○○の授業は受けることができなくなる」
「次にやったら、保護者の方と・・・」
「次にやったら、別室で・・・」
という具体的な指示を、坦々と言えなければならないのです。
このような資料に記述されている範囲内で、別室指導や清掃活動を課すのです。
また、他にも読んでおくべき資料はたくさんあります。
「中学校 生徒指導」
で検索できます。
検索して表示されるものの中で、出典が、
「文部科学省」
「国立教育政策研究所」
「各都道府県教育委員会」
で、かつ、
「検索エンジンで上位表示されるもの」
は、必見でしょう。

19.別室指導を想定する

特に別室指導は、校長先生の指導のもと、丁寧に慎重に実施します。
「別室指導」になったら、生徒の段階を、3段階程度に設定します。
3段階ともをクリアすれば、別室指導が終了するというシステムです。
判断基準は、生徒も教師も分かりやすいものでなければなりません。
「教室にいなくて楽になる」と思うようでは、別室指導は成功しません。
別室指導は、学習する権利の保障など、周到な準備が必要なのです。
手厚い指導が必要なのです。
準備するものの例として、
・授業で使うプリント
・問題集
・専用の時間割
・反省文指導に必要な資料
・奉仕活動の準備、計画
・校長、教頭、訓話
奉仕活動の注意点や種類として、
・トイレ掃除
・校門掃除
・ペンキ塗り
・花を植える
・荷物運び
などがあります。
注意点として、
・指導が進めば、温かい雰囲気で行うようにする
・本人が得意なことをする
・どの教師も見えるところで活動させる
・いろいろな教師が声をかける
・器物破損なら一緒に修繕する
中学校の別室指導の目的は、「信頼関係をより強固なものにしていくこと」なのです。

20.器物破損時の指導システムを確認する

誰もが分かる判断基準があれば、教師の負担感は激減します。
一般的な判断基準としては、次の通りでしょう。
判断基準の例
<返済義務なし>
・止むを得ない場合、過失がない場合。
「何かものを運んでいて、当たってしまった」など。
<半額弁償>
・過失がある場合。
「友達と遊んでいた時に、当たってしまった」など。
・第3段階を指導の中心にすえる。
<全額弁償>
・重大な過失、故意、悪質である時。
「イライラしていてガラスをパンチした」
「友達と遊んでいた時に、当たってしまった」のような理由で2回目の場合。
・第4段階~第5段階を指導の中心にすえる。

21.力があると思われている10年目程度の教師が「ヤンチャ」の担任をして、自分の力だけで指導しようとする状態が危ない

自分の力だけで何とかしようとします。
教科担当の教師の次の報告から、担任による一人での指導が始まります。
「どうしても、○○さんが授業でおしゃべりがとまりません。少し指導してもらっていいですか」
これを聞いた担任は、その生徒を単独で指導します。
それでも、その生徒は授業中その教科でしゃべり続けます。
教科担当は引き続き言います。
「まだ、○○さんがしゃべるのです」
さらに、担任からの指導が続きます。
そのうちに、
・担任は、その教科の先生のせいにする
・その教科担当の先生は、言っても無駄だから、うるさいままで授業を続けるようになる
という状態になります。
そのうち、クラス全体がうるさくなります。
そして、他クラスへも伝染します。
担任教師一人が対応しようとすると、どうしてもこのようになるのです。
いわゆる、「一人の教師による抱え込み生徒指導」と言われる指導です。
誰も間に入れないような雰囲気になりがちです。
この教師は、他の生徒へ注意がいかなくなります。
「大丈夫」「この生徒はこんなもの」と周囲に公言するようになります。
自分を守るための発言が多くなります。
また、周りの教師も「この先生の言うことを聞かないのなら仕方がない」「口をはさめない」状態になります。
危険な状態です。
一人の教師の判断で学校が動くほど怖いことはないのです。
こういう時のために、指導システムが必要なのです。
最初に教科担当から報告があった時に、これが続くとどうなるかを言っておかなければならないのです。
それが、組織として対応するということなのです。
「もし、これ以上〇〇があれば、〇〇という指導になる」
と伝えればよかったのです。

22.発信を意識する

生徒指導について、発信する機会は多くあります。
・保護者会
・面談
・学校便り
・学年便り
・学級通信
・ホームページ
・地域の集まり
などです。
地域、保護者に多く発信するのです。
個人が特定されない範囲で、事前事後とも現状、方針等を発信します。
これを日頃から全職員で意識的に行うのです。

23.まずは重点項目で粘り強く指導する

荒れが続いている状況では、
・朝の遅刻、授業遅刻
・ゴミの散乱
・器物破損
・靴箱が荒れ
・挨拶なし
・授業中のおしゃべり、居眠り
などが、同時多発します。
すべてを同じウェイトで対応すれば、いくら時間があっても解決しません。
このような場合は、重点指導項目を設定します。
その重点項目を徹底し一点突破することで、他の指導も入りやすくなります。
例えば、「授業遅刻」などを中心の指導と決めるのです。
その際のルール(判断基準、守れなかった時にどうするか)などを明確に決めておくのです。
そこで決めたルールを必ず守らせます。
根気のいる指導になります。
最初の1週間~3週間が勝負です。
4月なら、1週目~GW後までになります。
9月なら、秋分の日くらいまでになります。
守らなかった場合にどうなるか、事前に言っておきます。
警告もします。
段階指導です。

24.その他の基本的な11の考え方と指導方法

(1)複数の生徒を同時に指導しない

「生徒を一人一人に分ける」が基本です。
生徒が複数いると、生徒同士がけん制し合い、指導が入りづらくなる場合があります。
怒涛を組んで、暴言等を言いやすい雰囲気にもなります。

(2)教師一人だけで対応しない

基本は、「生徒1人」:「教師2人以上」です。
もちろん、意図的に1対1指導を行う場合もあります。

(3)マクロな視点で捉えられる教師を目指す

「一人の先生が一人の生徒を育てる」
「担任がクラスの生徒を育てる」
「学年教師が学年の生徒を育てる」
「学校全体の教師が学校全体の生徒を育てる」
「地域全体の大人で地域全体の生徒を育てる」
など、多くの視点があります。
それぞれの視点に立って指導できるようにならなければいけません。
狭い視点だけで進めると、極めて生産性のない、教師同士の見えのはりあり指導になってしまいます。

(4)家庭訪問はマスト

問題行動が起こってからではまずいのです。
家庭をダメ出しするのではありません。
支援する体制を整えるのです。
とにかく話を聞くのです。
家庭の背景を理解するという姿勢が必要です。

(5)特別支援教育への理解は必須

次のような場面では、特別支援が必要な生徒へは注意が必要です。
・授業場面(発問の方法、指示の仕方、ノートの取り方)
・教室の前の掲示物
・整理整頓指導
・忘れ物指導
全体の前では、同じ指導をしなければならない時もありますが、すべて他の生徒と同じような対応をするのは、もってのほかです。
特別支援をようする生徒への理解が必要なのです。
この分野についても、日本は充実しています。

(6)生徒指導が起きても落ち込まない。チャンスととらえる

生徒指導が起きても落ち込んではいけません。
生徒の内面の成長のチャンスなのです。
外面だけの指導に終始すると、内面の成長のチャンスを逃します。

(7)きれいごとでは済まない

時には厳しく叱ることも必要です。
あえて感情を示さなければならない時もあります。
優しく聞くことだけで完結しない場合もあるのです。
問題行動が起こった時に、「プラス思考」という考えは好きではありません。
「プラス思考」で教師のメンタル面が保つことができますが、問題の本質的な解決にならないからです。
「プラス思考」+「アルファ(α)」は必要なのです。
αは、「具体的な手だて」です。

(8)問題行動が多い生徒については、生徒別の生徒指導ノートを作成する

段階が進むと、家庭裁判所等から、「中学校での様子」を聞かれる場合があります。
その時のためにも必要です。

(9)「生徒が家に帰ったら自分で説明する家で説明するのは難しい」事例については、保護者に先に話をする

(10)興奮した生徒を落ち着かせるための基本的な方法

・場所を変える
・指導者を変える
・時間をおく
・声の高さを変える
・視線をずらす
・立ち位置を変える
などです。
それぞれ書物等で学ぶことができます。
練習することもできます。
生徒の挑発に決してのってはいけません。
どこまでも冷静に対応して、生徒を落ち着かせるのです。

(11)問題行動が同時多発的に起こっている時こそ、真面目に頑張っている生徒に焦点を当てる

25.拙ブログの生徒指導に関連する記事

<ダウンロード可能ファイル一覧>

9.生徒指導の力をつけるために今すぐやるべきこと(1)
生徒指導組織図イメージ(画像をクリックすれば、拡大表示できます)

中学校生徒指導、コツ、指導方法、考え方


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10.生徒指導の力をつけるために今すぐやるべきこと(2)
事実確認表イメージ(画像をクリックすれば、拡大表示できます)

中学校生徒指導、コツ、指導方法、考え方
中学校生徒指導、コツ、指導方法、考え方

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中学校生徒指導、コツ、指導方法、考え方

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