研修会の「質疑応答」でやってはいけないこと

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1.時代遅れの質問

先日、市内の小中学校の合同研修がありました。
学校の中核をなす先生が70名以上集められました。
最後に教育委員会の指導主事が、
今日の研修内容について、何か質問のある先生はいらっしゃいますか」
と、意見を求めました。
その時、学校を牛耳っていそうなイケイケドンドンの40前後の先生(以降、A先生とします)が、厳しい顔と口調で、次のように発言しました。
「今日は、○○研究会の研修日と重なっていました。次からは、この研修と重ならないように、日程について配慮していただきたいです」
まだ、このような昭和世代の思考をしている先生がいたのかと、少々驚きました。

2.3つの問題点

(1)質問の内容に正対していない

指導主事は、「研修の内容」についての質問を求めているのにも関わらず、「日程」に関する質問をしたこと。「日程」に関する申し入れなら、その研究会の責任者から、管理職の先生に話を通せばいいだけの話。なぜ、周りの先生の時間を奪ってまでもA先生がその場で発言するのか。私が見る限り、A先生の話をうなずいいて聞いている先生は一人もいませんでした。

(2)エゴを脱していない

「○○研究会と重なるから」という理由で研修日の変更を要求したこと。2校種の先生がそれぞれ予定がある中、研修会に来ています。別の予定があったなら、代理を立てればいいだけの話。なぜ、A先生の都合だけに合わせなければならないのか。A先生に全体の優先順位を決める資格はありません。

(3)周りの大人同士は、「敵」ではない

そして何よりもその言い方。教育委員会の指導主事はA先生にとって「敵」でしょうか。指導主事は、私もよく知っているもと小学校の同期の先生です。A先生にとっても、元同志です。「○○市の教育のために」と覚悟を決めて、教育委員会に入ったのです。自分も相手も両方WINになるような話し方、思考法、組織論を考えれば、あんな言い方にはならないはずです。

3.A先生が、化けてしまった理由

A先生が、あのようになった理由があります。
15年以上前、40代~50代の先生が、教育委員会の指導事項や学校運営について職員会議等で批判するのが日常茶飯事でした。
初任者だった当時、 私は「(現場の先生は)こういう風にして、現場の先生は主張するんだ。 頭の回転が速く、かっこいい」と思っていました(今は逆の思想です)。
当時、その様子を見ていた先生の中には、思考をアップデートできないままの先生が少数ですがいるのです。
「それがかっこいいと思う」まま過ごしていくのです。
「問題意識をもって、管理職の先生に意見(批判)するのは、やるべきこと」というような思考です。
A先生の質問はその延長だと思います。
思考法や考え方、在り方のモデルが、15年前のままなのです。

「そんなに文句あるんやったら、自分が管理職や指導主事になって自分がやってみたらいいんじゃないですか」
管理職の先生や教育委員会の指導主事を批判している先生がいた時、(笑いながら)言っていることです。
ちなみに、A先生のことは管理職に報告させてもらいました。

4.「まとめ」と「新しい組織についての考え方」

  • 「研修会の質疑応答」はみんなの時間。自分のエゴを出す時間ではない。質問をするなら、研修内容についての建設的なものにすること。内容が「日程についての申し入れ」なら、管理職を通すべきであること。
  • そもそも、子どもを取り巻く大人同士は敵ではない。教育委員会指導主事、管理職の先生、学校職員、すべて有機的につながっている。それぞれが脱エゴ思考で、全体がハッピーになるような思考をすればいいこと。それが、働き方の改善につながる。
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