「いつもなら、このクラスはこんなにうるさくならないはずなのに、今日はどうしたのだろう」と思うことはないでしょうか。
中学校教師は、「荒れやすい時期・荒れやすい時間・荒れやすい状況」をもっと意識しなければなりません。
小学校教師なら、1日ほとんどの時間を一緒に過ごすので、「3時間目で算数の授業はとても根気のいる作業をした」、「3時間目で、強く叱ってしまった」という時でも、「次の4時間目は・・・」となります。
直前の授業の状態から、次の授業を変化させることができるのです。
中学校は教える教師が変わるので、よほど意識していないと、そうはいきません。
地域によっても違うので、ここでは近畿地方の一般的な中学校という設定にします。
当記事で「荒れやすい」というのは、「いつもなら、このクラスはこんなにうるさくならないはずなのに、今日はどうしたのだろう」と、教師が思う状態とします。
1.「荒れやすい時期」
暑い「夏休み前後」と言う方が多いのではないでしょうか。
それも、あります。
しかし、以前に所属していた中学校では、それ以上に荒れやすい時期がありました。
どの教師も口をそろえて、
「梅雨(秋雨)の時期」「低気圧が通過する時(気圧が変化する時)」と言っていました。
「今日は、午後から(低気圧が通過して)天気が悪くなるから、要注意やな」とよく聞いたものです。
生気象学という学問分野も存在するほどです。
国際生気象学会(International Society of Biometeorology)の定義によると、「大気の物理的化学的環境条件が人間・動物・植物に及ぼす直接、間接の影響を研究する学問」です。
「決して感覚的なもの」だけではないのです。
2.「荒れやすい時間」「荒れやすい状況」
「月曜日~金曜日、1時間目~6時間目の中で、一番荒れやすい曜日・時間をあげなさい」と聞かれたら、
「金曜日の5時間目」と私なら答えます。
金曜日の理由は、生徒が月曜日~金曜日にかけて、疲労がたまっていっていくからです。
5時間目の理由は、「昼休みで騒ぎまわった後」だからです。
激しい運動をした直後に、「難しい練習問題で集中する」ことは、かなりハードルが高くなります。
皆さんも、経験的にそうではないでしょうか。
授業を受ける生徒の状態は、「直前の授業」や「直前の休み時間」に影響します。
体育の場合だと、授業が終了すれば、「移動」「着替え」となります。
ふつう、時間に余裕はありません。
さらに、次が「移動教室」なら大変です。
水泳授業の直後は、特にそうです。
私は理科を教えていましたが、天気が悪く、金曜日の「5時間体育(水泳)」後の「6時間目理科(実験室)」の時は、特に授業内容を工夫したり、生徒の状態を見ていたものです。
他にも、「体育大会、文化祭、音楽発表会や修学旅行などの行事の前後」、「担任教師に朝から指導された(納得していない状態)」、「休み時間にガラスが割れたなどトラブルがあった」、「席替えをした」・・・。
これらの直後の授業は「荒れやすい」状態です。
また、別の要因では、「机と椅子の配置(机の配置が同性で机と机の間隔をあけなていない)」、「授業での生徒の人数(40人と少人数指導の20人では違う)」、「教室の中にたくさんの物が置いている」などは、「荒れ」に少なからず影響しています。
教務主任を目指すなら、このようなことも頭に入れて、時間割を作成しなければなりません。
「音楽(実技教科)の初任者」に「金曜日の5限や6限」に授業を入れるべきではないのです。
以上のことは、経験的なものです。
データがあるわけではありません(もし、そういう研究があるのならすみません)。
ただ、こういうことを知っていれば、教室での対応、授業の内容も変化をつける必要があることも分かります。
相手は中学生です。
一筋縄ではいかないのです。