教員の週間スケジュール表と業務振り返りシート【ダウンロード】

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教師の仕事は、授業だけではありません。
教材研究、生徒対応、保護者対応、会議、校務分掌、行事、成績処理、提出物、電話、メール。
一日の中に、種類の違う仕事が次々と入ってきます。
忙しいときほど、
「何かを忘れている気がする」
「一日中動いていたのに、何を終わらせたのか分からない」
「いつも仕事に追われている」
という状態になりやすくなります。
そこで役立つのが、仕事を二つの方向から見える化することです。
一つは、これから何をするのかを見える化すること
もう一つは、実際に何に時間を使ったのかを見える化すること
この記事では、そのために使える「教員用週間スケジュール表」と「1週間振り返りシート」を掲載します。
大切なのは、空いている時間へさらに仕事を詰め込むことではありません。
限られた時間の中で、何を大切にし、何を減らし、何をやめるのかを考えるために使います。

1.教師の時間管理は「予定」と「実績」の両方を見る

予定表だけを作っても、仕事の改善にはつながらないことがあります。
予定では30分だった仕事が、実際には90分かかっていることがあります。
逆に、毎週何となく続けている仕事に、予想以上の時間を使っていることもあります。
そこで、
予定する

実際に行う

時間の使い方を振り返る

次週の仕事を変える
という循環をつくります。
特別なアプリは必要ありません。
紙でも、学校で認められたデジタルツールでも構いません。
重要なのは、仕事を頭の中だけで管理しないことです。

2.教員用週間スケジュール表を使う

授業、会議、行事、締切、放課後の仕事を一枚で確認できる週間スケジュール表を用意しています。

教員用週間スケジュール表

教員用スケジュール表をダウンロード

記入見本

教員用スケジュール表の記入見本を見る
学校ごとに授業時刻や日課は異なるため、自校の実態に合わせて加工して使ってください。

3.週間スケジュール表には「固定された予定」から入れる

最初に書くのは、すでに時間が決まっている予定です。
授業。
会議。
行事。
出張。
保護者との面談。
提出期限。
校内研修。
こうした予定を先に入れます。
そのうえで、空いている時間に必要な仕事を配置します。
ここで重要なのは、空欄をすべて埋めないことです。
学校では、予定していなかった生徒対応や保護者対応、同僚との相談などが入ります。
予定表に余白がなければ、一つ予定外の仕事が入っただけで、その後の仕事がすべて後ろへずれてしまいます。
余白も予定の一部です。

4.ToDoは「何をするか」が分かる言葉で書く

予定表には、
「修学旅行」
「学年」
「テスト」
だけではなく、できるだけ行動が分かる形で書きます。
例えば、
「修学旅行の保護者文書を作成」
「学年会議の資料を確認」
「数学テストの問題を作成」
「○○先生へ電話」
という書き方です。
仕事を見た瞬間に、次の行動が分かる状態にしておくと、仕事を始めるまでの迷いが減ります。

5.その場で発生した仕事は、その場で記録する

学校の仕事は、会議や打合せの途中で増えます。
「来週までにお願いします」
「この資料を修正してください」
「保護者へ連絡してください」
と言われた仕事を、頭の中だけで覚えておくのは危険です。
その場で予定表や学校で使用しているタスク管理ツールへ記録します。
仕事を覚えておくことに力を使うのではなく、
忘れても大丈夫な仕組みをつくる
ことが重要です。

6.1週間振り返りシートで「何に時間を使ったか」を見る

次に使うのが「1週間振り返りシート」です。

1週間振り返りシート

Word版をダウンロード
PDF版を見る
このシートでは、授業準備、校務分掌、会議、事務作業、生徒指導、部活動などに、どの程度時間を使ったのかを記録できます。
睡眠時間やその日の調子も簡単に記録できるようにしています。
ただし、精密な記録を作ることが目的ではありません。
「授業準備にかなり時間を使っている」
「会議が多い」
「夕方になると仕事の効率が下がる」
「思っていた以上に事務作業が多い」
という傾向が見えれば十分です。
記録そのものを新しい仕事にしないことが大切です。

7.まず1週間だけ記録する

最初から毎日完璧に記録しようとすると続きません。
まず1週間だけ試します。
仕事が一段落したときに、
「この時間は何をしていたか」
を大まかに記録します。
5分単位、10分単位で正確に測る必要はありません。
15時から16時ごろまで生徒対応をしていたのであれば、
「生徒対応 約1時間」
程度で構いません。
目的は勤務時間を厳密に算定することではなく、自分の仕事の傾向を把握することです。
なお、学校・教育委員会が行う正式な在校等時間の把握とは別のものです。

8.振り返りでは五つの視点から仕事を見る

シートには、仕事を見直すための視点として、
減らせない
完成度↓
効率↑
しない
移動
を設けています。

「減らせない」

教育活動上必要であり、自分の判断だけでは減らせない仕事です。
ただし、「減らせない」と決める前に、本当に現在の方法で行う必要があるのかは考えます。

「完成度↓」

仕事の質を雑にするという意味ではありません。
必要以上につくり込みすぎていないか
を見るための項目です。
例えば、一度しか使わない校内資料に長時間かけてレイアウトを整えているのであれば、必要十分な状態で終える方法があります。
100点を目指していた仕事を90点で終えるというより、
その仕事に必要な水準はどこかを考える
と捉えた方が適切です。

「効率↑」

同じ仕事を、より少ない手順でできないかを考えます。
テンプレート化する。
入力を一度で済ませる。
ファイルの保存場所を決める。
同じ資料を共同で使う。
校務支援システムを活用する。
こうした仕組みの改善です。

「しない」

非常に重要な視点です。
仕事を効率化しても、仕事そのものが増え続ければ限界があります。
「前年もやっていたから」
だけで続いている仕事がないかを確認します。
個人でやめられない仕事であれば、主任や管理職へ相談する材料にします。

「移動」

仕事を行う時期を変える方法です。
例えば、毎週必要になる教材の一部を長期休業中に準備しておくなど、繁忙期から比較的余裕のある時期へ移せる仕事があります。
ただし、勤務時間外や休日、自宅へ仕事を移すという意味ではありません。

9.「自分が速く働けば解決する」と考えない

ここは非常に重要です。
教師の働き方改革を、個人の仕事術だけで解決することはできません。
2026年4月から施行された改正給特法では、教育委員会に対して、教員の業務量を適切に管理し、健康・福祉を確保するための計画の策定・公表等が求められています。
また、国は令和11年度までに、公立学校教員の1か月の時間外在校等時間を平均30時間程度まで削減することを目標としています。
これは「30時間程度までなら時間外勤務をしてよい」という意味ではありません。
学校の働き方改革は、
教師本人が速く仕事をする。
教師本人が我慢する。
教師本人が仕事を持ち帰る。
ことで実現するものではありません。
業務そのものを減らす。
仕事の分担を変える。
ICTを活用する。
会議を見直す。
支援スタッフを活用する。
教育委員会が学校を支える。
管理職が業務量を調整する。
こうした組織的な取組とセットで考える必要があります。

10.振り返りシートは「相談するための資料」にもなる

自分の時間の使い方を記録すると、
「忙しい」
という感覚を、
「毎週この業務に約3時間かかっている」
という具体的な情報へ変えることができます。
これは主任や管理職へ相談するときにも役立ちます。
例えば、
「この仕事が大変です」
だけではなく、
「この作業に毎週約2時間かかっています。入力方法を変えられないでしょうか」
と相談できます。
業務改善は、感覚だけでは進みにくいものです。
見える化することで、話し合える課題になります。

11.初任・若手の先生ほど「全部やろう」としない

一校目の先生は、どの仕事にどの程度時間をかければよいのか分からないことがあります。
授業準備をどこまで行うのか。
学級通信をどこまでつくり込むのか。
資料をどこまで整えるのか。
判断基準がないため、時間をかけすぎることがあります。
振り返りシートを使って、
「ここに時間を使いすぎている」
と気づいたら、先輩へ相談してください。
仕事の適切な水準を知ることも、教師として身につけていく大切な力です。

12.中堅・主任は「個人の工夫」を「チームの仕組み」へ広げる

経験を積むと、自分自身の仕事はある程度整理できるようになります。
次に考えたいのは、学年や分掌全体です。
同じ資料を複数の先生が別々につくっていないか。
同じ情報を何度も入力していないか。
会議で決めなくてもよい内容まで会議にしていないか。
特定の先生しか分からない仕事がないか。
若手だけに作業が偏っていないか。
自分一人が早く帰れる仕組みではなく、
誰が担当しても無理なく仕事が進む仕組み
へ変えていくことが、中堅・主任の重要な役割になります。

13.管理職は「記録させる」だけで終わらせない

管理職にとって重要なのは、教職員に時間を記録させることそのものではありません。
記録から分かった課題に対して、業務をどう変えるかです。
会議を減らす。
提出物を減らす。
校務分掌を見直す。
行事を精選する。
情報共有の方法を変える。
業務の偏りを調整する。
教育委員会へ支援を求める。
こうした改善につなげて初めて、時間の把握に意味が生まれます。
「時間外を減らしてください」と教職員へ伝えるだけでは、業務量は減りません。

14.4週間だけ続けて変化を見る

この方法を試すなら、まず4週間を一つの区切りにすることを勧めます。
1週目は、記録するだけ。
2週目は、時間を使いすぎている仕事を一つ見つける。
3週目は、一つだけ仕事の方法を変える。
4週目は、変えた結果を確認する。
一度にすべてを変える必要はありません。
一つの仕事をやめる。
一つの資料を簡単にする。
一つの入力を減らす。
一つの会議を短くする。
その積み重ねで十分です。

15.時間管理の目的は「もっと働くこと」ではない

スケジュール管理や業務改善というと、
「同じ時間でもっと多くの仕事をする」
と考えがちです。
しかし、それだけではありません。
時間管理の目的は、
授業を考える時間を確保する。
生徒と向き合う余裕をつくる。
同僚と相談する時間を持つ。
休憩を取る。
生活の時間を守る。
そして、翌日も健康な状態で学校へ行く。
そのために仕事を整理することです。
仕事が終わらないときに、
「自分の能力が足りない」
とすぐに考える必要はありません。
仕事の量、分担、方法、時期、仕組みの側に問題がないかを確認してください。
個人の工夫と、学校全体の仕組み。
その両方を変えていくことが必要です。

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参考資料

文部科学省「学校における働き方改革について」
文部科学省「学校・教育委員会の皆様へ―業務量管理・健康確保措置実施計画等」

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