本記事の内容は、webサイト「日本オリンピック委員会ソチオリンピック2014」から引用しています。
資料の年齢等は、すべて2014年のものです。
適宜修正願います。
リンク切れの際は、ご容赦ください。
この授業案は、テンポよくしないと終わりません。
羽生結弦選手、髙梨沙羅選手、葛西紀明選手、浅田真央選手の4人取り上げていますが、人数を減らす、内容を変更するなど、臨機応変に対応してください。
いろいろな切り口がありますが、私は次のような授業の組み立てにしました。
1.資料の内容
<パワーポイント資料イメージ>
サイズを小さくするため、画質を低くしています。
<パワーポイントファイルダウンロード>
ソチオリンピック.pptxダウンロード
2.ねらい(学習指導要領の内容項目)
1 主として自分自身に関すること。
(2) より高い目標を目指し、希望と勇気をもって着実にやり抜く強い意志をもつ。
2 主として他の人とのかかわりに関すること。
(6) 多くの人々の善意や支えにより、日々の生活や現在の自分があることに感謝し、それにこたえる。
3.組み立てのポイント
本授業では、「羽生結弦選手」「葛西紀明選手」「髙梨沙羅選手」「浅田真央選手」を取り上げました。
結果が出ても、出なくても、
「より高い目標を目指して努力している」
「多くの人々の支えに感謝している」
ことに焦点を当てています。
繰り返し「結果を出せなかったけど」という発問を入れています。
いわゆる主発問になります。
繰り返し考えることで、心に深く残してほしいのです。
今後の勉強や部活動などの学校生活に結びつけることができれば、ねらい達成です。
4.展開例
〇:教師の発問・指示・説明
△:PC操作
◆:予想される生徒の反応
※:留意点・その他
※まずは、メダリストに焦点を当てます。
シーン1<羽生結弦選手>
〇ノートの新しいページを開きます。
△羽生結弦(はにゅうゆずる)選手の写真を提示する(金メダルを首にかけている写真)。
(※パワーポイントの資料には、著作権の関係上、写真は割愛しています。以下同様です。)
〇誰の写真ですか。ノートに書きます。
〇漢字で書いても、ひらがなで書いてもかまいません。名字だけでも構いません。
※机間巡視。全員が書き終わるか終らない頃を見計らって次の指示をする。
〇書けた人は手を挙げます。
(と言って教師は手を挙げる。)
◆ほとんど全員の手が挙がる。
〇じゃあ、みんなで言います。さんはい。
◆羽生結弦です。
〇そう、その通りです。そう書けた人は、丸をします。
△羽生結弦選手の写真(2枚目)を提示する。
〇1994年12月7日生まれ。年齢19歳。171cm/52kg。出生地宮城県。現在、早稲田大学1年生。
〇スケート・フィギュアスケート男子シングルで見事金メダルを獲得しました。
〇インタビューで羽生選手は次のように答えてます。
〇「金メダリストになれたからこそ、復興(東日本大震災)のためにできることがある。今日をそのスタートにしたい」
〇2011年3月11日、震災発生時、羽生選手は仙台のリンクで練習中でした。リンクも閉鎖し、自宅は全壊しました。横浜で練習を始めましたが、テレビで震災の惨状を見るたびに、「スケートをやっている場合じゃない。もうやめようか」と思い悩んだこともあるそうです。しかし、神戸市で行われた阪神大震災の復興アイスショーで観客が総立ちで応援してくれました。それがきっかけで、「自分はスケートで応えるしかない」と吹っ切れたそうです。
金メダル確定後、こう言います。
「復興を支援してくれた全ての人に恩返しできたかな」
また、別のインタビューでは、
「パトリックチャン選手とはまた試合で会うと思うので、今度はお互いに全力でぶつかりたいと思います。」とも答えています。
〇話は変わります。羽生選手がもし、メダルを逃してしまったとしたら・・・、羽生選手は、インタビューで( )に何と答えると思いますか。ノートに書きます。
「結果は残せなかったけど、( )」
〇これは、実際にインタビューをしたわけではありません。羽生選手になり切って答えてください。
〇列指名する。
◆「ここまで頑張ってこれたのは、皆さんのおかげです。ありがとうございました。」
◆「悔しいけど、また、次に向けて頑張りたいと思う」
◆「全力で頑張ったから、悔いはない」
※一人一人の意見をできるだけ黒板に書く。
※短く褒めながら聞いていく。
〇書けた人で他の意見を言える人はいますか。
※ここで挙手をして意見を言った生徒は特に褒める。「一人でもしっかり言えるっていうのは、とても大事なことです。」
〇羽生選手のインタビューがあります。
△youtubeのインタビューを視聴する。
【ソチ】メダリストインタビュー/羽生結弦選手(フィギュアスケート)
シーン2<葛西紀明選手>
△葛西紀明(かさいのりあき)選手の写真を提示する。
〇誰の写真ですか。ノートに書きます。
〇漢字で書いても、ひらがなで書いてもかまいません。名字だけでも構いません。
〇列指名する。
◆「葛西選手です」「葛西紀明」
〇「そうだと思う人」
※これもほぼ全員が手を挙げる。
〇「そう、その通り。そう書けた人は丸をします。」
△葛西紀明選手の写真(2枚目)を提示する(演技中の写真)。
〇1972年6月6日生まれ。41歳。177cm/62kg。北海道出身。
〇男子ラージヒル個人銀メダル、男子ラージヒル団体銅メダルを獲得しました。
〇7回目、22年越しのメダル。この五輪銀メダルへの道は、家族や葛西選手にとって平坦な道ではありませんでした。まず、忘れられないのが日本が団体金メダルで知られる1998年の長野五輪。前年に母親の幸子さんが亡くなったばかりでした。しかも、葛西選手は直前に故障し、メンバーから外れました。「母親のためにメダルをという気持ちがあったと思うのに、本人にとっては一番つらい時期だったと思う」とお姉さんは語っています。闘病生活の妹は、葛西選手にお守りを用意しました。ソチに入ってからもLINEで姉妹は葛西選手を応援します。葛西選手は、メダル獲得後、次のように述べています。「メダルを取り、恩返しをしたいと思っていた。妹も元気になってくれると思う。」
また、「4年後を目指すか」と聞かれた時、葛西選手は「もちろんです」と答えます。
〇葛西選手がメダルを逃したとします。葛西選手は、インタビューで( )に何と答えると思いますか。ノートに書きます。
「結果は残せなかったけど、( )」
〇これは、実際にインタビューをしたわけではありません。葛西選手になり切って答えてください。
〇列指名する。
◆「4年後に金メダルを必ず取ります」
◆「ここまで頑張ってこれたのは、皆さんのおかげです。ありがとうございました。」
◆「悔しいけど、また、次に向けて頑張りたいと思う」
※短く褒めながら聞いていく。
〇書けた人で他の意見を言える人はいますか。
※一人一人の意見をできるだけ黒板に書く。
シーン3<髙梨沙羅選手>
※次に期待されながらも、メダルに届かなかった選手に視点を当てます。
△髙梨沙羅(たかなしさら)選手の写真を提示する。
※ここまで来たら、生徒は流れ(名前を聞かれること)をわかっている。
〇笑顔を意識して「何を聞くか分かりますね。みんなで答えます。さんはい。」
◆「髙梨 沙羅選手です。」
〇「その通り」
〇「1996年10月8日生まれ。17歳。身長152cm。出生地は北海道。現在高校2年生です。」
〇今季世界選手権で13戦して10勝の彼女が、ソチオリンピックでは、4位に終わってしまいます。W杯未勝利のドイツ選手が金メダルを獲得しました。
〇高梨選手は、直後にチームメイトに抱きしめられた時、思わず涙してしまいます。
〇本番で結果を残せなかった高梨選手はインタビューで、次のように答えます。今度は、想像ではありません。実際に答えたことです。
「( )のに、ベストを尽くせず、結果を残すことができなかったので、今は申し訳ない気持ちでいっぱいです」
( )に入ると思う言葉をノートに書きます。
〇列指名する
◆「みんな応援してくれた」「頑張った」「調子はよかった」「期待してくれていた」
〇「書けた人で他の意見を言える人はいますか。」
※あれば指名する。
〇次のように答えました。
「たくさんの方々に応援していただけた」
〇高梨選手は次のようにも答えています。
「五輪という夢の舞台に立たせてもらって幸せです。頭には感謝の気持ちがあるが、後悔の気持ちもあります」
「すごく悔しいけど、そう思うくらいならもっともっとレベルアップしてこのオリンピックに戻ってきたいです」
「技術はもちろん、精神面も磨いて、もっともっと練習して、レベルアップしたいです」
また、普段から次のことを口にしていました。
「今の自分があるのは先輩たちのおかげです」と。
〇山田いずみコーチは「勝ちたいという気持ちを前面に出していました。オリンピックという特別な舞台なので、普通に考えればかなりのプレッシャーがあったと思います」と語っています。
シーン4<浅田真央弦選手>
〇最後は、浅田真央選手です。ショートプログラムで大きく出遅れたものの、フリーでは自己最高得点を記録し、6位に入賞ました。インタビューで次のように答えています。
〇滑る直前は「今まで応援してくれた方々に、最高を演技をして恩返ししたいと思います」
〇そして滑った後は「たくさんの方に支えてもらったので恩返しができました。オリンピックという大きな舞台で日本代表として、自分が目指してるフリーの演技が今日出来て、私なりの恩返しが出来たかなと思います。」
シーン5<まとめ>
〇「オリンピック選手に共通していることがあります。次の( )に入る言葉を考えてノートに書きます。」
「結果を残せても、残せなくても、( )。」
〇列指名する。
◆「応援してくれた人たちに感謝している」
◆「次の目標に向かっている」
※短く褒めながら聞いていく。
〇最後に授業の感想をノートに書きます。