定期テスト範囲の内容で、できれば避けたい表現

昨日の記事の続きです。
定期テスト範囲の通信は、単に範囲を知らせるためだけのものではありません。
テスト範囲が書かれた通信を見て、「よし、やってみよう」と生徒が思うようにしなければなりません。
定期テスト範囲の通信における「その他注意点、メッセージ、学習のポイント、アドバイス、提出物、連絡などの内容」には、いくつかポイントがあるのです。

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1.避けたい表現の例(私もほぼ守れていませんが)

1.歴史は、1学期期末テストの問題を復習しておくこと。
>>1学期期末テストの問題をもっていない生徒もいます。また、「復習すること」が、何をどのようにしたらよいのか分からない生徒もいます。
2.最近のニュース問題を出題予定です。
>>「予定」??出すかどうか分からないのです。しかも、この「ニュース問題対策」に家で何をしたらよいか分かりません。テストの点が、「運」にも左右されることになります。
3.しっかりと教科書の問題やワークの問題を解いておいて下さい。
>>「しっかり」??
4.用語は漢字指定の問題もあるので、漢字の確認をしてください。
>>どの部分の漢字を確認するのか分からない。
5.ワーク、プリント、教科書を中心に勉強してください。
>>「中心に勉強」??
6.1学期の復習問題を出題します。
>>苦手な生徒は勉強のしようがありません。
7.実力問題を出題します。
>>このテストからやる気になった生徒が、「やる気をなくすナンバー1」の指示です。勉強のしようがありません。入試勉強をしている塾の生徒は喜ぶでしょう。3年生で特別な場合ならまだ話は分かりますが・・・。私なら絶対にしません。
8.試験範囲の変更がある場合は、授業中に連絡します。
>>テスト1週間前にテスト範囲が発表になる時点でも、「テスト範囲が変わる可能性がある」なんて信じられません。「勉強したけど、テスト範囲に入らない」というもっともやってはいけないことが起こりえます。
9.ノート・ワークの提出については、授業で連絡します。
>>「授業で連絡します」・・・何のためのテスト範囲の発表なのでしょうか。

2.ベターな表現例

NGな理由は、勉強や準備を苦手な生徒が、「具体的に何をどのくらいしたらよいのか、分かりにい」

からです。
だから、上記のようなテスト範囲を見て、「よし、やってみよう」とはならないのです。
「授業で言っているから問題ない」のではありません。

「どの教材(プリント、教科書、問題集)のどの部分をどのような状態にしてテストにのぞめばよいか」を明確にする

ことがポイントです。
生徒がよく勉強している教科は、次のようなテスト範囲になっています。
それを基準に先のNG例を修正します。
OK例
1.歴史は、1学期期末テストの問題を復習しておくこと。
>>社会の時間に配布した「期末テスト復習問題」を繰り返し、丸になるまで解いておくこと。苦手は生徒は、5番まで。得意な生徒は最後まで解けるようにしておこう。
2.最近のニュース問題を出題予定です。
>>授業で配布した「最近のニュースのキーワードプリント」の太字部分を聞かれた時に答えれるようにしておきましょう。また、4、5、6については、説明できるようにしておきましょう。
3.しっかりと教科書の問題やワークの問題を解いておいて下さい。
>>答えを見ずに解けるようになるまで、間違った問題は繰り返して解きましょう。
4.理科の用語は漢字指定の問題もあるので、漢字の確認をしてください。
>>教科書中にある漢字は、すべて漢字指定です。漢字で書けるようにしておきましょう。
5.ワーク、プリント、教科書を中心に勉強してください。
>>短時間で読み、知らないことがあれば、覚えておきましょう。覚える方法は、「4月に配布した学習のしおり」に書いてあります。
6.1学期の復習問題
>>授業で配布した「1学期の復習問題プリント」を答えを見ずに解けるようにしておきましょう。間違った問題は繰り返して解くんですよ。
7.実力問題を出題します。
>>削除。あるいは、定期テスト用の「実力プリント」を配布する。
8.試験範囲の変更がある場合は、授業中に連絡します。
>>削除。試験範囲は1週間前に絶対に確定する。
9.ノート・ワークの提出については、授業で連絡します。
>>削除。ノート・ワークの提出について、定期テストの範囲の通信に必ず記載する。
以上のOK例がベストだとは言えませんが、少なくとも、「生徒が具体的に何をすればよいのか」は分かります。
「繰り返し」「解けるようにする」などは、まだまだ説明しなければなりません。
この記事では書ききれませんので、よろしければ、「中学生への学習指導のページ」を参考にしてください。
また、「メンタル面の一言メッセージ」も付け加えることも1つの方法です。
「学年便り・学級通信・生徒との対話で使いたい「温かい言葉100」」で記事にしています。
こちらもよろしければ、参考にしてください。
中学校教師側の「ほんの少しの工夫」で、生徒が少しでもやる気をアップさせなければなりません。

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