中学校の三者面談。
初めて担任をすると、
「何を話せばよいのだろう」
「15分で何を伝えればよいのだろう」
「成績の話だけで終わってしまわないだろうか」
「保護者から厳しいことを言われたらどうしよう」
と不安になることがあります。
しかし、三者面談で教師がすべてをうまく説明する必要はありません。
むしろ大切なのは、
教師・保護者・生徒の三人が、それぞれ持っている情報や考えを持ち寄り、これからどうしていくかを一緒に考えること
です。
文部科学省の『生徒指導提要』では、児童生徒が自ら目標を選択・設定し、自分の行動を決断して実行する「自己指導能力」の育成が重視され、そのために「自己決定の場」を提供することが示されています。学校と家庭についても、それぞれの役割を踏まえて連携・協力することが求められています。 (文部科学省)
また、こども基本法は、こどもを権利の主体として捉え、その意見を尊重することを基本理念の一つとしています。 (日本中央競馬会)
三者面談も、
「教師と保護者が生徒について話す場」から、「生徒本人も含めて一緒に考える場」へ
という視点を持ちたいものです。
- 1.三者面談の目的を最初に確認する
- 2.生徒本人を面談の中心に置く
- 3.「保護者を満足させること」を目的にしない
- 4.面談前に学校・学年の方針を確認する
- 5.面談の時間と場所を整える
- 6.生徒一人ひとりの具体的な姿を準備する
- 7.よさは「褒めるため」ではなく、事実として伝える
- 8.課題は人格ではなく「行動と状況」で伝える
- 9.生徒にも面談前の準備をしてもらう
- 10.保護者から聞きたいことを準備する
- 11.家庭背景を決めつけない
- 12.最初の1分で安心して話せる空気をつくる
- 13.教師が話す時間を減らす
- 14.すぐに助言せず、まず話を最後まで聴く
- 15.教師と保護者で生徒を追い込まない
- 16.進路面談では「教師の経験」より一次情報を優先する
- 17.厳しい意見を受けたときほど、その場で勝負しない
- 18.面談で約束したことは、その場で記録する
- 19.面談後の対応こそ信頼につながる
- 20.三者面談を「特別なイベント」にしすぎない
- 15分の三者面談の基本的な進め方
- 三者面談で使える最初の一言
- 生徒のよさを伝える文例
- 課題を伝える文例
- 保護者から強い意見を受けたときの基本的な返答
- 面談前チェックリスト
- 面談後に確認すること
- 三者面談で最も大切にしたいこと
- 参考資料
1.三者面談の目的を最初に確認する
三者面談は、通知表を説明するためだけの時間ではありません。
教師が保護者へ学校の考えを伝えるだけの時間でもありません。
大きく考えると、
学校での生徒の姿を伝える。
家庭での様子を知る。
生徒本人の考えを聴く。
現在の課題を共有する。
今後の方向を考える。
必要な支援につなぐ。
という役割があります。
保護者面接に関する研究でも、保護者は信頼関係や傾聴だけでなく、具体的な情報や対応方針を求めていることが示されています。 (J-STAGE)
つまり、
「話を聴くこと」と「必要な情報を具体的に伝えること」の両方
が大切です。
2.生徒本人を面談の中心に置く
三者面談なのに、
教師「最近、○○さんは……」
保護者「家でもそうなんです」
教師「もう少し頑張ってほしいですね」
と、生徒を横に置いたまま大人二人だけで話が進むことがあります。
まず本人に尋ねます。
「1学期、自分ではどうでしたか」
「最近、うまくいっていることはありますか」
「今、少し困っていることはありますか」
「次に頑張ってみたいことはありますか」
すぐに言葉が出ない生徒もいます。
その場合は待ちます。
選択肢を示したり、事前に振り返りを書いてもらったりする方法もあります。
2026年の文部科学省の学習評価に関する検討資料では、児童自身が学習状況をまとめ、それを三者面談で保護者へ伝える学校の実践も紹介されています。 (文部科学省)
すべての学校が同じ方法を採用する必要はありません。
しかし、
自分の学校生活について、自分自身が語る時間をつくる
という考え方は、中学生の三者面談でも大切です。
3.「保護者を満足させること」を目的にしない
面談後に、
「いい先生だった」
と思ってもらえればうれしいものです。
しかし、それを目的にすると、
悪いことを言わない。
無理な要望でも引き受ける。
その場を丸く収める。
という対応になりかねません。
反対に、
「学校の方針を理解してもらう」
ことだけを目的にすると、一方的な説明になります。
大切なのは、
生徒にとって必要な情報と支援を、学校・家庭・本人で共有すること
です。
意見が一致しないこともあります。
その場で結論が出ないこともあります。
それでも構いません。
4.面談前に学校・学年の方針を確認する
担任ごとに説明が違うと、保護者も生徒も混乱します。
事前に、
成績についてどこまで説明するか。
進路情報をどの資料に基づいて伝えるか。
遅刻・欠席等についてどのように扱うか。
学校生活上の課題をどう共有するか。
支援が必要な場合、誰につなぐか。
担任で判断してよい範囲はどこまでか。
を学年で確認します。
特に進路、重大な生徒指導、合理的配慮、個人情報など、担任一人で即答しない方がよい内容があります。
分からないことを「確認して後ほどお伝えします」と言えることも、適切な対応です。
5.面談の時間と場所を整える
面談内容以前に、環境も大切です。
前の家庭の話が聞こえないか。
机の上に別の生徒の資料が置かれていないか。
パソコン画面に別の生徒の情報が表示されていないか。
廊下で長時間待たせていないか。
時間が大幅にずれていないか。
確認します。
学校では成績、健康、家庭環境などプライバシー性の高い情報を日常的に扱っています。個人情報保護委員会は2025年、学校現場での漏えい事案を踏まえ、児童生徒情報の取扱いや安全管理の見直しを教育委員会・学校へ注意喚起しています。 (PPC)
面談資料も同様です。
「次の人に見えない・聞こえない」を基本にします。
6.生徒一人ひとりの具体的な姿を準備する
面談直前に、
「この生徒のよいところ、何かあったかな」
と探すのではなく、日頃から少しずつ見ておきます。
特別な活躍である必要はありません。
授業で質問できた。
友達の話を最後まで聴いていた。
係活動を忘れず続けていた。
欠席した友達にプリントを渡していた。
以前より提出できるものが増えた。
部活動と学習を自分なりに調整していた。
こうした具体的な姿です。
私は、
学習・人との関わり・役割や生活
の三つくらいから一つずつ思い出しておくと、面談で話しやすいと思います。
「明るいです」「頑張っています」といった抽象語より、具体的な場面の方が本人にも保護者にも伝わります。
7.よさは「褒めるため」ではなく、事実として伝える
三者面談では、
「最初に褒めましょう」
と言われることがあります。
もちろん、生徒のよさを伝えることは大切です。
ただし、
「この後に厳しい話をするから、先に褒めておこう」
という技法にしないようにします。
「最近、英語の授業で分からないところを自分から質問する場面が増えています。」
「体育大会の準備では、自分の担当が終わった後に他の係を手伝っていました。」
このように、
教師が実際に見た事実を伝える
だけで十分です。
本人が自分の成長に気付く機会にもなります。
8.課題は人格ではなく「行動と状況」で伝える
避けたいのは、
「やる気がありません」
「だらしないです」
「幼いです」
「協調性がありません」
といった人物評価です。
代わりに、
「今月、提出期限を過ぎた課題が3件ありました」
「グループ活動で意見が合わないとき、途中で話合いから離れる場面が何度かありました」
と具体的にします。
そのうえで、
「本人はどう感じているか」
「どんな支援ならできそうか」
を考えます。
課題を指摘することと、人を否定することを分けます。
9.生徒にも面談前の準備をしてもらう
教師だけが大量の資料を準備して、生徒は当日座っているだけ。
これでは、生徒が面談の当事者になりにくくなります。
事前に短い振り返りをしてもらいます。
例えば、
「今学期、できるようになったこと」
「うまくいかなかったこと」
「最近気になっていること」
「家庭や先生に知っておいてほしいこと」
「次に取り組みたいこと」
です。
書いた内容を全部読み上げる必要はありません。
自分について考えてから面談へ参加する
ことに意味があります。
10.保護者から聞きたいことを準備する
教師は学校での姿を知っています。
一方、家庭での姿は分かりません。
「家ではどうですか」
だけでは答えにくいので、具体的に尋ねます。
「最近、睡眠や朝の様子はいかがですか」
「家では学校の話をしますか」
「家庭学習について、本人はどのように話していますか」
「学校生活について、ご家庭で気になっていることはありますか」
ただし、必要以上に家庭へ踏み込みません。
知りたいから聞くのではなく、生徒を支えるために必要なことを聞きます。
11.家庭背景を決めつけない
家庭には様々な状況があります。
家族構成。
仕事。
経済状況。
文化的背景。
使用する言語。
疾病や障害。
介護。
きょうだい。
学校側が当然だと思っていることが、家庭にとっては難しい場合もあります。
「お母さんが毎日確認してください」
「家庭で毎日2時間見てあげてください」
など、特定の家庭像を前提にしません。
また、日本語による情報理解に支援が必要な家庭では、学校・設置者の仕組みに応じ、通訳・翻訳などを検討します。文部科学省の2026年の取組報告でも、保護者面談を通して日本の教育制度や学校の仕組みへの理解を支える実践が報告されています。 (文部科学省)
家庭にできないことを求める前に、学校でできる支援を考えます。
12.最初の1分で安心して話せる空気をつくる
面談は、椅子に座ってから始まるわけではありません。
保護者が学校へ来ること自体に緊張している場合があります。
暑い日。
寒い日。
雨の日。
仕事を調整して来校している場合もあります。
最初に、
「お忙しい中、お越しいただきありがとうございます。」
「今日は、学校での様子をお伝えしながら、○○さん自身の話やご家庭での様子も伺えればと思っています。」
と、面談の方向を簡潔に伝えます。
いきなり、
「では成績ですが……」
から始めるより、対話しやすくなります。
13.教師が話す時間を減らす
準備をしっかりした教師ほど、伝えたいことが増えます。
しかし、15分のうち教師が12分話せば、三者面談ではなく説明会になります。
保護者面接を扱った研究でも、「傾聴」と信頼関係の形成に加え、保護者のニーズを確認し、具体的な方針を言葉にする重要性が指摘されています。 (J-STAGE)
話したら尋ねます。
「本人はどう思いますか」
「ご家庭ではどう見えていますか」
「ここについて何か気になることはありますか」
説明→確認→対話
の往復を意識します。
14.すぐに助言せず、まず話を最後まで聴く
保護者から、
「家では全然勉強しません」
と言われると、
「ではスマホの時間を決めて……」
とすぐ助言したくなります。
しかし、まず少し聴きます。
いつ頃からか。
本人はどう言っているか。
家ではどんな生活か。
学校ではどうか。
困っているのは誰か。
そこから考えます。
話を聴くことは、すべてに同意することではありません。
理解してから考えるために聴きます。
15.教師と保護者で生徒を追い込まない
三者面談で避けたい構図があります。
教師「もっと勉強しないといけないよ」
保護者「先生からも言ってやってください」
教師「このままではだめだよ」
生徒だけが一対二になります。
必要なことを伝える場面はあります。
しかし、
「本人はどう考えている?」
と戻します。
こども基本法では、こどもを権利の主体として尊重し、意見の反映を基本理念として位置付けています。 (日本中央競馬会)
また、『生徒指導提要』でも、自己決定の場を提供し、自発的・自律的に行動を選択できる力を育てることが示されています。 (文部科学省)
大人二人で本人の人生を決めない
という姿勢を持ちます。
16.進路面談では「教師の経験」より一次情報を優先する
中学3年生では、面談の中心が進路になる時期があります。
その際、
「去年はこうでした」
「この学校なら大丈夫だと思います」
「たぶん今年も同じです」
という説明には注意します。
入試制度。
出願日程。
選抜方法。
調査書。
受検上の配慮。
学費や支援制度。
学校の教育内容。
変わる可能性があります。
文部科学省の中学校キャリア教育資料でも、中学校段階は進路の選択を迎える時期であり、生徒が働くことや将来を自分との関わりで考えることが重視されています。 (文部科学省)
教師は選択肢と情報を示します。
しかし、
「どこへ行くか」を教師が決めるのではなく、本人が考えられるよう支えます。
最新の入試情報については、その年度の教育委員会や学校の公式情報を確認します。
17.厳しい意見を受けたときほど、その場で勝負しない
保護者から、
「学校の対応がおかしいと思います」
「納得できません」
「先生は○○と言いましたよね」
と強い意見を受けることがあります。
まず、
何が起きたと認識しているのか。
何に困っているのか。
何を学校に求めているのか。
を分けて聴きます。
その場で事実確認できないことは、
「その点については、今ここで断定せず、確認した上でお答えします。」
とします。
自分に決定権がないことは、
「私だけでは判断できない内容ですので、学校で確認します。」
とします。
反論して勝つことも、何でも約束してその場を収めることも、適切ではありません。
事実確認と感情の受け止めを分け、必要に応じて学年主任・管理職等と組織的に対応します。
18.面談で約束したことは、その場で記録する
面談では、
「資料を渡します」
「進路担当に確認します」
「本人ともう一度話します」
「教科担当にも聞いてみます」
といった約束が生まれます。
数人なら覚えていられても、何十人と面談すると忘れる可能性があります。
その場で簡潔に記録します。
ただし、面談記録には成績、家庭状況、健康、進路など機微な情報が含まれる可能性があります。保存場所や記録方法は学校・教育委員会のルールに従います。個人情報保護委員会も、学校で扱う成績・健康・家庭環境等の情報について特に注意を促しています。 (PPC)
記録することと、安全に管理することをセットで考えます。
19.面談後の対応こそ信頼につながる
面談中に、
「確認しておきます」
と言ったのに、そのままになった。
これは避けたいところです。
面談が終わったら、
約束したこと。
確認が必要なこと。
他の教職員と共有すべきこと。
継続して見守ること。
を整理します。
すぐ回答できない場合でも、
「確認に少し時間がかかっています」
と途中経過を伝えられる場合があります。
学校と家庭の連携では、一回の面談で関係が完成するわけではありません。『生徒指導提要』も、学校・家庭等がそれぞれの役割を踏まえながら相互に連携・協力することを示しています。 (文部科学省)
面談で話したことが、その後の行動につながるか
が大切です。
20.三者面談を「特別なイベント」にしすぎない
三者面談がうまくいくかどうかは、当日の話術だけで決まりません。
普段、生徒を見ているか。
日頃から本人と話しているか。
必要なことを家庭へ伝えているか。
問題が起きたときだけ連絡していないか。
学年で情報共有できているか。
それらの積み重ねがあります。
面談だけで信頼関係をつくろうとすると、教師も構えてしまいます。
三者面談は、
日常の関係の途中にある、一度立ち止まって三者で確認する時間
と考えます。
15分で生徒のすべてを理解する必要はありません。
家庭のすべてを理解する必要もありません。
すべての問題を解決する必要もありません。
「ここは順調ですね」
「ここは少し一緒に見ていきましょう」
「これは学校で確認します」
「本人はこう考えているのですね」
と、次につながるところまで共有できれば十分です。
15分の三者面談の基本的な進め方
学校によって面談時間は異なりますが、15分の場合は一つの例として次のように考えられます。
最初の2分
挨拶をし、今日何を話すか確認します。
「今日は学校での様子をお伝えしながら、○○さん自身の振り返りと、ご家庭で気になっていることも伺いたいと思います。」
2~5分
まず生徒本人から話してもらいます。
「自分では今学期、どうでしたか。」
「よかったことを一つ挙げるとしたら何ですか。」
5~9分
教師から学校での具体的な姿を伝えます。
よさと課題を「事実」で話します。
9~12分
保護者から家庭での様子や質問を聞きます。
「ご家庭から見て、何か気になっていることはありますか。」
12~14分
今後について本人を中心に考えます。
「では、次に何を一つやってみますか。」
最後の1分
確認事項と約束を整理します。
「今日は、まず○○に取り組むこと、学校では△△を確認することになりました。確認できましたらお伝えします。」
これはあくまで一例です。
深刻な相談が出たときに時計を見ながら話を切り上げるという意味ではありません。
予定時間内に終わらない内容であれば、
「この話は大切なので、別に時間を取らせてください」
と次につなぐ方法もあります。
三者面談で使える最初の一言
学校生活がおおむね順調な場合
「今日はまず、○○さん自身に今学期を振り返ってもらってから、学校で見えている姿をお伝えしたいと思います。」
少し課題がある場合
「学校で気になっていることもありますが、まず○○さん自身が今どのように感じているかを聞きたいと思っています。」
保護者が不安を抱えている場合
「今日は学校から説明するだけでなく、ご家庭で心配されていることをまず伺えればと思っています。」
進路面談の場合
「今日は学校を決めることを急ぐのではなく、○○さんが今どう考えているかと、必要な情報を三人で確認したいと思います。」
生徒のよさを伝える文例
「最近、以前より自分から質問することが増えています。」
「友達が困っているとき、目立たないところで声を掛けている姿を何度か見ました。」
「提出物はまだ全部ではありませんが、以前より期限を意識できるものが増えてきました。」
「行事では前に立つ役ではありませんでしたが、準備を継続して担当していました。」
ポイントは、
評価語より具体的な行動を伝えること
です。
課題を伝える文例
提出物
「今学期は提出期限を過ぎた課題がいくつかありました。本人はどう感じていますか。」
学習
「テストの点数だけというより、授業で分からないまま進んでいる部分が少し気になっています。本人はどうですか。」
人間関係
「意見が合わないときに、その場から離れてしまうことが何度かありました。どんな気持ちだったか聞いてみたいと思っています。」
遅刻
「今月は遅刻が○回ありました。責めるというより、朝に何が起きているのか一緒に確認したいと思っています。」
「あなたは○○な人だ」
ではなく、
「こういう事実があり、どう考えるか」
から始めます。
保護者から強い意見を受けたときの基本的な返答
まず確認する
「もう少し詳しく教えていただけますか。」
気持ちを受け止める
「そのように感じておられたことは分かりました。」
これは「学校が全面的に悪かったと認めます」という意味ではありません。
事実確認が必要
「今のお話だけでは確認できない部分がありますので、関係する教職員にも確認します。」
その場で判断できない
「私一人で決められる内容ではありませんので、学校として確認してお返事します。」
別の時間が必要
「大切な内容ですので、この後の面談時間だけで急いで結論を出すより、改めて時間を取らせてください。」
その場で全部解決しようとしない
ことが重要です。
面談前チェックリスト
- □ 面談の日程・場所・時間を確認した
- □ 学校・学年として共通して説明する事項を確認した
- □ 生徒本人の振り返りを準備した
- □ 学校で見られた具体的なよさを確認した
- □ 課題を人格ではなく行動として整理した
- □ 成績だけで話す内容になっていない
- □ 欠席・遅刻・提出状況等の事実を確認した
- □ 進路情報は当該年度の一次情報を確認した
- □ 保護者へ聞きたいことを整理した
- □ 家庭環境を決めつけた説明になっていない
- □ 他の生徒の資料が見えない状態にした
- □ その場で回答できない場合の相談先を確認した
- □ 面談後の記録方法を確認した
面談後に確認すること
面談が終わったら、その日のうちかできるだけ早い段階で、
「約束したことはないか」
を確認します。
資料を渡す。
進路情報を確認する。
教科担当へ聞く。
養護教諭へつなぐ。
学年主任へ相談する。
本人ともう一度話す。
必要に応じて管理職や専門職へつなぐ。
何もなければそれで構いません。
重要なのは、
三者面談を「話して終わる行事」にしないこと
です。
三者面談で最も大切にしたいこと
教師には学校で見えている姿があります。
保護者には家庭で見えている姿があります。
そして、生徒本人にしか分からないことがあります。
三者面談の価値は、
三人が同じものを見ることではありません。
違う場所から見ている三人が、
「学校ではこう見えています」
「家ではこうです」
「自分はこう思っています」
と、それぞれの情報を持ち寄れることにあります。
そこで意見が違っても構いません。
教師と保護者の意見が一致しないこともあります。
本人の希望と大人の考えが違うこともあります。
その違いをすぐに消すのではなく、
「なぜそう考えるのか」を聴き合う。
そして、
「では、今できることは何だろう」
を一緒に考える。
『生徒指導提要』が重視する自己決定や、現在のこども政策が重視する意見表明の考え方から見ても、生徒本人を単なる指導対象として扱わないことは重要です。 (文部科学省)
三者面談で教師が目指したいのは、
完璧な説明でも、保護者を納得させることでもありません。
生徒が、
「自分の話を聴いてもらえた」
保護者が、
「学校での様子が少し分かった」
教師が、
「家庭や本人がどう考えているか分かった」
そして三人が、
「では、ここからどうしていこうか」
を少し共有できること。
そのような三者面談にしたいものです。
参考資料
・文部科学省『生徒指導提要』―児童生徒の自己指導能力、自己決定の場の提供、学校・家庭等の連携について整理されています。 (文部科学省)
・文部科学省「学習評価の在り方について」―児童自身が学習状況をまとめ、三者面談で保護者へ学習成果を伝える実践例等が紹介されています。 (文部科学省)
・文部科学省「中学校におけるキャリア教育の実践」―中学校段階における将来展望や進路選択を含むキャリア教育について整理されています。 (文部科学省)
・こども家庭庁「こども基本法」―こどもを権利の主体として尊重し、意見の反映等を基本理念として位置付けています。 (日本中央競馬会)
・個人情報保護委員会「令和7年度上半期における個人情報保護委員会の活動実績」―学校で扱う健康、成績、家庭環境等の児童生徒情報と漏えい防止について注意喚起しています。 (PPC)
・海老澤恭子「高等学校における教員の行う保護者面接―保護者の求める面接とは―」―保護者面接における傾聴、信頼関係、情報提供、具体的対応について検討した研究です。 (J-STAGE)

