1.「授業名人の話し方を真似る」は一旦無視
初任者等の授業観察指導でよく聞く言葉があります。
「声にメリハリがない」
「リズムテンポが悪い」
「声が暗い」
そして、その改善方法でよく言われるのが、
「授業がうまい人の授業の見に行き、それを真似る」
「ボイストレーニングをする」
「自分の声を録音して、分析する」
今回は、そんな方法ではありません。
だまされたと思って、次の方法を試してください。
2.結論はYouTuber
結論は「YouTuber」です。
人気YouTuberの動画を見るのです。
中学校でいちばん人気のある先生でも、せいぜい数十人のトップです。
授業名人と呼ばれる先生でも、数千人、数万人の一番です。
それに対して、人気YouTuberは1億人のトップです。
レベルが違います。
「その道のトップオブトップに習う」
私が好きな言葉です。
特に中高生に人気のYouTuberは必見です。
好き勝手に話しているようで、中高生を惹きつける何かがあるのです。
最初は違和感があるかもしれませんが、少し見れば次のことに気づきます。
「話すスピード・テンポの良さ」
「声の高さが魅力的」
「元気がある」
「会話の返し方が卓越している」
「聞き手を暇にさせない語尾」
「早口というよりもスピーディー」
「メリハリありすぎ」
「常に目の前の人に言葉を返している(キャッチボール)」
「こういうしゃべり方が、中高生に人気なのか」という発見があります。
教師という職業は、
「どうしてもずっとしゃべってしまう」
のです。
だから、聞いている方は、暇になります。
致命傷です。
しかしYouTuberは違います。
「視聴者が離れないようにどうすればいいのか?」
を常に考えています。
一人でしゃべっているけれど、目の前の一人に話しかけているようにしゃべっています。
教師とは次元が違います。
こういうと、
「授業では規律が大事、聞く力をつけるのも大事」
という意見がでます。
この時代においては、時代遅れでナンセンスな意見ですので、無視でOKです。
3.動画の見方と実践する方法
さて、聞いた後どうするか。
真似するように、授業で話してください。
真似するように、生徒と会話してください。
「一億人のトップを真似ることができるのか」
という疑問がでてきます。
できます。
キャラが立っているので、逆に真似しやすいのです。
だまされたと思って徹底的に真似てください。
生徒の反応が違います。
手応えも違います。
やってみれば分かりますが、即効性があります。
例えば、「朝の通勤でヘッドフォンで聞いて、1時間目の授業で試してみる」
そんなことも可能です。
「なりきる」
というよりは、
「文末の言い方、返し方、声の高さ、リズムテンポを真似るように話す」
を心がけてください。
時間があるときは、しっかりと分析しながら何十回、何百回と聞き、実践していくことも大切です。
4.その他の利点
トップYouTuberの動画を何百本、何千本と無料で見ることができます。
話し方を分析しながら見ればよいのですが、副産物もあります。
授業の話のネタにも使えます。
例えば最近だと、
「ルイヴィトンの店で店員に「お任せで」というと、何を選ぶのか」
という企画がありました。
このような話を中学生との何気ない会話の中に入れることもできます。
5.オススメYouTuber
では、トップYouTuberのうち、誰の動画を見ればいいのか。
私が選ぶのは、次の方です。
ヒカルさん
HIKAKINさん
QuizKnock
Daigoさん
「自分でこの人のしゃべり方でやってみたい」
を探すのもいいでしょう。
「YouTuber ランキング」や
「YouTuber ランキング 中高生」
くらいでググってみましょう。