この記事は次のような先生に向けて書きました。
・他人との会話で、自分の話す量が相手よりも多くなってしまう先生
・「一度は相談に来るのに、それ以降、何も言いに来ない」と思うことが多い先生
・聴く力をつけたり、聞く姿勢を見直したい先生
私は、まったくと言っていいほど人の話を聞けませんでした。
私が妻から指摘されたことは凡そ、次のようなことです。
妻との会話で、私が
・怒っているように見えた
・違うことを考えているように見えた
・大事なこととして受け取っていないように見えた
・最後に結論だけを言っていた
・冷たい感じがした
・とにかく人の話を聞いていない
かなり衝撃だったので、手当たり次第に「聴く(聞く)」ことについて、本を読んだりインターネットで調べたりしました。
その結果辿り着いたのが、本記事の内容です。
ほんの少しの意識で、他人に与える印象は大きく変わります。
・聴くときにメモを取る
・笑顔で真剣に全身全霊で聴く
・答えを持って聴かない
・一緒に考え、思いを馳せる
<やってはいけなかったこと>
「答えを持って聴いていた」
経験がある人ほど、過去の経験から、相手の話を聞きながら、答えとなる自分の経験を頭の中で検索し始めます。
そして、検索できると、「これはこの話をしようか」と頭で考えながら、相手の話を聞いてしまいます。
その瞬間から、すでに話を聞いていないことになります。
そして話が終わった瞬間に「実は、私も若い時○○・・・」と話し出します。
アウトです。
これでは、相談者は二度と相談に来ることはありません。
相手の相談が何であろうと、話す内容(答え)を決めてしまっているのです。
相談者は、「そういうことじゃないんだよなー」という思いで「答え」を聞くことになります。
その間は、逆にストレスにもなります。
「相談するんじゃなかった」と考えます。
これでは、相談者はたまったものではありません。
二度と相談には来ることはないでしょう。
<意識したこと>
「笑顔で聴く、全身全霊で聴く」
話しかけられた瞬間から相談は始まっています。
相手は「今いいですか」と聞いてくるはずです。
満面の笑みで、体を相談者に向けながら「もちろん、大丈夫ですよ」と答えます。
聴く時には、必ずメモも取ります。
一生懸命聞いてくれていると相手は感じるはずです。
聴くときは、表情を前面に出します。
表情が豊かになるように、表情の練習もします
(YouTubeで、「表情 練習」や「笑顔 練習」で検索可能です)。
また、大げさにうなずきます。
このような態度で接していれば、こちらが的外れなことを言っても、「相談してよかった」となるはずです。
「相づちを打つ」
また、相づちの打ち方も大切です。
ワンパターンにならないように、多くの言葉をもっておきましょう。
例えば、
(「親しい人の場合」・「敬語の場合」で記載しています)
「よくわかる」・「よくわかります」
「わたしも!」・「「私もそう思います」
「勉強になるなぁ」・「勉強になります」
「いいことを聞いたなぁ」・「いいことを聞かせてもらいました」
「わかる!」・「わかります」
「そんな事があったんだ」・「そのようなことがあったのですね」
「面白そうだね!」・「面白そうですね」
「ツラいよね」・「辛いですよね」
「困るよね」・「困りますよね」
「たしかに!」・「確かにそうですよね」
「いいなぁ」・「いいですね」
「すてき」・「すてきですね」
「うれしい!」・「うれしいです」
「大変だったでしょ」・「大変だったのではないですか」
「いいねー!」・「いいですね」
「いいこと言うなぁ」・「いいこと言われますね」
「根性あるね」・「根性ありますね」
「なるほど」・「なるほど」
「さすが!」・「さすがですね」
「すごい!」・「すごいですね」
「カッコいい!」・「かっこいいですね」
「そっかー」・「そんなことがあったのですね」「そうだったんですね」
「ほんとう?」・「「本当ですか」
などを言葉としてもっておくのがいいでしょう。
「一緒に考え、引き出す」
「言葉にできないことを言語化する手伝いをする」
という意識をもって聴きましょう。
冒頭でも述べたように、間違っても、頭の中で答えを考えながら聴くことは避けたいところです。
「答えは相談者の中にある」と思って聴きましょう。
また、相手の思いを言語化するために、
「今思っていること(今話したこと)って、○○と考えてもいいですか」
「今こうしようって思っていることはありますか」
などの声掛けをすると、相手が伝えようと思っていることがより正確になります。
結果として、より正確に相手の思いを知ることができます。
随所で確認しながら聴くべきでしょう。
「どうしても意見を言いたいときは」
私は、よほど相手から求められない限り自分の意見を言うことはありません。
それでも意見を言いたいときは、相手の意思を確認します。
「私はこう思うっていう話をしてもいいですか」
と聞くくらいがちょうどいいでしょう。
「とにかく思いを馳せること」
「相手が、何に困っているのかを一緒に考える」
これが基本です。
相手が納得できる答えを用意する必要はありません。
見つからなくても、懸命に考える姿を示すだけでも十分です。
聴いてもらえるだけで、解決につながったり、相手の気持ちが楽になる場合も多くあります。