中学校の授業の基本 4つのチェックポイント

本記事では、中学校では見落としがちな授業の基本的な事柄を簡単にまとめています。

ブログ記事「中学生でもできる学級レクリエーション、ゲーム、遊びin教室」が本になりました。

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1.「生徒全体に視線がいき渡っているか」

「生徒全体に視線がいき渡っていることが大切です」と言われます。
そもそも「視線がいき渡っている」とは、どのような状態のことでしょうか。
少なくとも生徒が一人残らず、先生に「見られている」という感覚を持っている状態です。
全国区の先輩教師に、
「Z視線」の方法を教えてもらったことがあります。
視線のイメージです。

授業の基本、授業のイロハ、視線、机間巡視、スモールステップ、作業

身体全体をその視線の方向へ向けるとより効果的です。

私はこの方法を教えてもらってからすぐ、放課後の教室で練習したことを覚えています。
皆さんも、ぜひ取り組んでください。

2.「声に抑揚はあるか」

「抑揚があるように話さないといけないのは分かっているけど、どうやって鍛えるのか分からない」方が多いのではないでしょうか。
私は、「朝3分の声トレで、あなたの話し方が9割変わる!(ダイヤモンド社 白石謙二著)」を購入しました。

その後トレーニングページをラミネートし、お風呂に入ってボイストレーニングしました。
これに限らず、たくさんのボイストレーニングの本がたくさん出版されています。
音楽教室で学ぶこともできます。
私の尊敬する後輩は、音楽の先生に講師となってもらい発声方法を教えてもらっていました。
日々の授業をボイスレコーダーで録音することは言うまでもありません。

3.「授業が単調ではないか」

「授業が単調」とは、ずっと同じ作業を続けている状態です。
授業が単調であると、生徒が飽きてきます。
少なくとも「授業で1時間生徒がずっと座っている」ことは避けないといけません。
以前、生徒からの一言がきっかけで授業のスタイルを大幅に変更したことがあります。
教員2年目の頃の話です。
私は、実験以外のほぼすべての授業でパワーポイントと電子黒板を使用した授業をしていました。
10年以上も前のことです。
塾での経験も存分に活かし、とにかく「分かりやすい授業」「入試で点数を取れる授業」を当時はめざしていました。
ある日、3年生の真面目で成績優秀、授業態度も抜群な生徒が、私との雑談の中で言ったのです。
「先生の授業はめっちゃ分かりやすい。なんか、塾みたい。でも、ずっと座りっぱなしで、聞いてばかりだったら、ちょっと集中力がMAX一杯になんねん。お尻や背中が痛くなるわ(笑)」
自答しました。
「うん・・・、ちょっと待てよ。この生徒でさえ、集中力MAX一杯ってことは、他の生徒は・・・。」
それから、「授業で飽きさせないための工夫」についての本を読みあさりました。
すると、私の授業のダメな部分が見えてきたのです。
・1時間ずっと座りっぱなし
・活動の種類が少ない(いわゆる説明中心の授業)
単調な授業の典型だったのです。
それ以来、
・ずっと座りっぱなしの授業をしないこと
・活動の種類を増やすこと

を意識しました。
「ずっと座りっぱなしの授業をしない」ようにするため、例えば、次のような指示をするようになりました。
ワークシートに自分の考えたこと(分かったこと、気づいたこと、思ったこと)を書かせた後、
「全員起立します。今から、順番に発表します。自分の書いたことと同じことを言われたら座ります。」
この指示で、「全員起立」することができます。
座りっぱなしではなくなります。
出た意見は、黒板に書いていきます。
他にも、
「全員起立します。お隣の人と書いたことを発表しあいます。二人とも終了したら座ります」
(動物単元の導入で)
「アリの絵をその特徴がよく分かるように、ワークシートに書きなさい。書けたら持ってきます。何回持ってきても構いません」
この指示で多い生徒は、5回以上持ってきます。
「自分のタイミングで立って、歩いて、持ってきて、評価を受けて、歩いて、座る」という動作が発生します。
1回も持ってこない生徒もいるので、
「まだ1回も持ってきていない生徒は持ってきなさい」という指示を途中に入れます。
(教科書の問題を解かせる場面で)
「3番までできたら、持ってきます。」
早くできた生徒に、解答を黒板に書かせることもあります。
実際にこれを授業でやっているのを見たことがなければ、イメージがわかないでしょう。
ひょっとしたら、
「そんなこと、自分の中学校でやったら、一気に授業が崩れてしまう」
と思われるかもしれません。
実際にそうです。
そのまま、我流でこの指示をしても、授業が崩れる先生もいるでしょう。
この指示を通すには、「並ばせ方」、「問題の選び方」など基本的なことを押さえておかなければなりません。
だから、
「全国区で活躍されている先生の授業やセミナーを見る必要がある」
のです。
活動の種類については、
いわゆる「話し合い活動」を取り入れることがありますが、授業の主体を「話し合い活動」にすることはありません。
50分あるうちの「5〜10分」をそういう授業にあてるということです。
他の活動の種類は、
「問題を解く」
「調べる」
「教科書をまとめる」
「ビデオを見る」
「ペア学習する」
その他も多くあります。
これらを授業に多く取り入れるのです。
「授業 活動 種類」で検索をかけてみましょう。
大型書店にも足を運んでみましょう。
また、積極的に自分の授業を誰か見てもらましょう。
自分の授業ビデオもチェックしましょう。

<その他>
「読ませ方」、「発言のさせ方」にバリエーションをもたせます。
これは、小学校の先生に学ぶところが多くあります。
例えば、中学校での「読ませ方」や「発言のさせ方」はおおよそ次のパターンではないでしょうか。
・「はい、次、◯◯さん」のように、教科書を座席順で順番に読ませる。
・「分かった人」と言って、手を挙げた生徒をあてて発表させる。
これがダメということではありません。
もっとバリエーションを増やした方が生徒は「ヤル気をだす」ということです。
例えば、
「全員起立します。1回読んだら座ります。」
「1列目は、起立します。合わせて読みます。」
「女子(男子)は起立します。合わせて読みます。」
「全員起立します。先生と交替に読みます。私が読んだ後、皆さんが読みます。」
「分かった人」と言って、手を挙げさせた後、「分かった人で答えます。全員で言います。さんはい」
これらはすべて、全国区の小学校の先生の授業を見て、これなら中学生でもできると思って実際にやっていたことです。
ぜひ、全国区の先生の授業を見てください。
教育雑誌の巻末に見られる授業やセミナーの情報が書いてあります。

4.「机間巡視をしているか」

机間巡視の目的は何でしょうか。
・一人一人の状況を知ること
・見られている感を与えること
にあります。
特に、特別支援が必要な生徒、ヤンチャな生徒に対してはこの時間を利用しましょう。
これも、多くの資料が書店やWebサイトにあります。
ぜひ、調べてみてください。

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