学年が上がるとき、春休みの宿題を出すか出さないか。学校として、学年として方針が決まっている場合もあるでしょうし、個人の先生の判断に任される場合もあります。
ここでは、個人の先生に任される場合を考えます。
私の場合は、春休みにも宿題を出していました。
主な理由は、「春休みに宿題なんて、やりたくない!」と思っている生徒に合わせるのではなく、学習意欲のある生徒に合わせたかったからです。
しかし春休みは、夏休みや冬休みの宿題とは少しやり方を変えます。「宿題は出すが、チェックはしない(提出させない)」方法をとります。
1.宿題を出す理由
「宿題を出さない」という選択肢もあります。
理由は、「担当教師が変わるかも知れない」、「春休みは部活動などに力を入れる」、「しっかりと体を休める」、「チェックがしんどい」などの理由からです。
しかし、これでは保護者ややる気のある生徒からの期待に応えられていません。
中2や中3に上がる直前の春休みに、「勉強モード」になる中学生もいるのです。
春休みは宿題を出すのです。
ただし、条件があります。
・授業中にできるようにした問題を中心の内容にすること
・担当が変わっても迷惑がかからないようにすること
・解説を充実させること
・得意、普通、苦手な生徒に向けて、それぞれどこを中心に勉強すればよいか、表紙等に説明を入れておくこと
です。
「授業でできるようにしたこと」や「授業で定着させたこと」を宿題に出します。
宿題の量(5教科の合計量)は、新中2なら1日につき「B4サイズ片面」×「春休みの日数分」、新中3なら1日につき「B4サイズ両面」×「春休みの日数分」がよいでしょう。
実態に応じて、臨機応変に内容と量は変えてください。
プリント1ページ毎に、「3月21日(土)」のように「やる日」を書き込んでおいてもよいでしょう。
内容として、「授業中にできるようにしたこと」だけでは、学力の高い生徒は物足りなさを感じます。
そういう生徒向けには、「挑戦課題」も準備していました。
また、「春休みにやる「おすすめ問題集」」を紹介する方法もあります。
1冊だけを紹介するのではなく、「基本」「標準」「発展」それぞれの「問題集」や「やるべき部分」も記載しました。
2.チェックしない理由
「何か課題を出したら、チェックし、評価する」のが基本です。
しかし、チェックするということは、「宿題をしていない生徒」に対して、指導しなければならなくなります。
4月を「宿題の指導」でスタートさせたくありません。
4月はとても大事な時期です。
この時期に失敗したら、1年間が思いやられます。
宿題は頑張れなかっけ たけど、2年生、3年生から頑張ろうと思っている生徒もいるはずです。
だから、チェックしないことにしています。
しかし、春休みの宿題について全く触れないのもよくありません。
これを防ぐために、最初の授業でのアンケートを取るのです。
・春休みの宿題をやったか、やらなかったか。
・やった生徒は、「なぜ、宿題をやろうと思ったのか」
という内容です。
宿題をやった生徒は、
「中3は勉強を頑張ろうと思っているから」
という内容を書いてくるはずです。
これを、「教科便り」で褒めてあげるのです。
1、2により、
・「宿題をやった生徒は褒められるし、力もつく」
・「宿題をやらなかった生徒を年度当初から叱らずにすむ」
・「保護者への説明責任も果たせる」
のです。