中3担任による進路指導の準備の基本

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1.昨年度の3年生担任がもっている「進路ファイル」を読む

チェックポイントは、
・昨年度の結果を確認する。
実績の多い進路先の資料を読む。
・分からない部分をチェックする。
調べたり、他の教師に聞く。
・1年間の流れを知る。
いつ何をするかを確認する。
・各高等学校の難しさを知る。
⚪︎⚪︎高校は、△△くらいの実力の生徒がよく行っている。
・昨年度進路指導の課題を知る。
昨年度の進路指導の問題点があれば、改善方法を考える。
・就職決定までの流れを知る。
どのような環境の生徒が、就職を選択するのかを聞く。
卒業式が終了すれば処分される可能性がありますので、今のうちにお願いしておきましょう。

2.所属している都道府県の入試要項を読む

入試要項は、ホームページで公開されています。
「入試要項 ⚪︎⚪︎県」などで検索できます。
蛍光ペンとボールペンで次のことをチェックしていきます。
・読んで分からない部分を調べる。
進路指導に詳しい先生に聞く。
・入試システムを知る。
進路ノートにまとめる。
・より大きな流れでの1年間の流れを知る。
いつどのような手続きをしなければならないかをノートに整理する。

3.進路ファイルを作成する

A4サイズのノート(50枚)を使います。
最初の10枚には、年間計画表など、進路指導の根幹をなす資料を貼り付けるのであけておきます。
次のページから、生徒の個人ページになります。
見開き1ページで、1人分になります。
見開きの右側のページの上部に、名前印を押していきます。
そこに、個人のデータをどんどん貼り付けたり、面談時の希望を書き込んだりしていきます。
オールインワン進路用ノートです。
鍵のかかる所に保存しておきましょう。
※これ以降は時間があれば・・・。

4.主な進路先を見学する

1回自分の目で確かめておけば、「⚪︎⚪︎高校ってどんな高校?」と聞かれた時も、
「⚪︎⚪︎中から、自転車で⚪︎⚪︎分のところにあります。校舎の雰囲気は⚪︎⚪︎で、たまたま春休みに行った時は、⚪︎⚪︎部が練習していた。みんな元気がよくて、挨拶もしてくれたよ」と答えることができます。
進路指導のことをよく知っている先生に案内してもらうのもいいでしょう。

5.進路指導に関する書籍や資料を読む

進路指導に関する本を、検索エンジン等で調べておきましょう。
また、大型図書館や書店に行っても多くの書籍があります。
ホームページの資料については、次のようなものがあります。
文部科学省 中学校キャリア教育の手引き
国立教育政策研究所 「キャリア教育」資料集 研究・報告・手引編 〔平成21年度増補版〕
ベネッセ教育総合研究所 『VIEW21』中学版 2013年度 Vol.4 【特集】社会を生きる力を育む─キャリア教育の視点で教育活動を捉え直す
他、各都道府県から「進路指導冊子」や「キャリア教育冊子」が発行されている場合もあります。

6.最後に

「いつ頃から、高校見学にいけばよいのですか」
「定期テストや実力テストで⚪︎⚪︎高校に行くには、何点くらいとっておいたらいいですか」
「入試の結果はどうやってきまるのですか」
このような基本的な質問が生徒からあった時、
「調べておく」
ではいけません。
「制度が変わったから分からない」
「毎年、入りやすさは変わるから」
「3年前にはなかった学校だから」
というような言い訳も通用しません。
進路指導が本格的になる6、7月頃では遅すぎるのです。
それまでに、多くの生徒が質問してきます。
生徒からの最初の質問で決まります。
それで答えられなかったら、10月~12月の進路の面談で先生の発言が軽視されます。
進路指導に影響を及ぼすのです。
だから3月中に「進路指導」について勉強しておくのです。
中3の担任になるなら、生徒の春休み期間中に必要最低限のことは、徹底的に調べておくのです。
ここで記事にしているのは、「実務レベルの進路指導」が中心です。
実際に、生徒に進路についての指導をしなければなりません。
目先の15歳、16歳の春だけのことだけを追わせてはいけません。
例えば、

「夢」
「希望」
「働くということ」
「フリーターと正社員」

というキーワードは、1年時から繰り返しその意味や意義を伝えるのです。
これについても、多くの書籍や各中学校の資料があると思います。
ここでは、進路指導に焦点をあてて記事にしました。
キャリア教育についても、学ばなければいけません。
キャリア教育と言えば、例えば次のようなことです。
文部科学省「中学校キャリア教育の手引き」より

中学1年
・中学校生活のガイダンス
・各教科担任による学習の仕方の説明
・学級活動,班活動などの支援
・自己理解を図る学級指導の計画的実施
・職業調べなどの活動の支援
・個別面談,三者面談などの実施
中学2年
・部活動,生徒会活動,行事などの支援
・学力の状況や学習の仕方についての相談
・人間関係の問題の改善と学級での話合い
・コミュニケーションスキルの指導
・職場体験学習の実施と個別の支援
・個別面談,三者面談などの実施
中学3年
・自他の理解を図る学級指導の計画的実施
・悩みを話し合える集団作りの指導
・地域での活動やボランティア活動の支援
・男女が共同して働く活動の支援
・進路選択・決定のための情報提供と支援
・個別相談,三者面談などの実施

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