中学生の親孝行を具体的な形にする

「親孝行」は先生が伝える大切なことの1つです。
「親孝行を伝える」ためには、その思いを具体的な形にする必要があります。
形にするためには、教師が積極的にしかけることです。
そして自分自身も、親孝行を積極的にする実践者でいたいものです。

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1.学校ホームページ・学年通信・学級通信・日常の会話で伝える親孝行

例えば、次のような内容を生徒に伝えます。
一人の教師が意識するだけではいけません。
学年全体、学校全体が折に触れて話題にするのです。
・「親の心を理解できる人が大人」
・「子どもを憎い親なんてるわけがない」
・「このような社会の状態の中、必死に育ててくれている」
・「勉強しなさい、としか言わない親もいるかもしれないが、それでも愛情に満ちている」
・「今は、いわゆる反抗期、反発する時期だけど、だからと言ってずっとわがまま言っているのはカッコ悪い」
・「みんなも注意をされてイライラしたり、傷ついたりするかもしれないけど、一番引きずって考えているのは親」
・「親の気持ちは、親にならないと分からないことの方が多いもの」
・「卒業式の時だけ、「ここまで育ててくれてありがとう」ではあまりにも寂しいよ」

2.日常生活でできるほんの少しの親孝行

・マッサージをする
・洗濯物をする
・米研ぎをする
・皿洗いをする
・1つでも自分のことを自分でできるようにする
・ありがとうと一日一回言う
・1日お休みの日(ノー家事デー)を作る
・おつかいに行く
・料理を手伝う
・ゴミ捨てに行く
・掃除する

3.教科の先生と連携する親孝行

・美術
「母の日メッセージカード」、「父の日メッセージカード」の作成
美術の先生と連携する。きとんとした作品にする。苦手な生徒がいても大丈夫なように、簡単な方法である。また、やり方もしっかり教える。
・家庭科
調理実習で作ったメニューを家でもやるように生徒に言ってもらう。
・技術
工作・・・親御さんにプレゼントする小物入れを作成してもらう。
・英語
母の日に「英語でのメッセージカード」を作成してもらう。
・理科
「セイロンベンケイソウ」を育てて小さな容器に入れて親御さんへのプレゼントを作成する。

4.面談時の親孝行

・保護者の方が面談等で中学校に来られるまでに、「ビデオメッセージ」の作成
ホームビデオで1分程度の文章を生徒の言わせて撮影します。
そのまま面談時に小さい画面で保護者に見せます。
TVなどを運び込む必要はありません。
最初からカメラ付きのモバイルPCやIpad等の機器で撮影して見ていただくのもよいでしょう。

5.その他、注意点

(1)伝えようとしすぎない
授業でも同じですが、「親孝行をしたい気持ち」にどのようにさせるかが悩みどころでしょう。
生徒にも個人差があります。
A:親孝行を普段からしている生徒
B:親孝行を意識したことがない生徒
C:親孝行をしたいが、方法が分からない生徒
D:親孝行をしたくない生徒
「親孝行を今すぐすべての生徒がする」ことを目標にしてはいけません。
普段から繰り返し伝えていくことで、「生徒がふとしたきっかけで変わるのを待つ」くらいの心構えでいいでしょう。
ターゲットにするのは、BやCの段階にある生徒でいいのではないでしょうか。
Dの生徒に強く伝えようとしたら、逆効果です。
親孝行の大切さを気づくのが逆に遅くなります。
一流の教師でない限り、教師自身が構えすぎる、伝えようとしすぎると、押しつけがましくなるのです。
(2)「親孝行」を語る教師自身が、本当にそのような気持ちをもっていないと伝わりません。
(3)瞬間的に多く伝える時期(母の日や父の日の直前)も必要ですが、言い続けることが最も大事です。
(4)両親がいない等の特別な事情を抱えている場合は、学校長等に相談するなど、配慮を忘れずなさってください。

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