高校入試に焦点をあてた公立中学校での授業のコツ

「高校入試対策の授業研修」
なんて受けたことはありませんよね。
当然です。
高校入試は、研究授業等の「授業の目的」とはなりえないからです。
例えば、中学校の学習指導案での授業の目的が、
「〇〇県公立高等学校入試問題に対応する力をつける」
とはならないのです。
だからこそ、中学校教師が授業で工夫しなければならないのです。
<目次>
1.高校入試指導に対する意識を変える
2.高校入試問題を10年分以上分析しなければならない理由
3.高校入試対策授業を始める時期、ペース
4.取り扱うべき問題の中心
5.高校入試専用ノートを作成する
6.1時間の授業の組み立て方
7.少なくともノート1冊はなくなる量をこなす


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1.高校入試指導に対する意識を変える

私は塾講師を10年間やっていました。
「学生時代に塾講師のバイトをやっていたから、入試指導は得意」
と言う中学校教師がいます。
はっきりいいます。
そのようなレベルでは、高校入試対策の授業は語れません。
「学生時代のバイトとしての塾講師」と「プロとしての塾講師」では重みが違うのです。
責任も違うのです。
以下に高校入試対策の授業のコツについて述べますが、「自分の担当する教科だけ」では効果は半減します。
読者の皆さんの立ち位置にもよりますが、できるだけ多くの教師を巻きこんだ高校入試指導をしてください。

2.高校入試問題を10年分以上分析しなければならない理由

まず教師は、自分の所属する都道府県の入試問題を少なくとも10年分解きます。
9月からではない。6月までには入試問題を研究する。
でも伝えましたが、入試問題を解かずに中学校3年生の授業をするのは、避けてほしのです。
できるだけ早い時期に10年分するのです。
それ以降は、毎年入試があるたびにすればいいのです。
最初だけはやる量が多くなりますが、そこは頑張ってください。
なぜ、10年分か?
10年分やらないと、傾向が分からないからです。
仮に傾向が変わっていても、中学生に対して、
「○○年度から制度が変わり、傾向も△△になっている。だから、今から■■をしばらく重点的にやっていく」
と重みのある説明ができるのです。
生徒に対しては、「3年分をしておきなさい」と言います。
範囲外の問題、傾向が変わるなど、4年以上前の問題はやらせない方が無難です。
もちろん地域によって若干の差はあります。
範囲外などのやらなくてよい問題も同時に指示をします。

3.高校入試対策授業を始める時期、ペース

例えば、9月の段階であれば、3~4時間の授業に1回は入試問題を取り扱います。
問題にもよりますが、1回につき、15~25分です。
おおよそ、1週間に1回、というペースです。

4.取り扱うべき問題の中心

取り扱う問題は、10年分をやった中で、
「(自分の所属する中学校の生徒は)この問題を出されたら不利だろう」
とうい問題を選ぶのです。
それが分からないのなら、
「(簡単だけど)正答率の低い問題」
を選ぶのです。
問題数は、まず30問厳選です。
優れた分析能力がないとできません。
しかし、これはやらないといけません。
単元の数は決まっていますから、1単元に○○問、となるはずです。
高校入試を意識すれば、自分の授業も振り返ることにつながっているのです。

5.高校入試専用ノートを作成する

「高校入試対策ノート」を作成させます。
ただし、「進学しない生徒」もいますから、「応用問題解決ノート」と名前を付ける配慮も必要です。
見開き1ページを次のように使います。
中学校、高校入試指導、方法、コツ
(1)問題(単元)のタイトルを書きます。
中学校、高校入試指導、方法、コツ
(2)予め印刷して切って配布した問題をこの部分に貼らせます。(B6大)
中学校、高校入試指導、方法、コツ
(3)この部分に問題を特にあたっての既習事項のまとめを、基本的に「解く前」に説明しておきます。
問題を解くにあたっての、必要最低限の知識をまとめるのがよいでしょう。
最初は、ストレスなく問題に解けるようにしたいので、「ほぼ答え」的な内容でもいいでしょう。
中学校、高校入試指導、方法、コツ
(4)生徒がこの部分に問題を解いていきます。
中学校、高校入試指導、方法、コツ
(5)教師が問題の解説をします。この部分に生徒が教師の板書を写します。
中学校、高校入試指導、方法、コツ

6.1時間の授業の組み立て方

これも、いくつかポイントがあります。
まずは、20分の時間を使う場合の時間配分です。
上記「5.」の例であれば、
(1)~(3)までで、5~8分
(4)で、8~10分
(5)で、5分です。
(5)の時間は意図的に少なくなるようしていました。
これは、(3)の説明で問題を解けるような説明をしている
からです。
だから、いわゆる解説は短い時間で済むのです。
理解させようと長時間の説明をするとアウトです。
(3)で半分以上の生徒がストレスなく解けるようなまとめをする。
(4)で、すいすい解いていく。
(5)で、軽~い説明をする。
というようなイメージです。
生徒が問題を解いた後、解答を言います。
これも細かい技術になってしまうのですが、ポイントがあります。
「答えをすぐに言わないこと」です。
先に言ってしまうと、後まで集中して聞けない生徒も出てきます。
「これはこうだから、・・・・・。よって正解は、(間)Aです」と基本します。
この時に、
・一斉に「丸をする音が教室に響く」
・「イエーイ」っていう小さい声、反応がある
状態であれば、まずはオッケーでしょう。
また、20分は「授業の最初の20分」を使います。
私は、最初の3分は「授業開始テスト」をしていたので、正確に言うと私の場合は、授業開始後、「4分~23分」の20分間です。

7.少なくともノート1冊はなくなる量をこなす

私は、これを1学期の期末テストが終了してから毎週やっていました。
うまくやれば、単元に入る前の2年生の復習としても利用できるのです。
9月から始めても、
9月、10月、11月、12月、1月、2月までとしても、
月4回×6か月で、少なくとも24問になります。
入試の直前には、もっと問題数が増えるでしょうから、30枚のノートが1冊なくなる量になります。
「ノート」という目に見える形で残りますから、生徒の自信にもつながります。
また、「繰り返し使える教材」になりえます。
通常の授業での時間調整でも、「高校入試ノートで自分が一番できないと思う問題を1問選んでやります」という指示を出すこともできるのです。

<今日のまとめ>
・遅くとも教師は9月中には入試問題を研究し終える。
・公立中学校教師も、入試対策の授業を定期的にする。
・生徒に「高校入試ノート」を作成させる。

よろしければ、
中学生への学習指導のページ
も合わせてご覧ください。