中学校教員の転職で後悔しない考え方とその準備

次のような先生に向けて記事を書きました。

「ほんの少しでも転職を考えたことがある先生」
「転職してキャリアアップしたい先生」
「転職したいが、不安がある先生」
「多分転職しないだろうけど、今後何があるか分からないから、今のうちに調べておきたい先生」

今回は、教員の転職について投稿します。
友人が教員から転職し、なるほどと思える話を聞いたことと、私自身も転職活動をしたことがあるからです。参考にしてもられば幸いです。

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1.転職は長期戦

転職は、長期戦です。
友人は11月から転職活動を始めました。
しかし、実際に教員を辞めて転職したのは、次の年の4月ではなく、次の次の4月でした。1年以上かかったことになります。
転職活動を始めればわかるのですが、まず、ここだと思える転職先を探すのに時間がかかります。
やりたいことができる会社を見つけたと思ったら、給与面、勤務場所、福利厚生面が希望とは違った、というはよくある話です。
これとは逆に給与面、勤務場所、福利厚生面は希望通りだが、やりたいことからは少しずれる、、、。
本当に就職活動は難しく時間がかかります。
だからこそ、周到な準備が必要になります。

2.転職活動を成功させるための軸

これは就職活動にも当てはまりますが、転職活動においても自分自身と徹底的に向き合う必要があります。
向き合えば向き合うほど、転職活動は一筋縄ではいかないことがわかります。それが正しいのです。
徹底的に考え行動した先に、転職活動の成功があります。
さて、自分自身と向き合うときには軸が必要です。
軸は、
「何のための転職なのか」
を突き詰めて考えれば見えてきます。
例えば、次のようなものです。

・今の職場は合わないから、一度教員を辞めて、自分自身を見直したい
・自分の力がどこまで通用するのかを試したい
・今の状態がつらいから、とりあえず働く場所を見つけたい
・キャリアアップしたい
・やりたいことを実現したい
・給与アップしたい
・資格を取得したい
・持っている資格を活かしたい
・楽しく仕事がしたい
・やりがいがあることをしたい
・人間的に成長できる場所で仕事をしたい


等々です。
「何のための転職なのか」ということを、新卒での就職活動よりもさらに明確にしておく必要があるでしょう。

3.優先順位を考えておくこと

優先順位については、いろいろな観点、分け方があります。
例えば、次のような観点であるでしょう。

・仕事内容(教員に関連することを希望するのか、しないのか)
・求められるレベル
・将来性
・雰囲気
・経営方針
・福利厚生面(給与(賞与)、休暇、勤務時間、休みやすさ、副業の可否、退職金、育児、介護休暇制度、残業の有無)
・雇用形態(正社員、契約、バイト、テレワークの可否)
・勤務場所、異動の有無
・研修制度


会社名を調べたり、闇雲に登録したりする前に、自問し書き出しておくことが、成功する秘訣です。
これらを明確にせずに、転職活動をしてしまうと、転職活動がブレてしまい、すべてがいいように思えたり(逆にすべてが悪いように思えたり)等々で、うまく転職活動が進みません。

4.転職エージェント、転職関連サイトへの登録はマスト中のマスト

多くの転職エージェントがネット上にはあります。これを活用しない手はありません。
「転職エージェント」と検索すれば、必ず見つかります。5~10程度のエージェントや転職関連サイトに登録し、多くの情報を得ることは必須です。
例えば、次のような転職エージェント、転職サイトは有名です。
・国内トップクラスの転職口コミ情報が掲載されている。日本中の企業の口コミが集まっている。
 転職会議

・求人数は10万件以上で業界トップクラス、エージェントと一般転職サイトを併用可能、スカウトもある。
 DODAエージェントサービス

・簡単な質問に答えることで、自分の市場価値がわかる。また、企業からのオファーを受け取ることもできる。
 ミイダス

・働き方、人間関係にも焦点を当てている転職サイト。地域密着型で都道府県別に求人情報がある。
 はたらいく

・スキルアップ研修ありの求人が探せる。また、女性の転職を応援する仕組みがある。
 とらばーゆ

・業界トップクラスの求人情報がある。地域毎の求人情報も多くある。
 シゴト.in

5.転職活動のマナー

転職活動をしていると、どうしても職員室で他の仲のいい教員に相談したくなります。
しかし、それはNGです。
一緒に仕事をしている仲間から転職活動に関する相談を受けて、気持ちよく今後仕事をしていくのは難しくなります。
ルールとして、

・転職活動をしていることを他の職員に言わない
・円満退職を目指す
・職場の先生に迷惑をかけない


社会人として当たり前のことです。
例えば、校長先生に一切相談せずに、内定をもらってから、3月になって急に「辞めます」では非常に迷惑がかかります。
教員の枠は1月~2月にほぼ決定しているからです。
ですので、急に「辞めます」で、その穴を埋めるのは簡単なことではないのです。
「それでもいい」と言われるなら仕方ありませんが、今後自分が同じようなことをされても何も言えないでしょう。
「学校が嫌で辞めるんだから、仕方がない」と聞くこともありますが、それは社会人としてやってはいけないことでしょう。

6.決め打ちで転職先を決めないということ

転職活動する前から、「ここだ」と思う転職先に決めてしまうこともNGです。
まず、該当する転職希望先に関するいい情報しか耳に入ってこなくなるからです。
多くの会社を見た上で「ここだ」というなら話は分かりますが。
例えば、生徒が高校を選ぶときに、その希望進路先1つだけを見て選択していたら、「もっと多くの高校を見てから決めなさい」となると思います。
転職活動なら尚更です。
とにかく、多くの会社を見るようにしましょう。
他にも理由があります。決め打ちしていると、そこがダメだった場合、ダメージが大きくなり、その後、転職活動が思うように進まなくなります。
ここだと思う転職先はあっていいのですが、それと並行して、他の転職先を調べるようにしておきましょう。

7.キャリアアップする教員の転職先を探す方法

ポイントは、今の仕事内容(教育分野)から、
「少しずらした転職先」
を探すことです。
例えば、自分が「営業職」をしたいのなら、「教育関連の営業」ができる転職先を探すべきだということです。
他にも、塾講師、家庭教師、会社の教育部門(希望部署にならないことも多々ありますが)、教育系ユーチューバー、理科の先生なら研究職、英語の先生なら外資系図書館司書、(シニア)青年海外協力隊等々。
そんなことを考えれば、キャリアを積み上げていくことができるでしょう。
また、昨今のトレンドを考えると、「教育関連のNPO」、「通信系の学校」、「ネット系の学校」、「フリースクール」等は、これからの時代、どんどん活発になっていくでしょう。
あえて「全くの別業種」という選択肢もありますが、これはよほどの戦略が必要になるでしょう。

8.教員に戻るという選択

「教員に戻れるのか」と聞かれることがありますが、よほどの事情がある場合を除き、「戻れます」。
今後数年間は売り手市場です。教員不足が続くでしょう。
また、教員以外の職業を経験した人を採用する自治体も増加いています。
私自身も多くの教員と接してきましたが、一度教員以外の職業を経験している人の方が、バランス感覚のある考え方や行動をしている場合が多くありました(新卒で魅力のある先生も多くいらっしゃいます誤解なきように)。
「教員以外の職業を経験しなければならない」とは思いませんが、一旦立ち止まって別の職業を経験し、その後の教職人生に活かすという考えには賛成です。

9.私立という選択

例えば、「一般財団法人 日本私学教育研究所」という会社があります。
一度検索してみてください。
また、私立であれば、専任教諭、常勤講師、非常勤講師等の身分がありますので、これを考えるのもいいでしょう。
また、各都道府県には、「○○県私立中学校高等学校連合会」というような場所もあります。
そこには募集情報もありますので、調べておきましょう。

10.ITスキルの習得という選択【無料体験有】

最近コマーシャルを賑わせているTechAcademyの無料体験。IT関連であれば、教員に再度戻ってくることになっても、「ITが得意」という強みを持って戻ってくることができます。

11.その他のTIPS8

・最初に見た転職先に心を奪われないようにすること

転職活動初期のうちは、初期に目にした転職先に心を奪われがちです。「そこありき」で転職活動をしてしまうと転職後「こんなはずではなかった」になりかねません。

・基本的には給料は下がることは覚悟すること

ハンティングされる以外、給与は現状維持、あるいは下がることもありえます。そういう覚悟はもっておきましょう。給料アップすることもありますが、レアケースともいえるでしょう。

・5年後、10年後を見越しながら、就職活動をすること

・家族を路頭に迷わせるような転職活動はしないこと

家族をもっているなら、家族を路頭に迷わせるような転職活動は絶対にしてはいけません。
必ず家族の同意を得てください。
私の友人で、過去に教員を辞めて「塾」を立ち上げた方がいます。
しかし、残念ながら成功しませんでした。
前年度の年収から税金が計算されるので、それも負担になってきます。
その後の人生は、、、想像に易いでしょう。
また、経済的に転職が成功したとしても、「教員をしているあなたが魅力的だった」と思う人がいるかもしれません。
このブログで繰り返し述べていることですが、縁している人に思いを馳せること、これが肝になります。

・転職専用のフリーメールアカウント作成すること

Gmail、yahoo mail等、就職活動専用のアカウントを作成しましょう。多くの電話やメールが入ることになります。携帯アドレスはNGです。

・面接や履歴書の書き方については徹底的にネット等で調べること

面接や履歴書(職務経歴書)の書き方は、ウェブサイトやYouTubeで十分すぎるくらいは情報があります。
「転職 面接」や「転職 履歴書」と検索すれば、素晴らしいコンテンツに出会えます。

・転職活動と教員生活は同時進行が原則であること

転職活動と教員生活は同時進行が原則です。
転職活動を成功させるには、「周到な計画」が必要です。
「辞めてからの転職活動」は、面接の時の説明が難しくなるでしょう。
「どうして教員を辞めたのですか」と質問されたとき、「自分の可能性に挑戦したかった」と言っても、教員が働く昨今の労働環境を考えると「逃げてきた」と思われるのが落ちでしょう。

・積極的アルバイトという選択肢もあること

手取りが少なくてもいいのなら、積極的アルバイトという選択肢もあるということを知っておきましょう。
ただし、どこでもいいという訳ではありません。
学べる場所が必須です。最先端のシステムを取り入れている会社等です。

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