若手教師が最初の5年間で身につけたい25のTips|仕事の進め方・学び方・働き方

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教員になって最初の数年間は、分からないことの連続です。
授業、生徒指導、学級経営、保護者対応、校務分掌、会議、行事、成績処理、進路、ICT。
大学や採用試験で学んだ知識だけでは対応できない仕事が、毎日のように出てきます。
周囲を見ると、何でも簡単にこなしているように見える先輩教師もいます。
授業をしながら、生徒対応をして、会議の資料をつくり、保護者へ電話をし、次の日の準備まで終えて帰っていく。
若手の頃には、「自分にはとてもできない」と感じることもあると思います。
しかし、その先生たちにも若手の時代がありました。
最初からすべてできる教師はいません。
むしろ、最初の数年間で大切なのは、「何でも一人でできる教師」になることではありません。
分からないことを確認できる。
困ったときに相談できる。
失敗したときに報告できる。
他の教師から学べる。
自分の実践を振り返ることができる。
そして、次は少し変えることができる。
そのような教師になることです。
文部科学省『生徒指導提要』でも、生徒指導を一人の教師だけで抱え込むのではなく、教職員の同僚性やチーム支援、組織的対応を基盤とすることが示されています。
若手だから何でも教えてもらって当然、ということでもありません。
一方で、若手なのだから一人ですべて解決しなければならない、ということでもありません。
できることは自分でする。
分からないことは聞く。
重要なことは共有する。
経験したことは次に生かす。
この繰り返しが、教師としての土台になります。
ここでは、初任からおおむね5年目までの若手教師に身につけてほしい仕事の基本を、25のTipsとしてまとめます。

1.最初の数年ですべてできる必要はない

授業がうまい。
生徒指導ができる。
学級経営ができる。
保護者対応ができる。
校務分掌の仕事が速い。
会議でも的確に発言できる。
後輩にも助言できる。
このすべてを、最初の数年間で身につける必要はありません。
そもそも、経験していない仕事ができないのは当然です。
中学3年生を担当したことがなければ、高校入試の細かな流れを知らなくても不思議ではありません。
初めて行事を担当すれば、どの時期に何を準備すればよいか分からないこともあります。
初めて保護者から厳しい意見を受ければ、どう対応すればよいのか迷います。
大切なのは、「知らないことがある」ことではありません。
知らないことを知らないまま進めないことです。
そして、一度経験したことを、次回へつなげることです。
1年目に先輩へ一から教えてもらった仕事なら、2年目には自分で準備できる部分を増やす。
2年目に失敗したことなら、3年目には同じ失敗をしない仕組みをつくる。
3年目にできるようになったことなら、4年目には周囲へ説明できるようになる。
成長とは、急に何でもできるようになることではありません。
「昨年の自分より、少しできることが増えている」という積み重ねです。

2.まず授業を仕事の中心に置く

学校には、驚くほど多くの仕事があります。
会議資料。
調査回答。
行事準備。
成績処理。
保護者連絡。
校務分掌。
部活動。
掲示物。
ICT関係。
どれも必要な仕事です。
しかし、それらに追われて授業準備が最後になる状態には注意が必要です。
中学校教師にとって、生徒と最も長く関わる教育活動の一つが授業だからです。
「今日は説明が長すぎた」
「この発問では生徒が考えにくかった」
「この教材は分かりやすかった」
「この生徒が途中から手を止めていた」
そのようなことを一つずつ振り返ります。
授業は、何十回、何百回と繰り返す仕事です。
一回の改善は小さくても、積み重なれば大きな差になります。
若手のうちは、見栄えのよい大きな実践よりも、毎日の授業を安定させることを優先してよいと思います。
板書。
指示。
発問。
時間。
教材準備。
生徒を見ること。
まず基本を繰り返します。
※詳しくは「中学校教師の授業力を高める30のTips」へ内部リンクを設定するとよい。

3.生徒と接する時間を確保する

仕事に慣れてくると、パソコンの前でできることが増えます。
メールを確認する。
資料を作成する。
成績を入力する。
教材を探す。
連絡を送る。
効率化は大切です。
しかし、教師の仕事を効率化する目的の一つは、仕事を詰め込むことではなく、生徒を見る時間をつくることだと考えます。
休み時間に教室へ行く。
廊下を歩く。
清掃の様子を見る。
何気なく声をかける。
授業とは違う場面で、生徒の姿を見る。
そこから分かることがあります。
授業ではよく発言している生徒が、休み時間は一人でいる。
普段は元気な生徒が、その日は静かに座っている。
友達関係が少し変わっている。
いつも早く登校する生徒が遅れてくるようになった。
日頃の姿を知らなければ、「いつもと違う」にも気づけません。
ただし、休憩時間をすべて生徒対応に使えばよいという意味ではありません。
教師自身にも休む時間は必要です。
大切なのは、勤務時間の中で「生徒を見る時間」を意識して確保することです。

4.分からないことをそのままにしない

若手教師が最も避けたいのは、「分からないことを聞かずに、何となく進める」ことです。
「こんな簡単なことを聞いたら恥ずかしい」
「前に説明された気がする」
「先輩が忙しそうだから聞きにくい」
そう思うこともあります。
しかし、学校には、間違えてからでは対応が難しくなる仕事があります。
成績。
個人情報。
進路。
生徒の安全。
いじめ。
保護者への重要な連絡。
金銭。
提出期限。
自分の予想で進めてはいけないことがあります。
分からなければ確認します。
その際、
「どうしたらいいですか」
だけでなく、
「私は○○だと思うのですが、これで合っていますか」
と、自分なりの考えを添えると学びが深まります。
同じことを何度も聞かなくて済むよう、教えてもらったことはメモします。
「質問する力」と「次は自分でできるようにする力」の両方を身につけます。

5.早めに相談する

問題が大きくなってから相談するより、小さい段階で相談した方が対応の選択肢は多くあります。
「まだ大したことではない」
「もう少し自分で様子を見よう」
「自分の学級だから自分で解決したい」
その気持ちが、相談を遅らせることがあります。
特に若手教師は、
「相談すると、指導力がないと思われるのではないか」
と考えてしまうことがあります。
しかし、学校は一人で仕事をする場所ではありません。
例えば、生徒から気になる話を聞いたとき、
「現時点では事実関係は分かりませんが、こういう話がありました」
と共有するだけでも違います。
すべてを整理してから相談する必要はありません。
むしろ、「まだ分からない段階」で共有することに意味がある場合があります。
『生徒指導提要』でも、教職員間の情報共有とチーム支援による組織的対応が重視されています。
「自分で解決できる教師」だけを目指すのではなく、「必要なときに適切な人へつなげられる教師」を目指します。

6.悪い情報ほど早く報告する

報告しやすいのは、うまくいった情報です。
報告しにくいのは、
失敗した。
期限に間に合わない。
保護者から苦情があった。
生徒がけがをした。
資料を間違えた。
連絡を忘れた。
そのような情報です。
人は困った情報ほど、
「もう少し自分で何とかしてから」
と考えます。
しかし、そこで時間が経過すると、さらに対応が難しくなることがあります。
悪い情報ほど早く報告する。
これは学校に限らず、組織で仕事をするときの重要な基本です。
「まだ全部分かっていません」と言って構いません。
その場合は、
現時点で確認できている事実。
まだ確認できていないこと。
すでに行った対応。
これから確認しようとしていること。
を分けて伝えます。
失敗をしない教師になることより、失敗したときに誠実に動ける教師になることの方が重要です。

7.自分だけで判断してよい範囲を知る

若手の頃は、「何でも聞いた方がよい」と言われます。
一方で、数年たつと「それくらい自分で考えて」と言われることもあります。
難しいところです。
重要なのは、何でも相談することでも、何でも自分で決めることでもありません。
「自分で判断してよい範囲」を少しずつ理解することです。
例えば、授業の教材をどう工夫するかは、基本的には教師自身が考えられます。
しかし、成績評価の基準を一人だけで変更することはできません。
学級の係活動の進め方は担任が工夫できます。
しかし、重大な生徒指導事案を担任だけで処理することは適切ではありません。
自分の裁量。
学年で共有すること。
学校として判断すること。
管理職へ報告すること。
それぞれの境界を、経験しながら学びます。
「これは誰に確認する仕事なのか」を考える習慣をつけると、判断力は少しずつ高まります。

8.締切を守る

締切を守ることは、地味ですが非常に大切です。
一人の提出が遅れると、その先で仕事をしている人が待つことがあります。
例えば、学年で集約する資料なら、
担任が提出する。
担当者が集約する。
主任が確認する。
管理職が確認する。
教育委員会等へ提出する。
という流れになっていることがあります。
自分には「一日遅れ」でも、後の担当者には「確認する時間が一日なくなった」ということになります。
そこで、自分の中の締切を本当の締切より少し早く設定します。
金曜日提出なら、木曜日までに完成させる。
月曜日朝提出なら、金曜日に準備しておく。
締切当日に完成させる仕事の仕方から、締切前に完成させる仕事の仕方へ変えていきます。
どうしても間に合わない場合もあります。
そのときは、期限が過ぎてから謝るのではなく、分かった段階で伝えます。

9.会議に遅れない

会議が15時30分からなら、15時30分に仕事を終えるのではありません。
少し前には今の仕事を止め、資料を持ち、会議の場所へ移動します。
若手の頃は、
「あと5分あるから、これだけやってしまおう」
と思いがちです。
ところが、その5分の間に生徒から声をかけられる。
電話が鳴る。
印刷機が止まる。
急な対応が入る。
その結果、会議に遅れます。
会議に限りません。
授業。
保護者面談。
研修。
打合せ。
時間が決まっている仕事の直前には、少し余白をつくります。
余白は無駄な時間ではありません。
予想外の出来事に対応するための時間です。
毎日予定どおりに進まない学校という職場だからこそ、予定を詰め込みすぎないことが重要です。

10.提案するときは目的を説明できるようにする

若手教師でも、校務分掌を担当すれば職員会議や学年会で提案する機会があります。
そのとき、配布資料をそのまま読み上げるだけでは十分ではありません。
最低限、
なぜこの提案をするのか。
何を決めたいのか。
誰が何をするのか。
いつまでにするのか。
これまでと何が変わるのか。
を説明できるようにします。
質問される可能性がある部分も、一度考えておきます。
「なぜこの日程なのか」
「昨年度と違う理由は何か」
「この場合はどうするのか」
すべてに即答できる必要はありません。
分からなければ、
「確認して回答します」
で構いません。
ただし、提案者自身が「何のための提案なのか」を理解していない状態は避けます。
会議の目的は、資料を読み終えることではなく、必要な意思決定や共通理解をつくることです。
元記事群でも、会議を長引かせること自体を避け、目的を「解決」に置くという考え方が繰り返されている。(応援の空)

11.会議では分からないことを確認する

学校では、独特の言葉がたくさん使われます。
校務分掌名。
制度。
略語。
校内だけで使われている呼び方。
前年から続いている慣例。
初めて聞いた人には分からなくても、長くいる人にとっては「当然」になっています。
若手教師は、
「みんな分かっているのに、自分だけ分からない」
と感じることがあります。
しかし、分からないものは分かりません。
その場で聞けるなら聞きます。
会議の進行上その場では聞きにくければ、終了後に担当者へ確認します。
また、会議でメモを取る目的も、「全部書き写すこと」ではありません。
自分が次に何をする必要があるのかを明確にします。
研修や会議のメモを「次の行動」につなげるという考え方も、元記事の実践として有効だ。(応援の空)

12.仕事を抱え込みすぎない

若手教師は、仕事を頼まれると断りにくいものです。
「経験になるから」
「若いうちにやっておいた方がいい」
「誰かがやらないといけない」
そう言われれば、引き受けた方がよいと思います。
実際、新しい仕事を経験することで成長できることもあります。
私も、若手の時期にはさまざまな仕事を経験することに大きな意味があると考えます。
しかし、だからといって、若手教師が何でも引き受ける必要はありません。
授業準備ができない。
生徒対応の時間がなくなる。
毎日遅くまで働かなければ終わらない。
体調を崩し始めている。
それでも仕事を増やし続けるのは適切ではありません。
特に「若いから」「新しく来たから」「断りにくいから」という理由だけで仕事が集中していないかは、組織側も考える必要があります。
元記事「はっきりと断ればいい」でも、経験年数の少ない教師や新転任者が、断りにくさから負担を引き受けやすいという問題意識が示されている。(応援の空)
仕事を引き受けることと、際限なく抱え込むことは違います。

13.必要なときは断る

断ることは、仕事をしないことではありません。
「今の状況では引き受けることが難しい」と伝えることです。
例えば、
「今週は成績処理があるため、今日中にはできません。来週月曜日までならできます」
「この仕事を引き受けると、現在担当している○○が間に合わなくなります。どちらを優先すべきでしょうか」
と伝えれば、単なる拒否ではなく調整になります。
断るときに大切なのは、
相手を攻撃しない。
感情的にならない。
できない理由を簡潔に伝える。
代替案があれば示す。
ことです。
一方で、「若手だから何でも断る」という方向にも行かないようにします。
仕事を経験することによって初めて身につく力があります。
少し背伸びをして引き受けた仕事によって、大きく成長することもあります。
「経験のために引き受ける仕事」と「自分を消耗させるだけの仕事」を見分けていきます。

14.忙しいときほど優先順位をつける

忙しくなると、目の前にある簡単な仕事から片付けたくなります。
メールを返す。
机を整理する。
資料を印刷する。
それ自体は悪くありません。
しかし、その間に本当に重要な仕事が後回しになることがあります。
学校で優先順位を考えるとき、まず安全を考えます。
次に、今日対応しなければならない生徒や保護者のこと。
期限のある仕事。
他の人が待っている仕事。
授業準備。
そのように整理します。
「全部大切だから全部やる」では、優先順位をつけたことになりません。
忙しいときほど、
今日は何をしないのか。
どこまでで終えるのか。
何を明日に回すのか。
を決めます。
そして、忙しいときほど削ってはいけないものもあります。
生徒の安全確認。
必要な報告。
授業準備。
睡眠。
忙しさを理由に、大切なものまで削らないことです。

15.同じ仕事を毎回ゼロから始めない

学校には、毎年ほぼ同じ時期に繰り返す仕事が多くあります。
4月の学級開き。
保護者会。
定期テスト。
体育大会。
校外学習。
三者面談。
成績処理。
年度末。
一度経験した仕事は、翌年の自分への資料を残します。
例えば行事担当なら、
今年使った資料。
実際のスケジュール。
準備を始めた時期。
うまくいかなかったこと。
次年度は早めた方がよいこと。
関係者の連絡先。
などを整理します。
「来年の自分がこれを見れば、すぐ始められる」という状態にします。
仕事ができる人は、毎回ものすごい速さで作業しているとは限りません。
過去に一度考えたことを、二度考えなくて済む仕組みをつくっています。
同じ仕事を毎年ゼロから始めないだけで、仕事量はかなり変わります。

16.記録を残す

教師の仕事には、記録しておくべきことが多くあります。
会議で決まったこと。
生徒から聞いたこと。
保護者へ連絡した内容。
対応した日時。
提出した資料。
引継ぎ事項。
「覚えているから大丈夫」と思っていても、時間がたつと記憶は曖昧になります。
特に、生徒指導や保護者対応では、
事実。
自分の推測。
誰から聞いた情報なのか。
いつ確認したのか。
を分けて記録することが重要です。
また、自分の仕事についても簡単な記録を残します。
「来年度はここを変える」
という一行だけでも構いません。
記録は過去を保存するためだけではありません。
未来の仕事を楽にするための道具でもあります。

17.他の教師の授業を見る

若手教師が成長するために、他の教師の授業を見ることには大きな価値があります。
ただし、「有名な先生」「授業のうまい先生」だけを見る必要はありません。
隣のクラスの先生。
同じ教科の先生。
違う教科の先生。
若手同士。
さまざまな授業から学べます。
見るポイントも一つに絞るとよいと思います。
今日は発問を見る。
今日は板書を見る。
今日は教師の立ち位置を見る。
今日は生徒への声かけを見る。
すべてを見ようとすると、結局何も見えなくなります。
そして、授業を見た後に、
「自分なら明日何を取り入れるか」
を一つ決めます。
他人の授業を批評するためではなく、自分の授業を改善するために見ることが大切です。

18.優れた実践をそのまま真似しすぎない

最初は真似から始めて構いません。
むしろ、何も知らない段階で完全なオリジナルをつくろうとするより、優れた実践を学ぶ方が近道です。
ただし、「方法」だけを切り取って真似すると、うまくいかないことがあります。
その教師だからできる話し方。
その教科だからできる活動。
その学級だから成立しているルール。
長い時間をかけて築いた生徒との関係。
背景にあるものが違うからです。
「この先生は何をしていたか」
だけでなく、
「なぜ、この方法を使っていたのか」
まで考えます。
そして、
自分の性格。
自分の教科。
自分の生徒。
自分の学校。
に合わせて変えます。
真似る。
試す。
合わなければ変える。
その繰り返しから、自分の実践がつくられていきます。

19.「学び方」を身につける

教師になった後も研修は続きます。
しかし、研修へ参加した回数と、教師としての成長がそのまま比例するわけではありません。
本を読む。
研修へ行く。
授業を見る。
先輩に教えてもらう。
それだけで終わると、知識が増えただけになります。
学んだことを一度使います。
授業で試す。
学級で試す。
仕事の仕方を変える。
その結果を振り返ります。
うまくいかなければ修正します。
学ぶ→試す→振り返る→修正する
という循環を身につけます。
研修のメモも、
「勉強になった」
ではなく、
「明日の授業で○○をする」
まで落とし込むと、学びが行動へ変わります。元記事にも、研修メモを具体的なToDoに変換する実践が示されている。(応援の空)

20.自分の強みを一つつくる

若手教師は、自分のできないところばかりが見えます。
授業はあの先生の方がうまい。
生徒指導はこの先生の方ができる。
ICTなら別の先生の方が詳しい。
比べ始めれば、きりがありません。
そこで、弱点をなくすことだけではなく、「自分の強みをつくる」という視点ももちます。
教科指導。
ICT。
特別支援教育。
教材づくり。
文章。
生徒会。
行事。
データ分析。
何でも構いません。
「この分野なら、少し自分に聞いてもらえる」
というものを一つつくります。
一つの分野を深く学ぶと、そこから他の分野へつながることがあります。
そして、強みは独占しません。
資料を共有する。
後輩へ教える。
校内研修で紹介する。
自分の強みが周囲の力にもなれば、さらに価値が高まります。

21.失敗を隠さない

教師になれば、必ず失敗します。
授業がうまくいかなかった。
連絡を忘れた。
資料を間違えた。
判断を誤った。
生徒への言葉が適切ではなかった。
問題は、「失敗したこと」だけではありません。
失敗した後にどうするかです。
隠す。
言い訳する。
他人の責任にする。
その場だけ取り繕う。
これでは、同じことを繰り返します。
事実を認める。
必要なら謝る。
必要な人へ報告する。
原因を考える。
次に同じことが起きない仕組みをつくる。
そこまでが失敗への対応です。
失敗を恐れすぎると、新しいことに挑戦できなくなります。
一方、失敗を軽く考えてもいけません。
「失敗してもいい」と「失敗から学ばなくていい」は全く違います。

22.長期休業を振り返りと準備に使う

夏休みや冬休みは、普段とは仕事のリズムが変わります。
授業がある時期にはできなかったことをする貴重な時間です。
1学期の授業を振り返る。
教材を整理する。
アンケートを見る。
データを整理する。
2学期の準備をする。
机やファイルを整理する。
読みたかった本を読む。
研修へ行く。
普段話せない先生と話す。
そして、休む。
ここで大切なのは、長期休業を「たまっている仕事を全部する期間」にしないことです。
仕事は探せば無限にあります。
授業が始まったときに、
「あの夏休みに少し準備しておいてよかった」
と思えることを優先します。
同時に、心と体を休ませます。
次の学期に力を発揮するための休養も、長期休業の大切な役割です。

23.疲れている自分に気づく

疲労は、突然限界になるとは限りません。
少しずつたまります。
それが怖いところです。
普段なら気にならない生徒の言葉に腹が立つ。
簡単な仕事なのに時間がかかる。
忘れ物が増える。
ミスが続く。
休日も仕事のことばかり考える。
眠っても疲れが取れない。
このような変化があれば、自分の状態を一度見ます。
教師は、生徒の変化には気づこうとします。
しかし、自分自身の変化には鈍感になりがちです。
「自分だけは大丈夫」と考えないことです。
元記事「疲れに気づく体調管理」も、「知らないうちに疲れはたまる」という問題意識から始まっている。(応援の空)
仕事量を減らす。
誰かに相談する。
早く帰る。
休む。
必要であれば医療機関等につながる。
体調管理を「根性」の問題にしないことが大切です。

24.仕事以外の生活を守る

教師として成長したいと思うほど、
もっと本を読まなければ。
研修へ行かなければ。
教材研究をしなければ。
休日も学校へ行かなければ。
と思うことがあります。
しかし、教師という役割だけで人生を埋め尽くさない方がよいと思います。
家族との時間。
友人との時間。
趣味。
旅行。
スポーツ。
映画。
音楽。
読書。
料理。
何でも構いません。
教育と直接関係のない経験が、後から教師としての幅につながることもあります。
何より、教師も一人の生活者です。
仕事のために生活があるのではありません。
長く教師を続けるためにも、仕事以外の自分を大切にします。
若手の時期に「毎日遅くまで学校にいること」を仕事への熱意と結びつけすぎないことも重要です。
早く出勤することや遅くまで残ること自体が、教師としての力量を示すわけではありません。
必要な準備を行い、勤務時間の中でできる仕事を進め、生活を守る働き方を少しずつ身につけます。

25.5年後にどんな教師になりたいか考える

若手教師の毎日は忙しいものです。
今日の授業。
明日のプリント。
目の前の生徒対応。
提出期限。
それだけで一日が終わります。
だからこそ、ときどき少し遠くを見ます。
5年後、どんな授業をしていたいか。
どんな生徒との関係をつくりたいか。
何を得意分野にしたいか。
どのような仕事を経験してみたいか。
学年主任や教務主任などに興味はあるか。
管理職という道をいつか考えるのか。
あるいは、教科や特別支援など専門性を深めたいのか。
今、答えを決める必要はありません。
キャリアは途中で変わります。
家庭環境も変わります。
学校も変わります。
自分の考えも変わります。
それで構いません。
しかし、自分のキャリアについて一度も考えず、そのとき頼まれた仕事だけを続けていると、気がついたときに「自分は何をしたかったのだろう」となることがあります。
最初の5年間は、教師人生の完成期ではありません。
土台をつくる時期です。
授業する。
生徒を見る。
相談する。
報告する。
締切を守る。
他の教師から学ぶ。
失敗を振り返る。
自分の強みをつくる。
そして、自分の生活も大切にする。
この基本を身につけておけば、その後、どのような立場になっても役に立ちます。
早く完成した教師になろうとしなくて構いません。
そもそも、教師に完成はありません。
経験年数を重ねても、毎年出会う生徒は違います。
学校も変わります。
社会も変わります。
教育も変わります。
「自分はもう分かっている」と思ったところから、成長は止まり始めます。
分からないことを確認できること。
新しい考えを学べること。
自分の実践を振り返れること。
必要なら今までの方法を変えられること。
そして、周囲の人と協力できること。
そのような学び方を最初の5年間で身につけることが、その後の長い教師生活を支える土台になります。

関連記事

・中学校教師の授業力を高める30のTips
・中学校の学級経営を安定させる25のTips
・生徒との関係をつくる教師の言葉・対応30のTips
・伸びる先生の10の特徴
・問題が小さい段階でどう対応するか
※それぞれ既存記事への内部リンクを設定する。

参考資料

・文部科学省「生徒指導提要(令和4年12月)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1404008_00001.htm
・文部科学省「教員研修」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kenshu/
・文部科学省「学校における働き方改革」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/hatarakikata/

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