多くの真面目な生徒が、褒められることなく1週間を終えています。
1週間、約30時間の授業を受けて、1度も褒められない・・・。
これは、大きな問題です。
褒められていない生徒を見つけ出し、その生徒を褒めるためのシステムを学年あるいは学校でつくらなければなりません。
「褒めること」が重要なことは言うまでもありません。
中学校の先生なら、そこから一歩先へと進めてほしいのです。
1.褒められていない生徒がいることに意識を向ける
「褒めること」が重要なことは言うまでもありません。
今回は、そのことを記事にするつもりはありません。
中学校の先生なら、そこから一歩先へ進め、
「褒められる側の生徒が、実際にどれだけ褒められているのか」
という視点をもってほしいのです。
以前に勤務していた中学校で、ある先生に聞きました。
「先生、授業で今一番大切にしていることは何ですか」
「はい、褒めまくることです」
「今日の授業でもたくさん褒めたのですか?」
「はい、メッチャ褒めました」
「それは、素晴らしい心がけですね。生徒も先生に褒められたら嬉しかったでしょう。では、今日、●組で先生が褒めた生徒は誰ですか」
「えーっと・・・、ちょっと待ってください・・・。正確には・・・。」
「では、だいたいでいいので、名簿に丸印をしてもらっていいですか?」
「あ、分かりました。」
という流れで、この先生が印をつけた人数は、39人中14人でした。
よく褒めているほうだと思います。
問題は、褒められていない25人に対して今後どのように対応するか
なのです。
2.褒められる生徒は褒められる。褒められない生徒は褒められない。
上記のような「よく褒める先生」が6時間連続であれば、「多くの生徒」が褒められることになるでしょう。
しかし、です。
それでも、「この日、1回も褒められていない生徒」がいます。
それも1人や2人ではありません。
一度、校長先生には内緒で、簡単なアンケートを取ったことがあります。
6時間目の教科の授業で「今日、1~5時間目で、どの先生かに褒められましたか。褒められたならその回数、褒められていないのなら×印をつけてください」
という内容です。
アンケートの結果は・・・、衝撃的なものでした。
4回・・・5人
3回・・・3人
2回・・・5人
1回・・・6人
0回・・・23人
でした。
5時間授業を受けて、一度も褒められていない生徒が23人もいるのです。
逆に3回以上褒められた生徒は、8人もいるのです。
「褒められる生徒は褒められる。褒められない生徒は褒められない」
のです。
これは大問題です。
3.褒められていない生徒を見つけ出し、その生徒を褒めるためのシステムを学年あるいは学校でつくる
この問題を解決するために、次の記事を以前書きました。
1日に何回生徒が褒められているかを数えたことがありますか
いつもなら「よろしければ読んでください」と書いていますが、今回は「できるなら読んでもらいたい記事」です。
ポイントは、
「褒められていない生徒を見つけ出し、その生徒を褒めるためのシステムを学年あるいは学校でつくること」
です。
これは一人の先生が「たくさん褒めること」で解決される問題ではありません。
中学校教師が、組織的に動かなければできないことなのです。
この記事に書いてあるアンケートをやってみたら分かります。
「多くの真面目な目立たない生徒が、褒められることなく1週間を終えている」
ことを。
金曜日終了後、そのアンケートを見ました。
褒められていない生徒の名前を見て、涙した記憶があります。
「○○さん、褒められていなかったんや・・・」
それでも、授業を真面目に受けているのですから。
生徒はよく頑張っていますよ。
「1日に何回生徒が褒められているかを数えたことがありますか」の通りのアンケートをする必要はありませんが、すべての生徒が褒めれるよう、動いてほしいと思います。