新しいことをやるのかやらないのか?中学校教師の判断基準

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1.ある中学校での課題

<最近よく聞く中学校での課題>
(いい意味でも悪い意味でも)○○主事、首席、○○主任、主幹(多くは、30代後半~40代)がどんどん新しい提案をする。
内容は素晴らしいし、やってみたいのだけど・・・。
今の段階でこれ以上、新しいことをするのはちょっとしんどいかな・・・。
でも、言っていることは正しいんだけど・・・。
やった方がいいのか、やらない方がいいのか、分からない・・・???

こんなこと、思ったことはないでしょうか。
○○主事、首席、○○主任、主幹などの先生は、どんどん新しいことをしたがるのです。
○○学習、○○運動、○○週間、○○研究、○○大会、○○研究校に指定された、などなどなどなどなど・・・・・。
やるかやらないか(賛成するか賛成しないか)の新判断基準です。
少し辛口に書きます。
「どんどん新しいことをしたがる教師」、そのような教師の思考パターンの多くは、「昭和」です。
今の「30代後半~40代の○○主事、首席、○○主任、主幹などの先生」と書いたのは、そういう理由からです。
さて、昭和型教師(旧型教師)のやるやらないの判断のNG思考を2つあげます。

<昭和型教師(旧型教師)のNG思考>
・「やるやらないか」=「正しいか正しくないか」
・「やるやらないか」=「生徒のためになるかならないか」

完全に、「昭和」ですね。
これを難しい顔をして、真剣に語っているようでは末期症状です。

2.やることが雪だるま式に増える「悪循環思考」

もし、判断基準としてこの2つの優先順序が高ければ、すべて「やる」の選択になってしまいませんか?
例えば、
朝学習や放課後学習をあらたに提案する

「正しいし、生徒のためになる」、だからする

その結果、教師の仕事はどんどん増えていく

よくあることです。
このような教師は自分で自分の首を絞めているのです。
(※朝学習や放課後学習が悪いと言っているわけではありません。後述します。)
ってか、「正しくて生徒のためになる」なんて当たり前でしょう。
提案する理由は他にあります。

これも結構やっかいですが、「力を示したいから」です。
もう教師を10年以上もやっていれば、新しい提案をするくらいの余裕はあるでしょう。
判断する力(意思決定能力)がとてもPOORなのです。
「反対ではないのですが、これ以上は仕事を増やすのはしんどいです。」という控えめの反対意見に対して、
「生徒のために、よろしくお願いします」
バカか!お前は!と言いたくなります。
生徒のためになんて当たり前でしょう。
そのために、自分の時間をどう使っていくのか?ということが焦点になるべきなのですが、本を読まない教師、時代錯誤の教師はこのような思考パターンに陥ります。
ホント、昭和型です。

3.これからの判断基準の在り方

ではどのように判断すればいいのか?
新時代の判断基準は、これです。

提案を聞いた瞬間ワクワクしたか?
仮にそれをしたとして時間はどのくらいかかるのか?

<聞いた瞬間ワクワクしたか?>
今からやろうとしていることに対して、なぜか分からないけど、感覚的に、
「それ、面白そう!!!」
となる状態です。
難しく考えすぎずに、このような感性を大事にしてほしいのです。
中学校教師の何が素晴らしいかって、「感性を大事にできる仕事だから」です。
春野はそう思っています。

<時間はどのくらいかかるのか?>

精神論型教師は、特に時間マネジメント能力に欠けています
「生徒のために」もそうですよね。
だから、新しい提案をした先生に対して、例えば次のような質問をしてみましょう。
私:「(賛成している振りをして)実際にその案は素晴らしいんだと思いますが、仮にそれをやったとして、一人の先生が、1週間に何分取られることになりますか?」
こんな初歩的な質問に即答できないようであれば、時間マネジメント能力ゼロ教師と言えます。
それでも、しどろもどろに、
提案者:「20分程度です。」
と答えたとします。
次の質問を笑顔で堂々と続けます。
私:「その20分を減らすための提案はありますか。」
そしたら、多くは次のように答えるでしょう。
提案者:「ないのですが、生徒のために、お願いしたいのです。」
こんなことを言い出したら、次のように質問します。
以下、議論を続けます。
私:「20分、遅く帰るということですか?」
提案者:「切り詰めてお願いしたいのです。」
私:「今の私が切り詰めていないということですか。」
提案者:「そういうことではありません。」
私:「では、どういうことですか。私は反対と言っているわけではありません。20分時間短縮できることがセットになった提案なら賛成です。」
的な、感じです。

「新しいことをする」わけですから、「古いこと」を出しおておかないと、入るわけがないのです。
「満腹だけど、ケーキは別腹」のようにはなりません。
こんな感覚、こんな視点が中学校教師には必要です。
「やらない勇気」とも表現することがあります。

2020年、東京オリンピックが開催される頃、皆さんが素晴らしい(中学校教師)人生を送っておられることを祈念しております。

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