1.後輩の先生の発言
卒業式準備期間での13年目の先生の話です。
数学科のA先生としましょう。
とにかくその先生は、担当の先生が複数いても、自分で何でもやろうとします。
同じ担当をしている後輩の先生が見かねて、
「何をすればいいですか?」
「手伝いましょうか?」
と何度言っても、A先生は「大丈夫」と言って、一人でやりきろうとします。
卒業式前日も、3年生担任にも関わらず、遅い時間まで一人で残って作業をしているのです。
そして、そのまま卒業式が終わります。
その日の学年の打ち上げで、後輩の先生が遠慮がちに次のように言います。
「もっと仕事を割り振ってもらいたかった。一緒にやって、仕事を覚えたかったと思っています。」
それを聞いた(自分のことをできると思っている)16年目の先生が、
「力がないから、仕方がない。できないから、仕方がない。A先生一人でやった方が早く終わる。」
と言い返します。
悲しすぎますね。
後輩教師が打ち上げで気持ちを言ってくれたのにもかかわらず、それを受け入れなかった
のです。
ゲームセットです。
私の感覚では、
「そんな思いで仕事をしてくれていたんですね。ごめんなさいね。気づいてあげられなくて。次から仕事を覚えてもらえるように考えます。いいにくいのに言ってくれたんですね。」
くらいが通常です。
その打ち上げで、経験の少ない先生数人が「13年目、16年目の先生には何を言っても無駄なんだ」と確信した瞬間でした。
経験の少ない先生と、2校目、3校目の先生では、力の差があるのは当たり前です。
2.経験の少ない先生ができることを増やしていく
そういう前提で、
「経験の豊富な先生が指導して、経験の少ない先生ができることを増やしていく」
そんな姿勢が必要です。
それをうまくできないからと言って、後輩教師の責任にするのは筋が違います。
卒業式直前にもなって「人に仕事を任せられない」という状況は、尋常ではありません。
後輩教師が仕事を覚えたいのに、「任せない」というのは、指導の放棄です。
「周りの先生が少しでも仕事が減って楽になるようにするため」
「自分がすることで、周りの先生が喜んでくれる」
こんな考えがひょっとしたらあるかもしれません。
それも理解できますが、13年も教師をして、ペアを組んでいる先生が共に仕事をやりたいと言っているのに、それができないのです。
感覚がずれているとしかいいようがありません。
3.まとめ
一人で全部やろうとしない。
組織で働くことの意味を知る。