保護者が見たくなる「攻める学年便り」を作成する10の方法|中学校

中学生ともなれば、「学年便りや学級便りのプリント」を保護者に見せなくなります。
保護者の方に「学校からのプリントがあるかどうか子どもに確認してください」というのも、筋が違います。
学年便りを発行する側は「生徒が保護者に見せたくなる内容」、「保護者が見たくなる内容」を意識して作成しましょう。

ブログ記事「中学生でもできる学級レクリエーション、ゲーム、遊びin教室」が本になりました。

楽天はこちら
発売(2022/07)から半年以上経ちますが、Amazon売れ筋ランキング10位以内【学級運営】を継続中です。
教室でできるミニゲームやミニレクを中心とした学級レクリエーションを120個収録しています。
★リクルート進学総研にも寄稿しております。

1.活動写真は、行事の時だけではいけない

生徒の活動写真を入れます。
これは鉄板中の鉄板です。
しかしこれは行事だけの写真ではありません。
日常の風景である「授業の写真」、「テスト中の写真」、「登校写真」、「掃除風景」などを多く掲載します。
ポイントは、日常
なのです。
保護者も普段のようすを見たいはずです。
撮られることで、生徒の「見られている感」が強まります。
美しく印刷されるように、印刷設定を調節します。
配布した瞬間、生徒は自分の写っているシーンを食い入るように探します。
それほど、被写体が自分の学年便りには興味がわくのです。

※生徒の活動写真を入れる際の注意点

ただし、生徒の活動写真を学年便りに入れる時の注意点があります。
中学校によって、「学校ホームページ運用規定」があるはずです(まだなければ、至急に作成してください)。
基本的にその規定に従えばよいでしょう。
一般的には、次のようなルールがあります。
・個人の名前と顔が特定できる写真は掲載しない
・被写体が一人の写真は掲載しない
これを判断する教師は「情報教育が堪能な教師」だけではいけません。
必ず、管理職を含めた複数人で判断しなければなりません。
特に、学校ホームページなどWEB上にアップする場合は特に注意しなければなりません。
かなり昔のことですが、「中学校公式ホームページ」に「個人の名前と顔が特定できる写真」がアップされていました。
しかも、「被写体が女子一人、かなり大きな写真」でした。
私はすぐに当該部署へ連絡し、削除要請をしました。
すぐに画像は削除されました。
アップした教師は、次のように言っていたそうです。
「本人からの了解を得ました。また、保護者もいいと言ってくれました」
まったくの筋違いです。
「WEB上に写真が掲載されることの危険さ」を全く理解していません。
この写真を見た一般人が、校門でこの生徒を見るために待ち伏せでもしたらどうするのでしょうか。
一生ついてまわる問題となるかもしれないのです。
危機管理意識が「0」と言ってもいいでしょう。
学年便りになら話は分かります。
しかし、学校ホームページに掲載するなんてありえません。
一人の勝手な判断で取り返しのつかないことが起こってしまうのです。
さて、次のようなアンケート(写真掲載についての確認書)をする中学校もあるようです。
学校ホームページの写真掲載(承諾します  承諾しません)
学校便りの写真掲載(承諾します  承諾しません)
学年便りの写真掲載(承諾します  承諾しません)
ですが、私はこれを提案したことがありません。
理由は、「それだけ丁寧にできる時間がないから」です。
1枚1枚の写真について、「承諾しません」を希望した生徒のチェックはできないのです。
私が中学校で提案していたのは、4月当初の学年便りに、
「学校HP、学校便り、学年便りに今後生徒の活動写真を掲載します。生徒の安全を守るため、一般の方が見られて、個人の名前と顔が特定できないようにします。どうぞご了承ください。」と掲載するのです。
それでどうしても問題がある保護者や生徒は、何か言ってくるはずです。

ダミー画像

2.学年便りも各記事のネーミングが命

キャッチコピーやネーミングは、「物を売る」ためだけに考えるのものではありません。
中学校教師が、保護者に学年便りを読んでもらう時にも考えることなのです。
例えば、勉強時間などのアンケートを取って結果を学年便りに掲載する場合を考えます。
「勉強時間アンケート結果」
とする場合と、
「5教科合計400点以上を取った生徒の1日勉強時間は・・・?」
では、どちらの方が先を読みたくなるでしょうか。
(この例が教育的にいいのか悪いのかは?ですが・・・)
忙しい保護者でも読んでもらえるよう、ネーミングを工夫してください。
ネーミングについては、
「ネーミング 方法」でも検索できます。

3.一部の生徒に焦点を当ててはいけない

一部の生徒に焦点を当ててはいけません。
よくあるパターンです。
行事の直前にその練習するようすを学年便りに掲載するときがあります。
その時に焦点の当たる生徒が固定されてしまうのです。
例えば、パートリーダー、代議員、体育委員などです。
行事の度に同じ生徒が学年便りの主役になります。
もちろんそれはそれでよいのです。
しかし、それらの行事以外の時に、他の生徒に焦点が当たっていなければなりません。
だから、年間を通してすべての生徒に焦点が当たるように、戦略的に学年便りを発行するのです。

4.中学校公式ブログURLの「QRコード」を掲載する

中学校公式ブログURLの「QRコード」を掲載します。
一回だけではありません。
毎号掲載しておきます。
保護者の方はとても忙しいです。
学年便りをいつでも見られるように「QRコード」を掲載しておくのです。
「QRコード」作成の方法は、「QRコード 作成」で検索すればすぐに作成できます。

(この部分は古い内容です)

5.1週間に1号は発行する

学年便りを学年運営の柱にするならば、1週間に1号は発行したいところです、、、。

実際には難しいですね。あくまで、目標ですので。

1週間1号だと、1年間では、およそ「40号」になります。
ハードルが高いかもしれませんが、挑戦してください。
カレンダー季節行事「学級便り・学年便り」12ヶ月のネタ30選に学年便りを定期的に発行するちょっとしたコツを掲載しています。

6.学年便りを発行した当日に中学校公式ブログにアップする

学年便りを発行した当日に中学校公式ブログにアップします。
形式は中学校で定められている様式でよいでしょう。
感覚的なものですが、一番多いのは、「PDFファイル」形式、次に「jpg」形式でしょうか。
これは情報担当か管理職に相談して決めてください。
また、ブログは、携帯(スマホ)サイトに対応していなければなりません。
保護者がブログをチェックする方法は、パソコンだけではないのです。

7.中学校公式ブログもリンクさせる

学年便りをアップするのとは別に、中学校公式ブログは、無理のないペースで更新します。
作業をマメにやっていると、見てくださる保護者の方も増えていきます。

8.メッセージ性があるものにする

事務連絡的なものだけではいけません。
学年教師が、どのような思いをもって子どもと接しているかを発信するのです。
その思いの根幹となるのが学年教師が決めた学年目標であり学級目標なのです。
生徒と接する時も、「○○の学年目標があるから、今回のあなたのとった行動は△△なんだよ」と振り返らせることができるのです。

9.生徒の作品を多く取り上げる

生徒の作品を多く取り上げます。
例えば次のようなことを記事にします。
各クラスのコンクールの優秀作品や良かった作品
・俳句コンテスト
・年賀状コンテスト
・母の日メッセージ
・七夕の日の願い
・行事の感想文
各教科で特に目立った作品
・美術科と連携 ハロウィンの作品
・国語科と連携 マイ今年の漢字
などです。
詳細は、先に示したカレンダー季節行事「学級便り・学年便り」12ヶ月のネタ30選で記事にしています。

10.有益な情報を盛り込む

例えば、
・家庭学習の習慣をつけるための方法
・平均TV視聴時間アンケート結果
・おすすめテレビ
です。
教育関係のメルマガを購読していれば、掲載したいネタや切り口はたくさん出てきます。
ネタの情報元は、教育情報入手法「メルマガ、雑誌、新聞、Webサイト」20選で記事にしています。

※自分一人で抱え込まないこと

担当だからと言って、自分一人だけで抱え込んではいけません。
あくまで、主担当者は、「学年便りをコーディネートする、デザインする」のです。
保健関係の内容は、養護教諭にお願いするのです。
女性的な視点が必要なネタは、事前に女性に頼んでおくのです。
多くの教師が多面的な視点で学年便りを作成しなければなりません。

タイトルとURLをコピーしました