はっきりと断ればいい。何も怖くはない。

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1.時代は変わった

私は今まで「頼まれた仕事を断ってはいけない」と年配の先生から教わってきました。
また、本などでもよく目にします。
「その仕事をすることで自分が成長する」
「信頼を勝ち取る」
「黙って仕事をコツコツこなす人が一番偉い」
「仕事ができるから、仕事を頼まれている」
「組織だから、誰かが嫌な役を引き受けなければならない」
などの考えからです。
私も「よほどの理由」がない限り、頼まれた仕事や校務分掌は基本的に受けます。
しかし、年に1回程度「よほどの理由」で断る時もあります。
例えば、「バスケ部の顧問が転勤でいなくなり決まらない。卓球部は3人も顧問がいるから、3人のうちで、卓球部の年数の一番少ないA先生でバスケ顧問をもってもらえないか」
という場合です。
こういう時に必ずと言っていいほど犠牲になるのが、「初任者」、「経験年数の少ない先生」、「新転任してきた先生」です。
部活動顧問が決定する職員会議では、針のむしろに座らされる状態になります。
もとからその中学校にいたベテランの先生が「やります」ということはありません。
どうしても顧問を立てなければならないのなら、本来逆の考えをすべきなのです。
先の例で考えると、バスケ部の顧問をすべき教師は、他のクラブ顧問をしている「ベテラン教師」です。
「今まで自分の希望する部活動を顧問してきた、この中学校での経験年数5年以上の先生」から、バスケ部の顧問を選べばよいのです。
「初任者」、「経験年数の少ない先生」、「新転任してきた先生」に白羽の矢が立つのは、とてもおかしな話なのです。
「もとからいた先生が、その空いた顧問にならない」ということは、何か理由があるのです。
その多くの理由は、「負担が大きいから」です。
また、前年度から引き続き同じ顧問をする教師は、ほとんど「我関せず」です。
雰囲気が悪くなる職員会議の場でも、心の中は「僕は(私は)大丈夫」と考えます。
「(自分は今、副顧問だから)自分の今の顧問から変更して、バスケ部顧問になる」という発想がないのです。
立場が悪くなると、「部活動の顧問が途中で変わることは、生徒にとってよくない」と主張する始末です。
本当に悪しき文化です。
最後には、真面目で責任感の強く、人がよく断りきれない先生に負担がかかってしまうのです。
強い憤りを感じます。
そのような責任感の強い先生は、「抱え込みすぎる」状態になります。
仕事だけはなく、他の校務分掌、育児、介護、家事なども加わってくると・・・。
想像するだけで、恐ろしくなります。
そのような状態では100%の力を発揮することができなくなります。
その結果、肝心要の「授業」「学級経営」の質が低下します。
生徒指導などが増え、ますます悪循環です。
私も以前、抱え込みすぎていた時があります。
「授業」「学級経営」はおろそかになっていました。
その裏で家族にも相当の負担をかけていたことに気づいたのは、しばらく経ってからのことでした。
もしも、止むを得ず引き受けてしまったのなら、少なくとも「代わりの利益になること」を要望してください。
例えば、先の部活動の例なら、「土日は別の教師が担当する(あるいは、土日を部活動なしにする。その交渉を他の教師や管理職に任せる)」「保護者からの窓口は別の先生にする」「校務分掌を1つ減らしてもらう」などです。
今はクラブのことだけを書きましたが、他にも「校務分掌を何にするのか」「研究発表を誰にするのか」なども同様のことが言えます。
繰り返し言います。

「ピンとこないこと」・「抱え込みすぎている時に頼まれたこと」・「不利益しかないこと」は、「きっぱりとすぐに断る」

人間関係が悪化するかもしれません。
しかし、あなたがその仕事を受け入れて、1年あるいはそれ以上降り注ぐ不利益に比べれば、微々たるものです。
あなただけが、不利益を被る必要などありません。
周りからのプレッシャーに押しつぶされてはいけません。
「すぐに」断るのです。
すぐに断る方が、相手のダメージも少なくなります。
相手の期待も大きくならなくてすみます。
はっきりと断ればいいと思います。
顧問がいない場合の措置(廃部等)のルールも決まっているはずです。

2.断らない場合

断らずに挑戦することもあります。
「ピンとくること」・「余裕があるとき時に頼まれたこと」・「利益があること」については、挑戦してもよいでしょう。
「利益があること」というのは、「自分が成長できること」です。
私は、「授業力がアップすること」「ICTに関係すること」であれば、断らずに引き受けてきました。
その部分では、他人には負けたくなかったからです。
成長したかったからです。
すべてを断っていたら、自分に自信もなくなるからです。

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