2学期の始業式に生徒が欠席したらやっておくこと

「始業式の日に生徒が休んだ。でも、生活リズムが戻らず起きられなかっただけと親から連絡があったから、大したことはないだろう」
この認識は間違っています。

「2学期の始業式の日に学校を休む」
よほどの理由がない限り、電話連絡だけでは済まさず、家庭訪問すべきケースです。
理由は、「魔の9月」だからです。
不登校問題は、一筋縄ではいかない問題です。
現場に配布される資料も多くあります。
調べれば調べるほど、奥深い問題であることが分かります。
ここでは、2学期の始業式の日に生徒が休んだ場合の短期的な指導に焦点を当てて考えます。

また、下記の記事に加えて、関係省庁からパブリッシュされる記事や不登校関連の書籍を日頃から読んでおくようにしましょう。

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1.不登校の起こりやすい時期を知る

「不登校に関する実態調査」 ~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~(概要版)平成26年7月9日
はもうご存知でしょうか。
読むのに時間がかかる部分もありますが、30分程度で気になる部分は確認してほしいものです。
目次があるので、探しやすくなっています。
この資料中の、
不登校に関する実態調査報告書 第3部 分析編(1)には、次の内容が示されています。
上記資料P71「学校を休みはじめた時期」より抜粋
順に、「学年、4~6月、7~9月、10~12月、1~3月」を表します。

中学校1年生、106、160、102、57
中学校2年生、59、132 、102、42
中学校3年生、54、55、27、9

「中学校1年生の7月~9月」
「中学校2年生の7月~9月」
に突出していることが分かります。
こういうことを知っていれば、
「連絡があったから大丈夫だ」
というようなことにはならないはずです。

2.始業式の日に休んだら

いろいろなやり方がありますが、私ならこの時期に休んだら、「アポなし」の家庭訪問をします。
「電話して今から行きます」だと、保護者が生徒に「来てもらわなくていい」と押し切られる可能性があります。
家庭訪問で運よく生徒に会えたら、生徒の様子を集中度を最高にして観察します。
ただし、会話は軽い内容にします。
突然の家庭訪問をして、雰囲気が悪くなって、生徒の状態が悪くなるようでは、保護者の支援にもなりません。
夏休みの生活、連絡事項等を楽しく話したら、帰ります。
これもよほどの理由がない限り、長居してはいけません。
「じゃあ、明日待ってるよ」と帰るのです。
その時の生徒の状態を見て、不登校担当の先生に相談するなりしたらよいのです。

3.始業式の翌日にも学校を休んだら

「身体的な体調では登校できるのにも関わらず、始業式から2日連続で欠席する」
もちろん、十把一絡げにすることはできませんが、これは不登校の入り口であると考えてよいでしょう。
この日に6時間授業があるなら、何とか時間をつくって「授業時間内」に家庭訪問します。
いわゆる「勝負」です。
生徒の人生を左右するかもしれません。
慎重にかつ大胆に動きます。
家庭訪問に行き、生徒に運よく会えたなら、
「今から先生と一緒に学校行こうか」
と明るく元気に声をかけます。
何度もいいますが、特別な事情のある生徒は除きます。
「今から先生と一緒に学校行こうか」と声をかけられない生徒もいます。
その場合は、
「元気にしてるか?顔を見に来たよ(^_^)」
と明るく声をかけてあげたらいいのです。

ポイントは、「どこまでも明るい対応で、焦らずに」です。
これでも来られないのなら、担任だけではなく、チーム(学校体制)での指導が必要です。
・学年主任等に相談する
・学年会議で報告会をする
などはマストでしょう。

4.学年便り、学級通信で掲載したい内容

いわゆる「夏休み明けの9月」です。
「生活リズム」の啓蒙は必要です。
生徒へは、
・スマホ、ゲームを夜遅くまでやらない
・睡眠時間
保護者へは、
・小さな変化を見過ごさない
などをまとめた記事がよいでしょう。
よろしければ、下記の記事をご参考になさってください。
テスト直前に中学校教師が指導すること/睡眠時間・スランプ編
「中学生の睡眠」について必ず読まなければならない資料
少しだけ関係した内容を掲載しています。

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