若い先生は、もっと自由に、もっと大胆に、生徒との会話を楽しんでほしい。
ここ数年、特にそう思います。
1.小さく縮こまって
生徒と話をしない。堂々とすればいい。
先日、ある若い先生を見て、気の毒に思ったことがありました。
ベテランのオッサン先生の視線を気にし過ぎて、小さく縮こまって生徒と会話をしていたからです。
自分の感性を信じて、もっと自由に、もっと大胆に、生徒との会話を楽しめばいいのに、と感じました。
そのようになってしまっている原因の1つは、先輩教師からの「生徒と友達のような関係にならない」「大人との話し方を教える」という指導です。
私はそれを否定しません。
正論です。
しかし、この言葉に影響され過ぎて、生徒と自由に話をできない状態はどうかと思うのです。
2.「若い」という特権を活かす
私が生徒の保護者で若い先生が担任なら、「話し方なんて家でいくらでも指導できるから、お兄さん、お姉さん的な立場で、どんどん話をしてほしい」と思うのです。
友達、好きな人など中学生特有の相談にのってあげてほしい、馬鹿な話をして盛り上がってほしいと思うのです。
「生徒と友達のような関係にならない」先生、「大人との話し方を教える」先生を否定しているわけではありません。
しかし、このような先生ばかりでは、生徒も息苦しいし、楽しくもないでしょう。
「〇〇中学校の先生は、何も分かってくれない」と思われるかもしれません。
本音を話すことともできない生徒も出てくるでしょう。
それこそ、これからの時代のキーワードの1つ「多様性」です。
もっともっと「若い」という特権を活かしてほしいのです。
3.優先する仕事
私は、若い先生が優先する仕事として、
1.授業
2.生徒との会話
の2つに1年間は絞っていいと思っているくらいです。
生徒とできるだけたくさん話して、生徒がどんなことを考えているのか、どんなことを悩んでいるのか、どんな不満をもっているのか、どんなテレビを見ているのか、どんなことを楽しみにしているのか、そんなことを肌で感じてほしいのです。
それは若い時にしかできません。
そのようなことを多くしてきた先生は、数年後「生徒理解の達人」になります。
実際にそのような先生が私の周りにはたくさんいました。
生徒の感性に合せられる能力は、若い先生の方が断然長けています。
それが、生徒指導があった時の問題解決のヒントになることも多くありました。
若い先生が生徒と楽しそうに話しているのをみると、羨ましくさえ思えます。
私は遅くして教師になりましたので、20代の時に、中学生と他愛もない会話をしたことはほとんどありません。
今でも後悔しています。
4.まとめ
最後にもう一度。
若い先生の仕事は、「授業」と「生徒との会話」です。
しっかりこの時間を確保できるように、教師修業を続けてほしいと思います。
どうしても視線が気になってしまう場合は、場所を移して「自由に生徒とお話しタイム」を創ってしまってもいいくらいです。
またベテランの先生には、若い先生が「授業」や「生徒との会話」の時間を確保できるよう、リーダーシップを発揮してほしいと思います。