「教頭先生って、毎日何をしているのですか。」
管理職試験を考えている先生から、この質問を受けることがあります。
既に知っている内容も多いと思いますが、一般的な内容について、おさらいします。
教頭の仕事を一言で言えば、「学校の日常を止めない仕事」です。
子どもたちが登校し、授業が始まり、給食があり、清掃があり、下校する。
この当たり前の一日が、実は多くの調整の上に成り立っています。
教頭は、その裏側で動いています。
表に出ることは少ないかもしれません。
でも、教頭がいなければ学校の日常は簡単に止まってしまいます。
例えば、朝から教職員が急に休むことがあります。
そのとき、誰がその学級を見るのか。
授業はどうするのか。
空き時間の先生にお願いできるのか。
支援が必要な子どもへの対応はどうするのか。
このようなことを短時間で考え、調整しなければなりません。
その判断は、子どもたちの一日に直接関わります。
「児童・生徒が運動場で怪我をした」、そんな場合の対応も教頭が中心となることが多いでしょう。
教職員同士のトラブルも、教頭が対応することになります。
日常のトラブル、例えば、
・ネットワークの調子が悪い
・機械が故障した
・「○○室のカギを開けてほしい」
その他、トラブル、困ったとき、急ぎのとき、苦情、事故等々、
も教頭が対応することが多いでしょう。
また、教頭は学校の「窓口」でもあります。
保護者からの電話。
地域の方からの連絡。
業者とのやり取り。
教育委員会との連絡。
学校には、本当に多くの連絡が入ってきます。
それらを受け止め、必要な人につなぎ、必要な対応を考えていきます。
その意味では、教頭は学校の情報が集まる場所にいるとも言えます。
だから、教頭は気持ちの切り替えがとても大切になります。
朝は施設の不具合に対応し、次の瞬間には保護者の話を聴き、その後すぐに教職員へ連絡をする。
一つ一つの仕事に感情を引きずっていると、次の対応に影響が出てしまいます。
教頭の仕事には、判断力も必要です。
誰か一人の思いだけで学校は動きません。
子ども、保護者、教職員、地域、教育委員会。
それぞれの立場を踏まえながら、学校としてどう進めるかを考える。
その中心に教頭がいます。
職員会議の運営についても同様です。
調整力が必要です。
うまく調整が済んでいないと、批判の声があがり、何も決まらない悪しき会議に終わってしまいます。
本当に心身とも疲弊します。
また、これは観察していても、なかなか分からないことが多いのですが、
校長の力量で業務量は変わります。
校長の力量がなく、教職員の不平や不満が多ければ、その調整のために費やす時間が多くなります。
「校長の指示に従いたくない」と教職員から相談を受けた場合は、気が滅入ることがあります。
教職員の声を軽んじると、信頼を得ることができず、学校運営にも影響します。
それは子どもたちのためにもなりせん。
校長へ「こんな声があったので、対応してもらえませんか」と話して、解決できればいいのですが、大抵の場合、そのような調整で済むことはありません。
また、校長との相性が悪い場合は、
「それくらいのことは、教頭で説明して納得させてもらえないか」
となる場合もあります。
また、さらに調整が難しいケースとして、
校長、教職員、教育委員会、保護者、生徒、各種相談機関
の間の調整をすることもあります。
二者、三者だけではなく、四者、五者、それ以上の調整を求められることになります。
時間を費やせば解決できる量的な問題だけならまだしも、
時間をかけても解決しないような問題も山積みです。
そのようなことが多い学校に着任すると、心身ともに疲労します。
教頭という役職でありながら、校長、保護者、教職員との調整ができずに、休職に追い込まれた教職員も少なからず知っています。
隠さずに言いますが、本当に大変です。
他にも、教育委員会からの照会も重要な業務です。
知っている方も多いと思いますが、教育委員会から毎日山のような通知がきます。
・教職員へ周知するもの
・保護者へ周知するもの
・教職員に依頼をするもの
・安全点検など、学校として必ず実施義務がある行事のスケジューリングするもの
・各種調査(全国学力学習状況調査、進路状況調査、運動能力調査、等々)
これをMICE的に処理しています。
管理職試験を受けようか迷っている先生には、ぜひ一度、教頭先生の一日をよく見てほしいと思います。
どのタイミングで電話を受けているのか。
どのタイミングで教職員に声を掛けているのか。
どのタイミングで校内を回っているのか。
校長との連携はうまくいっているのか。
校長室にどのくらい行っているのか。
パソコンに向かっているときは何をしているのか。
そこには、見えにくい学校運営の仕事がたくさんあります。
教頭の仕事は、大変です。
それは間違いありません。
でも、大変なだけではありません。
学校の日常を支えているという実感があります。
教職員が安心して授業に向かえるようにする。
子どもたちがいつも通り学校生活を送れるようにする。
そのために動く仕事です。
管理職を考えるとき、まずは校長の姿よりも、教頭の姿をじっくり見ることから始めてもいいのかもしれません。
教頭の仕事を知ることは、管理職の現実を知ることにつながります。
そして、その現実を知った上で、自分はこの道を進むのかを考えてほしいと思います。
いろいろ書きましたが、総じて、「マイナス」の情報が多くなってしまいました。
ここには記載していませんが、それをカバーするような「プラス」のこと(モチベーション的な内容ですが)も多くあります。
その内容については、今後のブログで伝えていこうと思います。