教員の仕事を効率化する環境設計~文房具・ファイル管理・校務DXの基本~

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学校の仕事を少しでも早く終わらせるために、便利な文房具を買う。
パソコンのショートカットキーを覚える。
机の上を片づける。
ファイルを細かく分類する。
どれも、役に立つことがあります。
私も、これまでさまざまな方法を試してきました。
文房具をそろえる。
紙の資料をスキャンする。
デスクトップに分類用のフォルダをつくる。
仕事の時間を記録する。
やらないことを決める。
仕事の速い先生の方法を観察する。
一つ一つの工夫によって、仕事が進みやすくなった経験があります。
しかし、現在は、
「個人が便利な道具を使えば、教員の仕事は効率化できる」
とは考えていません。
教員の仕事が遅くなる原因には、個人の作業方法だけでは解決できないものが多くあるからです。
同じ内容を、複数の書類やシステムへ入力する。
紙で提出した後、同じ情報をデータでも提出する。
共有フォルダのどこに資料があるのか分からない。
ファイル名が統一されておらず、最新版を見つけられない。
会議で決まった内容が、口頭でしか共有されていない。
校務用端末でなければ作業できず、端末が空くまで待つ。
個人の机や端末だけに資料が保存され、担当者が不在になると仕事が止まる。
このような問題は、個人が高性能な文房具を買っても解決しません。
仕事を効率化するために必要なのは、
一人の教員が速く作業することだけではありません。
誰が担当しても、必要な情報へたどり着ける。
同じ情報を何度も入力しない。
途中の状態が分かる。
担当者が不在でも、仕事が止まらない。
安全な方法で情報を共有できる。
不要になった仕事をやめられる。
そのような環境をつくることです。

効率化は、仕事を急いで行うことではない

仕事の効率化というと、
「速く入力する」
「手を止めずに作業する」
「空いている時間を全て仕事に使う」
という姿を想像することがあります。
しかし、作業速度を上げるだけでは限界があります。
十枚の文書を速く印刷できるようになっても、その文書自体が必要でなければ、本当の改善にはなりません。
同じ内容を二つの表へ入力する仕事を半分の時間で行うより、入力を一回にする方が大きな改善です。
会議資料を美しく作るより、会議資料を簡潔にし、事前共有する方が有効な場合があります。
効率化では、次の順序が大切です。
その仕事は必要か。
回数を減らせないか。
誰かと重複していないか。
仕組みを変えられないか。
デジタルで共有できないか。
それでも必要な仕事を、最後に速く行う。
いきなり作業速度を上げるのではありません。
まず、仕事そのものを見直します。

個人で変えられることと、組織で変えることを分ける

教員の仕事術を扱うときに注意したいのは、働き方の問題を個人の能力不足にしないことです。
書類の提出先が複数ある。
システム間でデータが連携していない。
学校へ届く通知や調査が多い。
会議や行事が整理されていない。
人員が不足している。
このような問題は、一人の教員が机を整理しても解決しません。
文部科学省は、学校の働き方改革について、校務DX、業務の適正化、支援スタッフとの協働、学校へ求める調査や周知の負担軽減など、学校や教育委員会を含めた組織的な取組を示しています。個人の仕事術だけで対応するものではありません。
一方で、個人でも変えられることがあります。
机の上へ、必要以上の物を置かない。
仕事の入口を一つにする。
ファイル名を分かりやすくする。
提出期限を、その場で予定へ入れる。
使わない文房具を増やさない。
作成した資料を、自分だけの端末へ残さない。
個人で変えられる部分から始めながら、組織でなければ変えられない問題は、管理職や担当者へ提案します。

まず「探す時間」を減らす

仕事が進まない原因の一つは、何かを探している時間です。
あの文書は、どのフォルダに入れただろう。
去年の行事計画は、誰が持っているのだろう。
最新版は、どのファイルだろう。
会議で決まったことは、どこに書いてあっただろう。
印鑑は、どこへ置いただろう。
探すこと自体は、仕事の成果を生みません。
だから、効率化では、
「どうすれば速く探せるか」
だけでなく、
「どうすれば探さなくて済むか」
を考えます。
毎回置く場所を変えない。
保存先を決める。
ファイル名に必要な言葉を入れる。
同じ資料を複数の場所へ保存しない。
最新版の場所を一つにする。
個人の記憶に頼らず、誰が見ても分かる状態にします。

机の上は、作業中の仕事を見えるようにする

机の上を、何もない状態にすることが目的ではありません。
必要な物が、必要なときに使えることが大切です。
机上に置く物は、現在取り組んでいる仕事と、日常的に使う物に絞ります。
未処理の書類。
処理済みの書類。
返却する書類。
保管する書類。
これらが混ざると、仕事の状態が分からなくなります。
紙の書類を受け取ったら、一か所へ集めます。
机の複数の場所に置かないことです。
そして、
今すぐ処理する。
予定へ入れる。
担当者へ渡す。
正式な場所へ保存する。
規程に従って廃棄する。
のいずれかを決めます。
判断できない書類を机の隅へ置くと、その書類が何度も視界に入り、そのたびに判断をやり直すことになります。
「後で考える」場合も、いつ考えるかを決めます。

文房具は、数ではなく役割で選ぶ

以前、私は「中学校の先生が使う文房具30選」という記事を書きました。
便利な文房具を知ることには意味があります。
使いやすいペンや付箋、のり、ホッチキスによって、作業が少し進みやすくなることがあります。
ただし、文房具は多ければ多いほどよいわけではありません。
種類が増えれば、収納場所が必要になります。
補充や管理にも時間がかかります。
どれを使うか迷うこともあります。
文房具は、商品名ではなく、役割から選びます。
記録するための物。
書類を一時的にまとめる物。
提出や返却の状態を示す物。
掲示物を安全に固定する物。
資料を裁断する物。
承認や確認を示す物。
役割が重複する物を増やしすぎないことです。
毎日使う物は、手を伸ばせば取れる場所へ置きます。
月に一度しか使わない物は、机上へ置く必要はありません。
学校に共用品がある物を、全員が個人で購入する必要もありません。
個人の自費購入を、熱意や仕事力の基準にしないことも大切です。

付箋を仕事の保管場所にしない

付箋は、短いメモや一時的な目印として便利です。
しかし、付箋だけで仕事を管理すると、はがれる、なくなる、期限が分からないという問題が起こります。
生徒や保護者に関する重要な情報を、机上の付箋へ書いたままにすることにも注意が必要です。
付箋へ書いた内容は、できるだけ早く正式な管理場所へ移します。
予定はカレンダーへ。
業務はタスク管理表へ。
生徒に関する情報は、学校が定めた記録へ。
会議で決まったことは、議事録や共有文書へ。
付箋は、情報の最終的な保存場所ではありません。
正式な場所へ移すまでの一時的な道具です。

紙を減らすことと、何でもスキャンすることは違う

以前の記事では、紙の資料をスマートフォンのアプリで撮影し、電子化する方法を紹介していました。
現在は、この方法を一般的な教員の仕事術として勧めることはできません。
学校の文書には、児童生徒、保護者、教職員に関する個人情報が含まれます。
個人所有のスマートフォン。
私的に契約したクラウド。
学校が認めていないスキャンアプリ。
個人のメールアドレス。
このような環境へ学校の情報を保存してはいけません。
文部科学省は、教育現場には児童生徒や保護者の情報を扱うという特性があるため、それを踏まえた情報セキュリティ対策が必要であるとして、教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインを随時改訂しています。実際の取扱いは、所属する自治体と学校の情報セキュリティポリシー、文書管理規程、実施手順に従います。
紙を電子化するときは、
電子化してよい文書か。
原本を保存する必要がないか。
学校が認めた端末や複合機を使っているか。
保存先は正式な場所か。
閲覧できる人の範囲は適切か。
保存期間と廃棄方法は決まっているか。
を確認します。
紙を減らすために、情報管理上の危険を増やしてはいけません。

紙を受け取ったときの四つの判断

紙の書類を受け取ったら、次の四つに分けます。
一つ目は、対応が必要な書類です。
提出、回答、連絡などが必要であれば、期限と行動を予定へ入れます。
二つ目は、正式に保存すべき書類です。
保存期間と保存場所を確認し、学校の規程に従って保管します。
三つ目は、参考資料です。
今後使う可能性があるだけの資料を、何でも保存しないことです。
必要になったときに公式サイトから再取得できる資料なら、文書そのものではなく、出典やURLを記録する方法もあります。
四つ目は、保存する必要のない書類です。
個人情報の有無を確認し、学校の方法に従って廃棄します。
以前の私は、
「紙で残すのは一%」
「九割は捨てる」
といった割合を示していました。
しかし、保存すべき割合は、担当業務や文書の種類によって異なります。
個人の感覚的な割合ではなく、文書の性質と学校の規程で判断する必要があります。

デスクトップを保管場所にしない

パソコンのデスクトップへファイルを置くと、すぐに開けます。
そのため、一時的な作業場所としては便利です。
しかし、デスクトップだけに保存すると、
ほかの教職員が利用できない。
端末が故障すると失われる可能性がある。
異動や担当変更の際に引き継げない。
同じファイルが共有フォルダとデスクトップに存在し、どちらが最新版か分からなくなる。
という問題が起こります。
デスクトップは、長期的な保管場所ではありません。
作業中のファイルを一時的に置く場合も、作業終了後に正式な保存先へ移します。
学校で認められた共有環境や校務支援システムがある場合は、そちらを使用します。
自分だけが分かる状態から、組織で利用できる状態へ変えます。

フォルダを細かく分けすぎない

以前は、教科、学級経営、学年運営、行事、研修など、多くのフォルダをあらかじめ作成する方法を紹介していました。
大まかな分類を決めることには意味があります。
一方で、フォルダを細かく分けすぎると、
どちらに保存するか迷う。
深い階層を何度も開かなければならない。
複数の分類に当てはまる資料を、重複保存する。
担当者ごとに分類方法が異なる。
という問題が起こります。
フォルダ構成は、できるだけ単純にします。
学校全体。
年度。
校務分掌。
行事や業務。
など、組織で共有できる基準を使います。
一人だけが理解できる複雑な分類より、少し大まかでも、誰もが迷わず保存できる方が実用的です。
検索機能も使います。
すべてをフォルダの位置だけで探そうとせず、ファイル名や文書内の言葉から検索できるようにします。

ファイル名を組織の共通言語にする

ファイル名に、
「資料」
「新しい資料」
「修正版」
「最終版」
「最終版2」
と付けても、後から内容が分かりません。
ファイル名には、検索するときに使う言葉を入れます。
たとえば、
20260410_第1回学年会議_議事録
20260520_体育大会_実施要項
20260715_保護者説明会_配付資料
のようにします。
日付。
業務名。
文書の種類。
必要に応じて版。
を入れます。
ただし、個人名やセンシティブな情報を、誰でも見えるファイル名へ安易に入れないことです。
版管理については、
誰が。
いつ。
どの部分を変更したか。
が分かる仕組みを使います。
クラウド上で共同編集や変更履歴を利用できる場合は、同じファイルを何度も複製するより、履歴を活用した方が管理しやすくなります。

共有ファイルは「誰でも編集できる」にしない

共有すれば、仕事が効率化するとは限りません。
必要以上に広い権限を与えると、
誤って削除する。
内容を書き換える。
閲覧する必要のない人が個人情報を見る。
外部へ誤共有する。
という危険があります。
共有するときには、
閲覧だけでよい人。
編集する人。
承認する人。
管理する人。
を分けます。
文部科学省が示す次世代校務DXは、クラウド上での校務、データ利活用・連携、強固なアクセス制御、クラウド型校務支援システムなどを通じて、働き方改革、教育活動の高度化、教育現場のレジリエンス確保を目指すものです。単にファイルをクラウドへ置くだけではありません。
個人の判断で共有範囲を広げず、自治体や学校が定めた環境と手順を使用します。

紙をPDFに変えただけでは校務DXではない

紙で回覧していた文書をPDFにする。
紙のアンケートを、表計算ソフトへ入力する。
押印していた書類を、電子印に変える。
これらによって負担が軽くなる場合があります。
しかし、従来の手順をそのままデジタルへ移しただけでは、作業が残ることがあります。
紙へ記入していた内容を、今度はPDFへ入力する。
メールで届いた添付ファイルを、一人ずつ保存する。
オンラインフォームの回答を、別の表へ転記する。
電子化したことで、かえって操作が増えることもあります。
校務DXでは、
誰が入力するのか。
どこにデータがたまるのか。
別の業務で再利用できないか。
承認の回数は必要か。
同じ情報を再入力していないか。
通知を自動化できないか。
業務の流れそのものを見直します。
文部科学省も、学校と教育委員会が校務DXを進める際に望ましい項目を整理したチェックリストを作成し、自己点検や取組状況の可視化を行っています。校務DXは、一部のICTに詳しい教員だけが行う仕事ではなく、学校と設置者が継続的に点検する組織課題です。

二重入力を見つける

学校では、同じ情報を何度も入力していることがあります。
児童生徒名。
学級。
出欠。
保護者連絡先。
行事参加の有無。
提出状況。
一度入力された情報を、別の資料へ手作業で写しています。
二重入力には、時間がかかります。
入力ミスも起きます。
変更があったときに、一方だけが古い状態になることもあります。
自分の仕事を振り返るときは、
この情報は、すでにどこかへ入力されていないか。
元のデータから自動的に反映できないか。
入力する場所を一つにできないか。
を考えます。
ただし、個人の判断でシステムからデータを取り出し、別のサービスへ移してはいけません。
データ連携は、情報セキュリティと権限管理を含め、教育委員会や管理者の管理下で行います。

会議資料は、作ることより使われることを考える

会議資料を整えることに、多くの時間を使う場合があります。
罫線をそろえる。
文字の大きさを微調整する。
見出しの色を変える。
ページ番号を直す。
見た目の分かりやすさは大切です。
しかし、会議資料の目的は、作品をつくることではありません。
情報を共有し、判断や行動につなげることです。
会議前に読んでもらう資料。
会議中に判断する資料。
会議後に確認する記録。
それぞれを分けます。
既に共有されている情報を、会議で読み上げない。
決めたいことを明確にする。
資料の作成者以外も、後から理解できるようにする。
会議終了後に、決定事項、担当者、期限を一か所へ記録する。
資料作成時間だけでなく、会議に参加する全員の時間を考えます。

ショートカットキーは、小さな改善として使う

コピー、貼り付け、元に戻す、検索、保存などのショートカットキーを覚えると、作業が少し速くなります。
頻繁に行う操作であれば、積み重ねによる効果があります。
一方で、ショートカットキーを多く覚えること自体が目的ではありません。
月に一度しか使わない操作を無理に覚える必要はありません。
毎日何度も行う操作から覚えます。
また、
十秒の操作を五秒にすること。
一時間かかる不要な作業をやめること。
では、後者の方が大きな改善です。
小さな効率化と、業務そのものの見直しを混同しないことです。

予定と仕事の入口を一つにする

予定を、
紙の手帳。
机上の付箋。
パソコンのカレンダー。
メール。
校務支援システム。
頭の中。
に分けていると、確認する場所が増えます。
できる範囲で、予定と仕事の入口をまとめます。
日時が決まっていることは、カレンダーへ。
期限までに行う仕事は、タスク一覧へ。
参考資料は、正式な保存場所へ。
連絡を受けた瞬間に、その情報を適切な場所へ移します。
メールを未読のまま残すことを、仕事の管理方法にしない方がよいと思います。
メールを読んだら、
すぐ処理する。
タスクへ登録する。
予定へ入れる。
担当者へ渡す。
保存する。
のどれかを決めます。

「やらないこと」は個人だけで決められない

NotToDoリストをつくり、やらないことを決める方法には意味があります。
完成度を上げすぎない。
不要な装飾をしない。
同じ資料を何度もつくらない。
目的のない会議を増やさない。
個人でやめられることはあります。
一方で、
保護者対応をしない。
必要な記録を残さない。
安全確認を省略する。
組織で決めた仕事を、個人の判断で行わない。
ということはできません。
やらないことを決める際は、
法令や規程上必要か。
子どもの安全や権利に関わるか。
学校として決めた業務か。
誰かへ負担を移すだけになっていないか。
を確認します。
個人でやめられない仕事に疑問がある場合は、会議や管理職への提案を通して、組織として見直します。

授業中は、授業を行う時間である

以前、私は「授業時間中にできる仕事は授業時間中にする」という記事を書きました。
生徒が課題へ取り組んでいる時間に、提出物を確認する。
学習の様子を見ながら、評価のための記録を取る。
生徒の目の前で作品へコメントする。
これらは、授業や評価の一部として行うことができます。
一方で、生徒が個人作業をしているからといって、教師が別の校務を進めてよいとは限りません。
授業中には、
生徒の理解を見取る。
困っている生徒を支援する。
安全を確保する。
学習状況に応じて指導を調整する。
必要があります。
学級通信を作る。
別の会議資料を作る。
私的なメールを確認する。
授業とは関係のない校務を行う。
そのために、生徒への観察や支援が弱くなれば、本末転倒です。
授業中に行う仕事は、その授業の指導、評価、環境整備に直接関係するものにします。
効率化のために、教育の質や安全を下げてはいけません。

仕事の速い人をまねるときの注意

仕事の速い教員から学ぶことには意味があります。
ファイル名の付け方。
資料の共有方法。
会議前の準備。
仕事を引き受ける基準。
締切までの進め方。
よい方法を尋ね、学校全体で共有できます。
ただし、
早く帰っているから仕事ができる。
遅くまで残っているから効率が悪い。
とは判断できません。
担当業務。
授業時数。
生徒指導。
家庭の事情。
役職。
その日の状況が異なります。
人を評価するために観察するのではなく、方法を学ぶために対話します。
「どうして、そんなに速いのですか」
ではなく、
「この資料は、どのような手順で作っていますか」
と具体的に尋ねます。
優れた個人の方法を、その人だけの技術にせず、使える形にして共有することが組織の改善につながります。

管理職が整えるべき環境

教職員へ、
「もっと効率よく働いてください」
と伝えるだけでは、仕事は減りません。
管理職には、個人の努力では変えられない環境を整える役割があります。
同じ情報を複数回入力していないか。
会議や打合せの目的は明確か。
紙とデータの両方を提出させていないか。
担当者だけが持っている資料はないか。
校内のファイル名や保存場所に共通ルールがあるか。
個人情報を安全に扱える環境があるか。
仕事が特定の人へ集中していないか。
不要になった取組を、毎年続けていないか。
校務DXは、ICT担当者へ任せるだけの仕事ではありません。
学校運営、業務分担、情報管理、働き方を一体的に見直す仕事です。

学校で決めたい最低限の共通ルール

全ての教職員に、同じ細かな整理方法を強制する必要はありません。
紙の手帳が使いやすい人もいます。
デジタルの予定表が使いやすい人もいます。
机の配置にも好みがあります。
個人の方法を、必要以上に統一しなくてよいと思います。
一方で、共有する仕事については共通ルールが必要です。
正式なデータの保存場所。
ファイル名の基本。
最新版の扱い。
閲覧・編集権限。
個人情報を扱う方法。
引継ぎの方法。
廃棄の方法。
ここが個人任せになると、組織の仕事が止まります。
個人の好みを尊重する部分と、組織として統一する部分を分けます。

仕事を効率化する五つの問い

仕事を見直すとき、私は次の五つを確認したいと思います。
一つ目は、
「この仕事は、本当に必要か」
という問いです。
前年度に行ったからという理由だけで続けないことです。
二つ目は、
「同じ情報を、複数回扱っていないか」
という問いです。
入力、印刷、転記、確認の重複を探します。
三つ目は、
「自分が不在でも、仕事が進むか」
という問いです。
資料、判断経過、次の行動を組織で確認できるようにします。
四つ目は、
「情報を安全に扱っているか」
という問いです。
速さや便利さのために、個人情報の管理を弱めないようにします。
五つ目は、
「この改善によって、誰かの負担が増えていないか」
という問いです。
自分の仕事が減っても、事務職員、若手教員、担当者へ仕事を移しただけなら、学校全体の改善にはなりません。

文房具より先に、仕事の流れを整える

使いやすい文房具は、教員の仕事を助けます。
ショートカットキーも役立ちます。
机やデスクトップが整理されていれば、作業を始めやすくなります。
しかし、それだけでは十分ではありません。
必要のない仕事を減らす。
情報の入口をまとめる。
保存場所を決める。
誰でも使える名前を付ける。
同じ情報を二度入力しない。
正式なデータを一つにする。
安全な共有環境を使う。
担当者が替わっても続けられる状態にする。
そこまで考えて、初めて仕事の環境が整います。
教員一人が速く仕事をする学校ではなく、誰かが無理をしなくても仕事が進む学校を目指したいと思います。
仕事を効率化する目的は、さらに多くの仕事を詰め込むことではありません。
子どもと向き合う時間。
授業を考える時間。
同僚と相談する時間。
休む時間。
それらを確保することです。

参考資料

・文部科学省「学校における働き方改革について」
・文部科学省「GIGAスクール構想の下での校務DXチェックリスト」
・文部科学省「次世代校務DX環境の整備」
・文部科学省「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」令和7年3月

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