管理職試験を受けようか迷っている先生から、
「管理職になるメリットは何ですか。」
「デメリットの方が多いのではないですか。」
と聞かれることがあります。
確かに、管理職という仕事には、メリットもあります。
デメリットもあります。
ただ、私は、この二つをあまり切り離して考えない方がよいと思っています。
なぜなら、メリットとデメリットは表裏一体だからです。
ある人にとってはメリットでも、別の人にとってはデメリットになります。
その逆もあります。
結局は、自分が何を大切にしているかによって、見え方が変わるのです。時期によっても、配置される学校によっても、経験年数によっても、ペアとなる校長(教頭)によっても変わります。不変要素ではないように感じます。
例えば、「責任」について。
「責任が重いから管理職は嫌だ。」
そう考える先生もいます。
その気持ちはよく分かります。
実際に、判断に迷うこともあります。
夜眠れないこともあります。
しかし、その責任があるからこそ、学校を変えることができます。
職員室の空気を変えることができます。
教職員が安心して働ける環境をつくることができます。
子どもたちにとって、よりよい学校を目指すことができます。
責任は重い。
でも、その責任があるからできることもあります。
人との関わり方も変わります。
教職員だった頃のように、同僚と何でも話せるわけではありません。
孤独を感じることもあります。
これをデメリットと感じる人もいます。
一方で、学校全体を見ながら、多くの教職員の成長を支えられるようになります。
若い先生が自信を付ける姿を見ることができます。
学校全体が少しずつよい方向へ変わっていく姿を見ることができます。
これは、教諭の頃とは違う喜びです。
つまり、管理職のメリットとデメリットは、紙一重なのです。
見る角度が変われば、メリットにもデメリットにもなります。
だから、「メリットが多いから管理職になる」「デメリットが多いからやめておく」という考え方だけでは、少し足りないように思います。
実際に、管理職になる前はデメリットだと思っていたことが、管理職になってからはメリットに感じることがあります。
逆に、「これは楽しそうだ」と思っていたことが、実際には想像以上に大変だったということもあります。
結局は、経験してみないと分からないことも多いのです。メリットとデメリットにとらわれすぎないことが大切だと思っています。
最後は、「自分は、どのような教師人生を送りたいのか」という問いになります。
学校全体を支える仕事に意味を感じるのか。
教職員を支えることにやりがいを感じるのか。
責任が増えても挑戦してみたいと思うのか。
その答えが、自分の中で少しずつ見えてくれば、それが管理職を考える一番の材料になります。
メリットとデメリットは、決して別々のものではありません。
多くの場合、一つの出来事の表と裏です。
だからこそ、メリットだけを見て期待しすぎる必要もありません。
デメリットだけを見て諦める必要もありません。
管理職になるかどうかを考えるときは、メリットやデメリットを数えるのではなく、その仕事にどのような意味を見いだせるか。
その視点で考えてみると、また違った景色が見えてくるのではないかと思います。