ロジカルシンキングは中学校教師にとっても有効な手段である

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1.ロジカルシンキングとは

ロジカルシンキングとは、文字通り論理的(ロジカル)に考える(シンキング)ことです。
私の記憶では、7、8年前まで書店で目立つ位置におかれていませんでした。
しかし、ベストセラー「効率が10倍アップする新・知的生産術」(勝間和代著、ダイヤモンド社)で紹介される前後から、店頭でも関係する本が置かれるようになりました。
ロジカルシンキングに関する新しい本が日々出版されています。
また、この分野の代表的な本は、「ロジカル・シンキング」(照屋華子・岡田恵子著、 東洋経済新報社)です。
先生の意思決定の方法は、「熱意」(思い、信念とは違う)に重きをおく場 場合があります。
それを否定しているわけではありません。

それも大事なことです。
しかし、それが教師の仕事を複雑にしているときがあります。
職員会議が、いつまでも終わらないときがあるでしょう。
「熱意」が「ロジカルシンキング」の邪魔をしているのです。
「ロジカルシンキング」を身につければ、練り上げられた提案をすることができるのです。
鋭い視点から、会議で発言できるのです。
職員会議がもっと円滑に進むのです。
その結果、生徒とコミュニケーションできる時間が増えるのです。
ロジカルシンキングを全て学ぼうとすると、膨大な時間がかかってしまいます。
ここでは、「入門 考える技術・書く技術 :日本人のロジカルシンキング実践法(山崎康司著、ダイヤモンド社)にある「OPQ分析」という手法を紹介します。
「O」は、「Objectivbe」で、望ましい状況です。
達成すべき目標や改善後の姿です。
「P」は、「Problem]で、問題(現状と望ましい状況とのギャップ)です。
「Q」は、「Question」で、この問題を読んだ時、自然に出てくる疑問です。
そして文字にはありませんが、最後に「A」も考えます。
「A」は、「Answer]で、「Q」に対する答えです。

2.ケーススタディー

次の問題で、具体的に考えます。
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山田先生は、教員生活3年目。
中学生の家庭学習の時間を増やそうと、職員会議で提案しました。
提案内容の骨子は、次の通りです。
・家庭学習時間の目標を、「中1、中2は1時間、中3は1時間30分」に設定する。
・各教科で、宿題を出す。
・テスト2週間前から、計画表を作成する。また、計画表は、保護者にもチェックしてもらう。担任もチェックする。
誰の反対もなく会議は終了しました。
そして、その提案通りに4月からやり始めました。
しかし、5月にアンケートをとってみると、家庭学習時間が増えていませんでした。
今後、山田先生は、どのように進めていけばよいのでしょうか。
山田先生にアドバイスしてください。
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回答例
「O」(望ましい状況)
中学生の家庭学習時間を増やす。
「P」(問題)
家庭学習の時間が増えない。
「Q」(疑問)
・「中1、中2は1時間、中3は1時間30分」という目標設定に無理はないか。
・各教科での宿題の量はどのくらいか。1日6教科、すべての教科で宿題を出すのか。量が多くならないか。生徒にとって複雑にならないか。
・保護者のチェックは本当に有効か。
・担任のチェックの方法はどのようなものか。毎日するのか。
・テスト2週間前からの計画で、習慣づけができるのか。
「A」(答え)
「家庭学習時間を増やすためには、○○をする」という形で答えます。
・目標時間は、個々に設定する。ただし、設定前に実態調査を必ず行い、実現可能な計画にする。
・これに伴い、目標時間を個々に設定するための一覧表を作成する。
現状で勉強時間が「0分」の生徒・・・・「15分」
現状で勉強時間が「30分未満」の生徒・・・「30分」など
・毎日の宿題の量を同じにするために、曜日により宿題を出す教科を決める。また、それは、各クラスの時間割と対応させる。
・宿題の内容は、学力の低い生徒でもできるものとする。例えば、「写し」、「授業中できるようにしたのと同じ問題」。
・保護者のチェックはなくす。ただし、「1学期末の懇談で、どのくらい勉強していたか」を聞く。また、これを学年便り等で、情宣しておく。
・テスト計画表を作成する以前に、普段の勉強計画表を作成する。
まだまだ、足りないでしょう。
さて、これはロジカルシンキングのほんの一部で、他にも多くの思考法があります。
いつかはまとめてみたないなと思う今日この頃です。

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