教科指導中の事故を防ぐために今すぐすべきこと

例えば、次のような事故を防ぐために、事前に何か策を講じているでしょうか?
A理科の授業中、熱していたビーカーが突然割れて、その湯が生徒にかかり火傷をした。
Bのこぎりでの作業中、誤って自分の指を傷つけてしまった。
C美術の筆をふり回し、絵の具が友人の目に入ってしまった。
D指揮棒が準備室から盗まれ、生徒がその指揮棒で遊び、友達を傷つけた。
A~Dはそれぞれ性質の異なる事故です。
予防のための方法も異なります。
また、事故が起こった時のマニュアルはあるでしょうか。
そして、そのマニュアルには、次のことが書かれてあるでしょうか。
・誰が中心になって、問題解決に当たるのか。
・誰が保護者へ連絡するんか。
・応急処置の方法をどのようにするのか。
・誰が保健室に連れていくのか。
・生徒指導主事・学年主任・学年生徒指導・副担任・担任・教科担任の役割は決まっているのか。
・養護教諭はどこまでの問題解決にあたるのか。
これらのことが「あやふや」(責任の所在が不明確)であれば、何か事故が発生した時も、当事者だけが走り回るのです。
その結果、何か「抜け」が出てきて、問題を大きくしてしまうのです。
これが問題なのです。
<目次>
1.教科指導中の事故を防ぐために、教科通信で徹底的に生徒・保護者に伝えること
2.「特定の教科」「特定の時期」に徹底するだけでは、生徒の安全は確保されない
3.文部科学省の「安全」に関する部分を熟読する
4.事故が起こる原因を知る
5.事故が起こりやすい時間帯は決まっている

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記事一覧

1.教科指導中の事故を防ぐために、教科通信で徹底的に生徒・保護者に伝えること

各教科の授業開きの4月に、「教科通信等の書面」で保護者・生徒に「安全指導」をしなければなりません。
これは必ずです。
このような書面での指導なしに、「観察・実験」、「実技」、「実習」等をすることなどありえません。
まだの先生は、2学期当初の8月や9月からでも構いません。
早急に作成してください。
そして、配布する時に、
「保護者の方へも必ず見せてください」
と生徒に伝えるのです。
その教科通信の内容(安全に関係する部分)として、
・全国で実際にあった事故例
新聞記事等があれば説得力があります。
・実技中(実習中、観察・実験中)のルール
例えば、
「火を使う実験で必ずしなければならないこと」
「のこぎりを使う時に必ず守ること」
などが記載されているべきです。
・事故が起こった時にすること
「放課後保護者から電話がかかってきて初めて怪我をしていたことに気づいた」
例もあります。
生徒が授業中に言わなかった例として、
「対した怪我ではないと思った」
「言ったら、怒られると思った」
「言わなくてもいいと思った」
などがあります。
教師は、
「どんな小さな怪我(キズ)でも、必ず言いにくること」
と、教科通信で知らせておかなければなりません。
上記の3つについては、教科の指導書にも掲載されているはずです。

2.「特定の教科」「特定の時期」に徹底するだけでは、生徒の安全は確保されない

「特定の教科」だけ徹底するだけでは、生徒の安全は確保されません。
学校全体で、生徒全員の安全を確保するという意識が必要です。
これは立ち位置や役職によりできることが変わってきます。
例えば、「1.」の内容を啓発する際には、教科担当が「教科通信」で発信する以外に、
・管理職の先生なら、「学校便り」で
・生徒指導主事なら、「生徒指導便り」で
・学年主任なら、「学年便り」で
・学級担任なら、「学級通信」で
・養護教諭なら、「保健便り」で
それぞれの立場から書けることを内容にすればよいのです。
ある程度の統一された内容は必要です。
また、年度当初の4月だけに指導を徹底するだけでもいけません。
少なくとも
「毎学期の始めに注意喚起が必要」
なのです。
4月に徹底的に安全指導したとしても、9月には忘れています。
あまり多くの時間をかけることはできないでしょうから、「抜粋版」として再配布すればよいでしょう。

3.文部科学省の「安全」に関する部分を熟読する

例えば、中学校学習指導要領解説 美術編 第4章の3 平成 20 年7月 文部科学省
には、次のように記載されています。
中学校学習指導要領解説 美術編 第4章の3 平成 20 年7月 文部科学省
(http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2011/01/05/1234912_008.pdf)
より抜粋

3 安全指導
3 事故防止のため,特に,刃物類,塗料,器具などの使い方の指導と保管,活動場所における安全指導などを徹底するものとする。
事故防止のためには,用具や機械類は日常よく点検整備をし,刃物類をはじめとした材料・用具の正しい使い方や手入れや片付けの仕方などの安全指導を,授業の中で適切な機会をとらえて行う必要がある。
刃物類の扱いや保管・管理には十分留意し,事故を招かないように安全指導を徹底するとともに,貸し出しする道具については劣化の点検や番号を記入するなどして,その管理に努める。また,電動の糸のこぎりやドリルなど電動機械の使用時には教師が付き,慎重な取扱いが必要である。
塗料類及び薬品類の使用に際しては,換気や保管・管理を確実に行うとともに,薬品などに対してアレルギーをもつ生徒などを事前に把握するなどの配慮も必要である。

他の教科もこれに該当する部分があります。
必ず読んでおきましょう。

4.事故が起こる原因を知る

本記事冒頭の例を考えます。
A理科の授業中、熱していたビーカーが突然割れて、その湯が生徒にかかり火傷をした。
教師側の点検不備の問題です。
実験器具のうち、「使用頻度が高いもの」、「年数が経っているもの」を総点検しなければなりません。
Bのこぎりでの作業中、誤って自分の指を傷つけてしまった。
「この生徒が真面目に作業していた」とするならば、教師の指導方法の問題を考えるべきです。
いろいろな情報(他の教師に聞く、本を読む等)して、安全指導の方法を工夫・研究する必要があります。
C美術の筆をふり回し、絵の具が友人の目に入ってしまった。
生徒指導上の問題です。
その解決方法の一例として、「中学校生徒指導~25の考え方と指導のコツ~」などがあります。
よろしければ参考にしてください。
D指揮棒が準備室から盗まれ、生徒がその指揮棒で遊び、友達を傷つけた。
「教師の備品・消耗品の管理責任の問題」と「生徒指導上の問題」があります。
生徒指導上の問題は、「C」を参考にしてください。
教師の備品・消耗品の管理責任の問題は、「危険なものなどは、生徒のいない場所に施錠などして厳重に保管をする」という基本に立ち返らなければなりません。

5.事故が起こりやすい時間帯は決まっている

これについては、
中学校の教室「荒れやすい時期・荒れやすい時間・荒れやすい状況」
をよろしければご覧ください。