1.A先生の指導
後輩教師への言い訳は完全にアウトです。
あえてここでは「後輩教師への」と限定します。
ある年の初任者が、訴えに来ました。
「初任者指導の先生(=A先生、以降同様)が許せない!」
ということでした。
その時の内容を話します。
A先生は、出張時の注意点として、次のようなことを厳しく初任者に指導していました。
・公共交通機関で行く(初任者に限らず通達が出ている)。
・服装は必ずスーツ(またはそれに準じる格好)。
・初任者研修は、特に時間に遅れない。
最もな内容です。
しかし、A先生は、初任者が腰を抜かすようなことをやらかすのです。
2.A先生の出張場面で
ある日、A先生が出張の時がありました。
「そしたら行ってきますね。あと、頑張っときや」
と初任者に伝え、あわただしく職員室を出ました。
B教育研究所への出張なのですが、明らかに間に合う時間ではありません。
そして、ふと外を見ると・・・、
A先生が、「かなりラフな格好で、50ccのバイクに乗り、凄まじい勢いで校門を通り抜けて行った」そうです。
初任者はやや興奮気味に続けます。
「A先生の言うことは絶対に聞かない。いや、話すのが面倒だから、会話時間ができるだけ短くなるように「ハイハイ」って言って大人な対応をします」
初任者の考えはもっともです。
さらにこの話には続きがあります。
初任者の先生の気持ちが少し落ち着いた翌日、A先生に笑顔で次のような話をしたそうです。
「A先生、昨日の出張、バイクで言ってたんですね」
A先生が答えます。
「そやねん。昨日は急いでたからね(笑)」
完全アウト。ゲームオーバーです。
素直に、
「ごめんね。人に指導しておいて・・・。」
とはならないのです。
初任者指導だからと言って、すべてを完璧にできる必要があるとは言いません。
しかし、です。
初任者に指導している基本的なことについては、自分が率先してやらなければならないでしょう。
今回の場合も、「遅刻」「ラフな服装」は百歩譲れたとしても、「バイクで行く」はあり得ないのです。
また、自分が守られなかったことを指摘されたら、
「ごめんなさい」
「すみません」
と素直に反省しないといけないのです。