生徒指導上、問題のある生徒が最初に問題行動を起こしたときが勝負です。
この対応で、1年間が決まります。
よくあるのが、担任の前では(無意識のうちに我慢して)「良い子」を演じていて、特定の教科や先生になれば、授業態度が悪くなる生徒です。
このような生徒は、担任の先生がアンテナを高く立てていないと、問題が表面化しにくい問題事例でもあります。
また、今回の場合、「問題行動」の範囲は、授業中の私語を含みます。
特定の教科や先生で多いのが、 「他学年から教えに来ている女性の先生の時に、元気のいい男子生徒の授業態度が悪くなる」ことです。
教科で言うと、「家庭科」「美術」「音楽」などです。
(この3教科が必ず態度が悪くなるということではありません。経験上、そういう生徒が多かったということです。)
他学年所属の先生の場合、関係が薄いということも、生徒が問題行動を起こしやすい原因でもあります。
ポイントは、アンテナを張って問題行動を想定しておくことです。
どの授業の時に授業態度が悪くなるのか、担任の先生ならある程度分かると思います。
2週目以降で、態度が悪くなることが予想される先生の授業後、その生徒の授業態度がどうであったか、直接聞きに行くのがいいでしょう。
「○○さんとしゃべっていた」
「○回注意した」
「まったく課題に取り組まなかった」
などの情報が得られるかもしれません。
次にポイントになるのが、どのタイミングで、担任の先生や学年生徒指導の先生が、指導に入るかということです。
この辺りは、中学校生徒指導~25の考え方と指導のコツ~で記事にしていますが、簡単に言うと、「事前にどのタイミングでどのように指導する内容を決めておくこと」がポイントです。
例えば、
授業中、教科の先生から、3回以上注意される
↓(それでも、授業態度が悪い)
・担任の先生の説諭+座席をしゃべりにくい席に移動
↓(それでも、授業態度が悪い)
・担任の先生+学年主任+学年生徒指導の先生の説諭+家への電話
↓(それでも、授業態度が悪い)
・保護者を呼んでの指導。
こんな感じで段階的な指導をしていきます。
とにかく、
「アンテナを高くして、最初に授業態度が悪くなったときを見過ごさないこと」
これが指導のポイントです。
相手は中学生です。
十把一絡げに、担任の先生が「教科によって態度を変えるのは、いけないことだ」と怒鳴っておしまいになることは避けたいものです。