「SDGsをこれから学んで授業にしたい」
そんな先生のために記事を書きました。
SDGsについては、多くの情報量があります。
「SDGs」を検索すれば、外務省、ユニセフ、パートナー企業、SDGs関連の広告等が検索結果に出てきます。
どれも読みごたえがあり、生徒に伝えたいものばかりです。
限られた時間の中で何を選べばよいのか本当に迷います。
今回は、本校の生徒の実態に合わせた切り口を紹介します。
皆さんの学校においても、実態に応じて授業案をどんどん変更していただければと思います。
1~3時間の授業案になります。
1.教師の準備
(1)SDGsを知る(外務省)
SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略になります。
外務省のSDGsについてのホームページ
をまずは見てください。
ここにほぼすべてが詰まっています。
トップページの画像です。
(外務省ホームページより)
SDGsには、17のゴールがあります。
ホームページ内の1~17のそれぞれの画像をクリックすることにより、詳細を知ることができます。
まずは、このページでSDGsの概要を理解します。
次にトップページの左側「SDGsとは」をクリックします。
すると、次のような説明があります。
持続可能な開発目標SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/SDGs/index.html
持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。 SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。
時間があれば、
同ホームページ内
「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳(PDF)」
を読んでおきましょう。
(当方のブログではPDFファイルの直リンクはしていません。)
また、ホームページ内には、SDGs関連動画として、次のようなリンクが張られています。
後述しますが、生徒への教師関心を高める意味でも、いくつかを見せるのがよいでしょう。
先生側の準備としては、次の動画を参照しておけばいいでしょう。
特にピコ太郎さんのPPAPは面白いと思います。
・【外務省×SDGs】どれから始める?未来のために
・ハローキティSDGs応援Vol.7
・SDGs NOW! 17 Goals to Transform Our World
・ピコ太郎×外務省~PPAP~
・国連ハイレベル政治フォーラムの日本政府動画(PPAP)
(2)SDGsを知る(unicef)
unicefの「学校のための持続可能な開発ガイド」も必見です。
また、サイト中の「SDGsについての動画を見る」も非常に面白いです。
ここには、以下のような動画があります。
世界に広めよう「持続可能な開発目標(SDGs)」Ⅰ
マララ・ユスフザイさん編
世界に広めよう「持続可能な開発目標(SDGs)」Ⅱ
エマ・ワトソンさん編
世界に広めよう「持続可能な開発目標(SDGs)」Ⅲ
【4分32秒】 ※日本語字幕
これも必見でしょう。また、「数字で見てみよう!世界の格差」
なども、導入場面では活用できるでしょう。
(3)SDGsバッジの意味を理解する
教育ブログ「応援の空」は 持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。
SDGsバッジは、1000円前後で発売されています。
詳細は、「SDGs バッジ 購入」等でお調べください。
入手して、生徒に実物を示すと効果的です。
17の目標にはそれぞれ色が設定されています。
その色を表したのがバッジになります。
(4)トレンドニュースを調べる
例えば、2020年2月現在では、次のようなニュースや企業、市町村区の取り組み事例が報告されています。
以下に、SDGsの取り組みが入賞している企業等を示します。
北海道下川町、特定非営利活動法人しんせい、パルシステム生活協同組合連合会、金沢工業大学
、サラヤ(株)、住友化学(株)、吉本興業(株)、(株)伊藤園、江東区八名川小学校、国立大学法人岡山大学、公益財団法人ジョイセフ、福岡県北九州市、(株)日本フードエコロジーセンター、日本生活協同組合連合会、鹿児島県大崎町、(一社)ラ・バルカグループ、(株)LIXIL、特定非営利活動法人エイズ、孤児支援NGO・PLAS、会宝産業(株)、(株)虎屋本舗、(株)大川印刷、、 SUNSHOW GROUP、(株)滋賀銀行、 山陽女子中学校・高等学校地歴部、(株)ヤクルト本社、産科婦人科舘出張佐藤病院、(株)フジテレビジョン
他にも身近な多くの企業が取り組んでいます。
詳細については、
SDGs企業の取り組み事例
をご覧ください。
実に多くの企業が、実際にアクションしていることが分かります。
(5)身の回りの例を調べる
私は阪急電鉄を利用しているのですが、次のようなSDGs列車があったので、写真を撮らせてもらいました。
読者の皆さんの身の回りにもSDGsに関連したものがあると思います。
それを提示することで、より興味関心を高めることができます。
2.授業案
以上の準備を踏まえ、授業化していきます。
発問例<T>、予想される生徒の反応<S>を中心に説明します。
unicef「SDGs 副教材 私たちがつくる持続可能な世界~SDGsをナビにして~」
を活用した授業案になります。
unicefの副教材は充実しています。
これを使うのが王道でしょう。
<スライド1>
<T>
「(板書)SDGs = ( )な( )」
( )には何が入りますか。
<S>
???(知っている生徒もいます)
<T>
SDGsを日常生活で見たことや聞いたことがありますか。
<S>
広告で見た。
見たことがない。
<T>
「持続可能な開発目標」を表した言葉です。
Sustainable Development Goalsを省略した言葉です。
(それぞれの単語の意味を全体に問うものいいでしょう)
<スライド2>
<T>
このバッジは、17色あり、それぞれの決められた色のゴールがあります。
<スライド3>
<T>
2030年までに、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
17のゴール・169のターゲットから構成されています。
<スライド4>
<T>
「leave no one behind」というキャッチフレーズがあります。
意味が分かる人はいますか?
<S>
(数人が正解に近いことを言います)
<T>
正解は、「地球上の誰一人も取り残さない」という意味です。
実は、ある芸能人が外務省の SDGs 公式動画に出演しています。
誰か分かる人?
(ヒントを言いながら、正解へ導きます)
正解は・・・、動画を見てみましょう。
<スライド5>
Youtube動画視聴
・ピコ太郎×外務省~PPAP~
<スライド6>
<T>
(「17の目標」)ワークシートを配布
<スライド7~23>
スライド7~23には、 「17の目標」ワークシートの正解が出ます。
<スライド24>
<T>
( SDGs 副教材「私たちがつくる持続可能な世界~SDGsをナビにして~」
を全ページ配布。)
(既に全中学校へ送付されています。他教科等で使用済であれば、再度ご自身の授業で使用する時に印刷すればいいでしょう)
今から、その資料を自分で読んでいきます。細かく読む必要はありませんが、特に自分が「これは驚き」「知らなかった」「考えさせられる」部分に線を引いていきます。
(線を引いた後、時間があれば、数名に線を引いた部分を読ませる。理由も言えればなおよい。)
<スライド25>
<T>
外務省は、他にもSDGsの動画を作成しています。
見てみましょう。
Youtube動画視聴
【外務省×SDGs】どれから始める?未来のために
<スライド26>
<T>
(資料:SDGs 副教材「私たちがつくる持続可能な世界~SDGsをナビにして~」に、書き込むよう指示する。書き込んだら、同じ内容を付箋に書くように指示する(始めから付箋に書かせてもよい)
<スライド27>
<T>
(班に1枚、ワークシートを配布する)
「今配布したワークシートに、自分が書いた付箋を全員貼っていきます。貼るときには、「私は海のごみを拾うと書きました。なので、現在個人でできるのでここに貼ります(表の左下の領域)」というように言ってください。どこに貼るか分からない場合は、班の友達に聞いてみましょう。全員分貼ったら、全員分貼りつけられた表を見て、気づいたことを表の空いているところに書き込んでいきましょう。最後に発表(教材提示装置で)してもらいます。その人も決めておいてくださいね。
(各班で発表して、終了)
(資料の最終ページの「行動宣言」に最後まとめさせてもよい)
3.ダウンロードファイル一覧
・「中学校でSDGsを授業する」パワーポイントファイル をダウンロード
・「中学校でSDGsを授業する」 17の行動目標PDFファイル をダウンロード
・「中学校でSDGsを授業する」 現在、未来、個人、社会グループワークファイル をダウンロード
4.その他のワークシート
以下のようなワークシートも展開によっては、使用可能です。
ふつうにすれば、2時間程度の授業案になります。
超特急ですれば1時間、ゆったりすれば3時間になるかと思います。
5.全体の留意点
・最新のトレンドは、多く取り入れましょう。
・指名方法(「列指名」「自由発言」「挙手」)や提示方法等の授業の進め方については、各学級の実態に応じて選択してください。
・自分発信と多様性がポイントです。授業自体をSDGsが目標としている形にします。
・1~17の行動を自分の身近な行動に結びつけられない生徒が多くいます。身近な行動が結びついていることを意識させてください(エコバッグ、食べものを残さない、ポイ捨て、募金、偏見や差別について考えること等)。
・「現状を知る」 → 「行動に結びつける」 → 「未来の行動レベルに落とし込む」
が基本路線です。