「管理職試験を受けようと思っています。」
そう相談を受けたとき、私が必ず尋ねることがあります。
「なぜ、管理職になりたいのですか。」
少し意地悪な質問に聞こえるかもしれません。
でも、この問いへの答えは、管理職になってから何度も自分を支えてくれるものになると思っています。
「勧められたから。」
「年齢的にそろそろかなと思って。」
「一度挑戦してみようと思って。」
もちろん、それがきっかけでも構いません。
しかし、それだけでは、管理職になった後に必ず迷います。
管理職は、毎日のように判断を求められます。
教職員への対応。
保護者との対話。
子どもへの支援。
学校運営の方向性。
正解が一つではない場面ばかりです。
そんなとき、自分の中に「何のために管理職になったのか」という軸がないと、その場その場の意見に流されてしまいます。
私は、「管理職になりたいです」という先生には、「管理職になって何をしたいですか」と続けて聞くようにしています。
学校をもっと良くしたい。
若い先生を育てたい。
安心して働ける職員室をつくりたい。
子どもたちが笑顔で過ごせる学校にしたい。
どれも立派な理由です。
正解はありません。
大切なのは、自分の言葉で語れることです。
管理職試験の面接でも志望動機は聞かれます。
でも、本当に大切なのは、試験官に話すための答えではありません。
自分自身が納得できる答えを持っているかどうかです。
管理職になることは、ゴールではありません。
そこから何年も続く学校経営のスタートです。
だからこそ、試験勉強を始める前に、一度だけ立ち止まって考えてみてください。
「私は、管理職になって、何を実現したいのだろう。」
その答えは、誰かに教えてもらうものではありません。
時間をかけて考えた分だけ、管理職になった後の自分を支えてくれる、大切な道しるべになるはずです。
