管理職試験を受けようか迷っている先生に、私が必ず考えてほしいと思っていることがあります。
それは、家族や大切な人への影響です。
管理職になるかどうかは、自分一人の問題のように見えるかもしれません。
試験を受けるのも自分です。
仕事をするのも自分です。
責任を負うのも自分です。
しかし、実際には、家族(大切な人)にも少なからず影響があります。
管理職になると、生活のリズムが変わることがあります。
朝の出勤が早くなることもあります。
帰宅が遅くなることもあります。
土日や夜に、学校のことが頭から離れないこともあります。
緊急の連絡が入ることもあります。
もちろん、すべての管理職が常にそうだというわけではありません。
学校の状況や地域、役職、時期によっても違います。
それでも、教諭の頃とは違う負担が生まれることは知っておいた方がいいと思います。
特に、家庭での役割が大きい時期には、よく考える必要があります。
お子様がいらっしゃる場合は
子育て。
ご両親がいらっしゃる場合は
介護。
家族の健康。
自分自身の体調。
そうした事情は、人によって違います。
管理職になることが、家庭や大切な人にどのような影響を与えるのか。
そこを曖昧にしたまま進むと、あとで苦しくなることがあります。
私は、管理職を勧められた先生には、
「家族や大切な人と話しましたか。」
と聞くことがあります。
これは、家族や大切な人の許可がなければ受けてはいけない、という意味ではありません。
ただ、自分の人生に大きく関わる選択だからこそ、家族や大切な人と話しておいた方がいいと思うのです。
話し合う内容は、難しいことでなくてよいと思います。
管理職になると、どんな働き方になりそうなのか。
帰宅時間はどう変わりそうなのか。
休日の過ごし方に影響はあるのか。
心配なことは何か。
自分は、なぜ管理職を考えているのか。
そうしたことを、率直に話してみることです。
時には、家族や大切な人から反対されることもあるかもしれません。
「今でも忙しいのに、大丈夫なのか。」
「体を壊さないか心配だ。」
「家庭のことはどうするのか。」
そう言われるかもしれません。
その言葉を、単なる反対として受け止めない方がいいと思います。
多くの場合、それは心配です。
自分のことを大切に思っているからこそ、出てくる言葉です。
逆に、家族や大切な人から背中を押されることもあるかもしれません。
「やってみたらいい。」
「あなたなら向いていると思う。」
「後悔しないように考えたら。」
そう言ってもらえることで、気持ちが整理されることもあります。
ただし、その場合でも、勢いだけで決めないことです。
応援してくれる家族や大切な人がいるからこそ、自分も責任を持って考える必要があります。
管理職になるかどうかを考えるとき、仕事上のメリットやデメリットだけではなく、生活全体を見ることが大切です。
管理職は、学校の中だけで完結する仕事ではありません。
心の負担が家庭に持ち帰られることもあります。
逆に、家庭が安定しているからこそ、学校で踏ん張れることもあります。
仕事と家庭は、完全に切り離せるものではありません。
私は、管理職になることを迷っている先生には、自分の思いを一度言葉にしてほしいと思っています。
「なぜ管理職を考えているのか。」
「何に不安を感じているのか。」
「家族や大切な人にどんな協力を求めることになるのか。」
これを家族に話すだけでも、自分の考えが整理されます。
話してみて初めて、自分が本当に不安に思っていることに気付くこともあります。
管理職を勧められたとき、すぐに答えを出す必要はありません。
まず、自分で考える。
信頼できる管理職に話を聞く。
そして、家族や大切な人とも話す。
その上で、自分なりの答えを出せばいいと思います。
管理職になることは、人生の大きな選択です。
だからこそ、家庭や大切な人のことを横に置いて考えない方がいいと思います。
自分にとって大切な人は、どのように受け止めているのか。
自分は、その人たちに何を伝えたいのか。
その対話の中で、管理職になるかどうかの答えが少しずつ見えてくることもあります。
管理職を目指すことは、決して自分勝手なことではありません。
しかし、自分一人だけで完結する選択でもありません。
家族や大切な人と話し合った上で選んだ道なら、進むにしても、進まないにしても、後悔は少なくなるのではないかと思います。