管理職試験は、「受けるかどうか」だけでなく、「いつ受けるか」も重要な判断です。
「早く管理職になりたい」という気持ちだけで決めるものではありません。
管理職になる目的、自分自身の経験、家庭の状況、学校の事情など、さまざまな要素を総合的に考えて判断する必要があります。
まずは、管理職になる目的を考える
受験のタイミングを考える前に、自分自身へ問いかけてほしいことがあります。
「なぜ、管理職になりたいのか。」
この答えがはっきりしていれば、おのずと受験のタイミングも見えてきます。
例えば、一日でも早く学校経営に携わりたいのであれば、早めに挑戦する選択もあります。
一方で、「もう少し現場経験を積んでから学校全体を支えたい」という考えであれば、その経験を積む時間にも意味があります。
目的が定まっていないまま、「周りが受けるから」「勧められたから」という理由だけで受験すると、管理職になってから迷いが生まれることもあります。
気持ちがはやるときほど、一度立ち止まる
管理職試験を勧められると、うれしくなるものです。
「自分もそろそろ受けるべきなのか。」
「今年を逃したら遅れるのではないか。」
そんな気持ちになることもあるでしょう。
しかし、気持ちがはやっているときほど、一度冷静になることが大切です。
受験は一年待てば終わるものではありません。
管理職として働く期間は、その後何十年と続く可能性があります。
数か月、一年、二年を冷静に考えた結果であれば、その時間は決して無駄にはなりません。
自分の意思だけで決められないこともある
管理職試験は、自分の意思だけで決められるものではありません。
家庭の状況も、大切な判断材料です。
子どもがまだ小さい。
親の介護が始まった。
配偶者の仕事との兼ね合いがある。
こうした事情によって、「今は受験しない」という判断が最善になることもあります。
それは決して逃げではありません。
人生には、仕事だけでは決められない時期があります。
管理職になることは大切ですが、家庭を犠牲にしてまで急ぐ必要があるかどうかは、よく考えるべきです。
学校の事情も判断材料になる
学校の状況によっては、「もう一年いてほしい」と校長から言われることがあります。
例えば、五年生の学年所属で、翌年度六年生へ持ち上がってほしいとお願いされることもあるでしょう。
もちろん、最終的に決めるのは本人です。
しかし、その学校で果たすべき役割があり、子どもたちや学年経営の継続性を考えた上でのお願いであれば、その思いを受け止めることも大切です。
特に三十代から四十代前半であれば、一年や二年受験の時期が変わったとしても、管理職としてのキャリア全体から見れば、大きな差になることはほとんどありません。
よほどの事情がある場合は別ですが、「今しかない」と焦る必要はないでしょう。
学校全体を見る経験は大きな財産になる
管理職になると、自分の学年だけを見ていればよい仕事ではありません。
学校全体を見渡しながら判断する仕事です。
そのため、教務主任や研究主任、生徒指導主事など、学校全体を見ながら進める分掌を経験していることは、大きな強みになります。
もちろん、それらを経験していなければ管理職になれないわけではありません。
しかし、学校全体を俯瞰して考える経験は、管理職になってから必ず生きます。
もし、そのような役割をまだ経験していないのであれば、一度経験してから受験するという考え方も十分にあります。
「まだ早い」と「まだ受けない」は違う
一方で、「まだ早い」を何年も繰り返してしまうのも考えものです。
本当に経験が必要なのか。
それとも、挑戦することへの不安なのか。
その違いは、自分自身で見極める必要があります。
どれだけ経験を積んでも、管理職になれば初めて経験することばかりです。
「十分準備ができた」と感じる日は、おそらく来ません。
だからこそ、不安があることを理由に先延ばしを続けるのではなく、必要な経験は積みつつ、どこかで決断する勇気も必要です。
タイミングは、キャリア全体で考える
管理職試験は、早く受けることが正解でも、遅く受けることが正解でもありません。
大切なのは、自分がどのような管理職になりたいのか、そのために今何が必要なのかを考えることです。
管理職になる目的が明確であれば、受験のタイミングも自然と見えてきます。
焦る必要はありません。
一方で、漫然と先延ばしにする必要もありません。
自分自身の思い、学校の状況、家庭の事情、そして将来のキャリアを総合的に考えた上で、「今がその時だ」と思えるタイミングで受験することが、最も納得できる選択になるはずです。誰かに相談することも忘れないようにしましょう。