1.チェック機能が働く教師集団に
以前に所属していた中学校で、「怖いな」と思った学年集団があります。
行け行けドンドンの集団です。
「それは違うんじゃないの?」と首をかしげてしまいました。
少し極端かもしれませんが、例をあげて説明します。
信頼されている学年主任の一声で、あるテスト前の6時間目の学年全クラスの授業が「テスト勉強」に変わりました。
当日の朝の学年ミーティングで決まりました。
理由は、「勉強させたいから」です。
1~5組まであり、4クラスは学年の先生の授業、1クラスは他学年所属の音楽の先生の授業でした。
4クラスの学年の先生から「OKです」となり、その後、音楽の先生からも許可をもらったのです。
教務主任や校長先生、他学年への説明もありません。
独自でコッソリかどうかは分かりませんが、変更したのです。
怖いことです。
・チェック機能が働かない集団
・働いたとしても「井の中の蛙」状態の数人(十数人)の先生のチェックだけ
なのです。
「チェック」とは言っても、「変更ありき」前提のチェックです。
このように、ある特定の集団内だけで、何の議論もなくそのまま決定されるような時は危険なのです。
学年の基準=スタンダードが、より大きな集団では正しいのかどうか?
これが判断できないといけないのです。
このような小さな集団では、「世間感覚のあるもっともな意見を言う先生」の発言は、軽視されます。
全国レベルのスタンダードではあっても、その学年のスタンダードではなくなる
のです。
「地域の実態に合わせる」、もちろんこれも大事なことです。
また、あえて「スタンダードに合わせない」こともあります。
しかし、今回の場合はそれには該当しないのです。
そしてさらに怖いことが起こりえます。
このような小さな集団の中で育った「若い教師」は、「このような学年運営をスタンダードにしてしまう」のです。
だから、自分が学年を引っぱるようになった時も、同じような運営をしてしまうのです。
2.ポイント
このような集団にならないために必要なこと、それは、
先生一人一人が、より自立した個人になること
です。そして、
より自立した個人になるには、より多様で大きな集団でのスタンダードを知っておくこと
です。
より多様で大きな集団でのスタンダードを知るためには、
・中学校教諭という職業に関わらず、より多くの業種の方との人間関係を築いていること
・普段から本やセミナーなどを通した研究と修養に努めていること
が必要なのです。
こういう先生が学年に一人いれば、間違った方向へ集団が動くことはなくなります。
本当にそれでいいのかどうか?
常に正しく判断できるよう、深く考えなければならないのです。