管理職を目指すか迷ったら、「どんな学校をつくりたいか」を考える

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管理職を目指すかどうかを考えるとき、「自分に務まるだろうか」「試験を受けるべきだろうか」と悩むのは自然なことです。ただ、役職に就けるかどうかだけを考えていると、肝心な問いが後回しになります。

それは、自分はどんな学校で働きたいのか、そこで何を守りたいのかという問いです。

管理職になるか、ならないか。その答えを急ぐ前に、まず「つくりたい学校」を言葉にしてみると、自分が引き受けたい責任と、引き受けたくない負担が見えやすくなります。

1.役職ではなく、実現したい学校から考える

校長や教頭という肩書に魅力を感じるかどうかだけでは、長く続けられる判断にはなりません。実際の学校運営には、教育課程、教職員の育成、保護者対応、危機管理、働き方など、多くの判断が含まれます。

だからこそ、「管理職になりたいか」より先に、次のように具体的に考えてみます。

  • 若手が失敗を隠さず相談できる学校にしたい
  • 子どもの安全に関わる情報を、担任一人で抱えない学校にしたい
  • 保護者対応で教職員を孤立させない学校にしたい
  • 授業を大切にしながら、無理な働き方を減らしたい

抽象的な「よい学校」ではなく、誰のどんな場面を変えたいのかまで考えることが大切です。

2.理想には、引き受ける責任が伴う

つくりたい学校を思い描くことは、きれいな理念を掲げることではありません。限られた人員や時間の中で優先順位を決め、時には反対意見を受け止め、説明する責任も伴います。

たとえば「若手を守る」と決めれば、難しい保護者対応に管理職が前へ出る場面があります。「働き方を見直す」と決めれば、続けてきた行事や会議を縮小する判断も必要になります。全員に歓迎されるとは限りません。

理想を持てるかだけでなく、その理想のために、どの責任なら引き受けたいかを考える。この視点があると、管理職への憧れだけでも、不安だけでもない判断ができます。

3.三つの問いを紙に書く

迷っているときは、頭の中だけで考えず、次の三つを紙に書いてみてください。

  1. 今の学校で、これからも守りたいものは何か
  2. 自分に権限があれば、変えたいものは何か
  3. 役職を得ても、失いたくないものは何か

三つ目には、家族との時間、健康、授業に関わる実感、自分らしい働き方などが入るかもしれません。ここを曖昧にしたまま進むと、就任後に「思っていた仕事と違った」と感じやすくなります。

すぐに答えが出なくても構いません。今の自分が大切にしているものを把握すること自体が、後悔を減らす準備になります。

書いた内容は、「理想」「現状」「条件」の三つに分けると、さらに整理しやすくなります。理想だけを並べるのではなく、今の立場ですでに始められること、管理職にならなければ難しいこと、実現のために必要な支援を分けます。すると、役職そのものを求めているのか、実現したい仕事のために役職が必要なのかが見えてきます。

4.管理職にならなくても、学校づくりには関われる

つくりたい学校が見えてきたからといって、必ず管理職を目指す必要はありません。主任、主幹教諭、中堅教員として、相談しやすい学年や分掌をつくる道もあります。授業づくりや若手支援に力を注ぐ選択も、学校を変える大切な仕事です。

一方で、自分が実現したいことには、学校全体を見渡す権限や組織的な判断が必要だと感じるなら、管理職という道を具体的に検討する意味があります。

「向いている人だけがなる」のではなく、どの立場なら自分の大切にしたいことを実現しやすいかで考えてよいのです。

5.他者の期待と、自分の意思を分ける

管理職を勧められることは、これまでの仕事を評価されている一つの表れかもしれません。しかし、期待されたことと、引き受けたいことは同じではありません。

返事をする前に、実際の職務、勤務地や異動、家庭への影響、支援体制を確認してください。家族や大切な人に相談し、現職の管理職にも、魅力だけでなく厳しい場面を聞いてみることが役立ちます。

関連して、引き受けたい仕事から考える視点、管理職と家庭の両立を考える記事、家族や大切な人に相談するときの考え方も参考にしてください。

6.決める前に、自分の判断軸を持つ

管理職になる選択にも、ならない選択にも、それぞれ得るものと手放すものがあります。大切なのは、周囲の期待や一時的な不安だけで決めず、自分がつくりたい学校と、守りたい生活の両方を見つめることです。

著書『管理職への道を考え始めた先生へ』は、管理職になることを勧めるための本ではありません。校長・教頭の仕事の現実、準備しておきたいこと、家庭やキャリアとの向き合い方を整理し、「なる・ならない」を自分で考えるための材料をまとめています。

今すぐ結論を出すためではなく、自分の判断軸を持つために読みたい方は、Amazonの商品ページでも内容を確認できます。

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