この記事は次のような中学校の先生のために書きました。
・今までにやったことのない校務分掌を4月から担当する先生
・必要最低限、時間をかけずに仕事を進めたい先生
・無難に仕事を進めたい先生
・教師の経験年数の少ない先生
拙ブログで繰り返し伝えているところですが、ここでもポイントは
選択と集中
です。
「何をやって何をやらないのか」
これを決めることが基本です。
「何をやって何をやらないのか」を決めるには、まず、やること(やるかもしれないこと、やってもいいことも含めたすべて)を把握する必要があります。
「選択と集中」については、
拙記事「中学校の先生の思考力・判断力をアップさせるMBA思考法15」の
で記事にしています。
なお、以下の校務分掌については、別に記事にしていますので、そちらをご覧ください。
・学年主任(学年主任になったら最初に考えること)
・進路指導主事(進路指導主事になったら最初に考えること)
・教務主任(教務主任になったら最初に考えること)
今回の記事は上記の校務分掌以外のことを書いた記事です。
1.動く前に考えておくこと
今回の記事の目的は、攻めない校務分掌(消極的にこなす校務分掌)です。
「必要最小限のことを」「無難に」「時間をかけずに」です。
ほぼ結論ですが、ポイントは、
・「前倒し効果」を意識して仕事をすること
・4月にある会議に出す資料だけは完成度を高くする(高く見せる)こと
この2つです。
これができれば、1年中吹く偏西風のように、自然に1年が流れていくでしょう。
「前倒しの効果」は言わずもがなでしょう。
校内の発言権の強い先生が意見する前(気づく前)に、資料を完成させておきます。
発言したい先生も「いいよ」と言う確率も高くなります。
また「早く出来上がっている」だけで、資料そのものへのハードルが下がります。
「遅い資料」は、「みんなが待っている」「アンテナが高くなっている」ので、気づきが多くなり、資料へのハードルが高くなります。
また、「あの校務分掌、大丈夫?」のように心配されてしまい、チェックが入りやすくなってしまいます。
だからこそ、「前倒しで完成度の高い資料」が一番効果的で1年を通してみれば、圧倒的に時間も短くて済みます。
以下に、手順を示します。
2.前年度の資料を読む
前年度の資料を読むときのポイントは、「ToDo」(やること)のチェックをすることです。
「ToDo」の部分にどんどん付箋を貼っていきましょう。
同時に「When」(いつやるか)も付箋に書いておきます。
可能なら疑問点も書いていきましょう。
できるだけ早い時期に1年分やってしまいます。
私は「まとめ効果」(まとめてやると、時間が短縮できる)と呼んでいます。
「まとめ効果」は、すべての仕事の基本です。
4月にこれができれば、「ToDo」の視点からだけではなく、「マインド」の負担もかなり少なくなります。
3.年間計画を立てる
校内で配布されている「年間予定表」(あるいは自分の手帳)に、自分の分掌の「ToDo」を書き込んでいきます。
書き込む内容は、以下の通りです。
・資料をいつ作成し始めるのか。
・会議(職員会議、学年会議、その分掌の会議等)でいつ提案するのか。
・実際に先生や生徒を動かすのはいつか。
をモレなくダブリなく記入します。
MECE(ミッシー)の考え方です。
MECEについては、
拙記事「中学校の先生の思考力・判断力をアップさせるMBA思考法15」の
で記事にしています。
4.前年度の担当者に、自分が作成した年間計画を確認してもらう
ポイントがあります。
この記事では、「必要最小限」を目指しているので、
「やることの中で、何か省略してもいいことってありますか」
と前年度の担当者に聞いてみましょう。
前年度の担当がいない場合は、その分掌のことを一番よく分かっている先生に聞いてみましょう。
また、前年度の担当者が、その校務分掌について、あまり信頼できない先生だったら、校内でより決定権のある先生にお伺いを立てるのもいいでしょう。
5.実際に資料を作成する
ポイントは、
「早く」「正確に」「まとめて」「いろんな先生の意見を聞いて」「(攻めない場合は)基本は前年度とほぼ同じで」
です。
私は、校務分掌の仕事は
「4月にロケットスタートダッシュ」
を心がけています。
17年間、自分を含め多くの先生を見てきましたが、
「魅せるのがうまい先生(必ずしもできる先生ではない)」は、4月にほとんどできることはやっていました。
結局それが、時間をかけず必要最小限のことを無難にするコツなのです。
6.その他のコツ
「前年度と全く同じ」では、管理的な指導が入る可能性があるので、仕事内容を少し変化させる(変化させたようにみせる)方がより無難でしょう。
ほぼ自分が作成した資料に見せるコツは、
目立つ部分に「自分で考えた言葉を入れること」
です。
これについては、
で記事にしています。